工芸家を目指す若者が経験すること ⑧砥石の形
漆の修行は研ぐことが多い。
漆は塗るのだが研ぐ
下地をつけるのだが研ぐ
しっかり研ぐことが形に緊張感を持たせる。
ただ緊張感があるだけではダメで、そこに柔らかさも必要になる。
と、言われてもなかなか・・。
延の課題のヘラ作りはなかなかに難題。
師がヘラを置いて2階の仕事場から降りて行ったときに
片付けと称して何度か触ってみる。
自分の作ったヘラとは何かが違う。見た目は同じだが何かが違う。
それわわかるのだが、それがなぜかはわからない・・。
材料か?他に何かコツがあるのか?
師がヘラ作っているところ見たいなー。
でも一年間使うほとんどのヘラは正月2日の仕事始めに師は作っているようで、普段は手入れ手直しで、気がつけば終わっている。
しかも早い。
見る機会がない。
そう思いながら、砥石でお椀の内側を研いでいると、
兄弟子が
お前、それ当たってる音してへんやろ。
ヘラと同じでちゃんと手入れしとけ。
え?砥石もか・・・。
なんで音で分かるんや・・・。
謎はさらに深まる。
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