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趣深い日本の色彩 #13 海松色

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は落ち着いた緑の難読色名をご紹介。

何て読むの?

「海松」と書いて「みる」と読みます。
海藻の一種で、カバー画像のような枝分かれたした形状をしています。浅瀬の岩に生えていて、食用もされていました。
この海松の表面の色を指します。

ちなみに「うみまつ」と読むと、海岸沿いに植わっている松の木を指すそうです。全然意味が変わりますね。

平安時代からある色

このオリーブのようなくすんだ深い黄緑色は、他に表す色名がなく、
明治初期にオリーブが入ってくるまで、使われていました。

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海松そのものは、万葉集などにも詠まれています。
「海松=みる=見る(=まみえる=会う)」と活用して使われてもいて、案外ロマンティックな言葉だったりします。

付き合いの深い色

海松の形は「海松紋」として和紋の1つとして使われています。
また、「海松茶」や「藍海松茶」などの発展形も。

江戸自体にはその渋い色合いから、中高年向きの色として流行したり、案外付き合いの深い色だったりします。

なかなか聞かない色になってしまいましたが、こういう色もあるんだなぁと思い出してもらえると幸いです。

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