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趣深い日本の色彩 #32 藤色

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は自分の名前にも入っている植物、藤のお話。

ちょうど見頃ですね

4月の終わりから5月にかけて藤の花がほころびます。
ちょっと行ったところに藤が有名なところがあり、
この時期はいつも以上に人出が増しています。
とりわけ、最近は『鬼滅の刃』でも藤の花は鬼除けの花として描かれているので、認知度上がってるんでしょうね。

古くから愛でられてきた花

藤は古くからある花で、万葉集にも詠まれています。
春のうららかな陽を受けて、頭上にふんわり輝く紫の帯。
垂れて風に揺れる様は、なんとも風流な光景です。

藤色は、その花の柔らかな青紫色を指します。
上品な雰囲気で、好かれやすく、また使いやすい印象の紫ですね。

紫は基本的に高貴な身分の人が身に付ける、禁色となりやすい色ですが、
藤の紫だけは誰でも着ることができた色でした。
そういうところも、好かれやすさ、使いやすさの理由かなと思います。
多くの人に愛された藤色は、「薄藤色」「青藤色」「紅藤色」「白藤色」など、派生色も数多く生まれました。

◆花以外も実用的
藤の木は花以外も、強靭なつるを使った小物なども有名ですね。
絹や木綿などの衣類に適した繊維が入ってくるまでは、衣類の素材としても使われていたそうです。

インク沼から1本

藤の名が付くインクを先日ようやく買ったので、あわせてご紹介。
もう今更紹介する必要もないくらい有名な、
SAILORさんの四季織・十六夜シリーズ『藤姿』。

ということで、自分の名前にも入っている、好きな花。
『藤』の色のご紹介でした。

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