椿説弓張月

「馬琴先生、次回作は如何なさいますか」
「琉球を舞台にしたものを考えているんだ」
「それはいいですね。昨年の“江戸上り”で人々の間では琉球が話題になっていますからねぇ」
「ちょうど保元物語を読んでいたところでね。伊豆大島に流された為朝が実はその後琉球に渡り王国を建てるという筋書きなんだが」
「面白そうですね。これまでの読本は唐国や国内の話ばかりでしたからね」
「先日この書も入手したしね」
「中山伝信録ですか」
「これには琉球に関する様々こと記されているので執筆する際にとても参考になりそうだ」
「今から内容が楽しみです。ちなみに題名は何というのですか?」
「椿説弓張月としようと思うんだ」
「いいですね、さっそく絵師も手配いたしましょう」

#歴創版日本史ワンドロワンライ  2019年11月30日 お題「琉球」
馬琴が生きていた頃は「八犬伝」より「椿説弓張月」の方が人気があったそうです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?