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河合小市さんのMINIPIANO

「カワイのミニピアノ」

で検索すると真っ先に出てくるのは
トイピアノのミニピアノだ。

ミニピアノ Amazonでもお手軽に買える🐸

トイピアノを買ってみよう!という人が
近年1番入手しやすいトイピアノ。
(私も実家に所有)

今日はトイピアノではない
おもちゃではない戦前戦後頃の古いMINIPIANOのお話。

これが元祖ミニピアノである。

カワイさん
どうしてトイピアノも同じ商品名にしたんですか😅
紛らわしい😂
同じ会社で違う商品に同じ名前付けないで下さいよ〜

カワイの中の方でも、このミニピアノの存在を知らない方も多く
知っている方でも博物館でしか見たことなかったりするので
トイピアノをミニピアノという商品名にしちゃったんでしょうね。


河合小市さんが戦前戦後の大変な時に
木材等ピアノの材料が少なかった頃に作られた
普通のピアノの半分サイズのピアノ。

半分サイズでも、おもちゃではなく
本気で作られた楽器。

ピアノピアさんから頂いた資料

このピアノの存在は10年位前に知ってはいたけれど
私はトイピアノとグランドピアノを持っているので
わざわざ小さなピアノにはそこまで興味が惹かれなかったのだ。

それ以前に実物も見ることもなかった。
戦前戦後、今から90年近く前の楽器だから
そうそう残っているものじゃない。

地元香川の調律師さんが
このミニピアノが幼稚園の外に捨てられていたのを見かけて
後日引き取ろうと向かったら既に処分された後だった
と言うのを聞いた。

色々弾くには鍵盤数が少ない(40鍵盤)ので
大きいピアノじゃないと不便ということで処分されたのだろう。
楽器だけでなくおもちゃもだけれど
必要ないと思われたら捨てられがちなのだ。

誰かにとってゴミでも
別の誰かには宝物。

私が生きている間にお目にかかれたらラッキーだな〜
位に思っていた。
ツチノコのような存在だった。

トイピアノでライブ活動をするようになり
トイピアノのメンテナンスをしてくれる職人さんがいないか調べていたら
大阪のピアノピアというピアノ工房が
ピアノだけではなく
足踏みオルガンやトイピアノもメンテしてくれるのを見つけた。
HPを見ていたら
ミニピアノがあるではないか😳

時々思い出しては
ホームページのミニピアノのページを見て
ヨシヨシ、まだ売れてない
とホッとしていたのである。

そのうち大阪に遊びに行けたら
ピアノピアさんにお邪魔して
どんな音か聴いてみたいな〜
と脳裏の隅っこで考えていた。

去年、演奏ツアーで車移動で大阪に行った際
タイトなスケジュールだったけれど
ピアノピアさんの所に行けるかも!!
とアポなしでお邪魔してみた。

オーナーの小川さんはお留守で
ひなゾーさんという職人さんがいらっしゃった。

ピアノピアさんには
修復待ちの美しいアンティークピアノ達がずらっと並んでいて目が眩んだ。
ツチノコ級の激レアなミニピアノが
40鍵盤2台、49鍵盤2台、ピアネッテ
と、並んでいた。

触らせて貰えるとの事で
恐る恐る40鍵盤ミニピアノを弾いてみたら…

ツアー中、スタインウェイ、ベヒシュタインと
名器と言われるピアノを触ってきていたので
その感覚が体に残っていたのに
それらのピアノよりも私好みの美しい音だったのだ。

弾きながら「うわぁぁ」と言いっ放しだった。

その時の動画


もう弾きながら夢心地になってしまった。
胸がドキドキ
これは正しく恋

鍵盤も普通のピアノよりも小さく短く
普通のピアノが大きく感じて
トイピアノに慣れている私には
とても弾きやすい。

これは私の為の楽器じゃないの!!
まで即座に思ってしまった。

それからツアーが終わり、
夜眠っていても
夢の中にミニピアノが何度も登場しては
夢の中でうっとりしていた。
仕舞いには、お布団でミニピアノと添い寝までする夢を見ていた。
もうビョーキだ。

トイピアノはボディが小さいので
ピアノが置けない小さなカフェでもコンサートが出来る。
小さなカフェで演奏活動をしていると
お店の方から

「トイピアノもいいけれど、普通のピアノも聴きたいわ〜💕
でもうちにはピアノ置けないからな〜」

とよく言われてきた。

私は現在も若干聴覚過敏で、電子音を長時間聴くのが苦手なので、
小さい生ピアノがあれば
ピアノのない場所に持って行って演奏が出来る。

私や私の周りの人に
楽しい時間を提供できる

しかもこの綺麗な音で。

ぶわぁ〜っと私の中で夢が膨らんだ。

このミニピアノは私が弾かなくて誰が弾くんだっ
(壮大な自惚れ)

実際、このミニピアノは
タッチが強すぎる人が弾くと音が割れやすいので
このピアノで綺麗な音を出すには弾く人は限られると思う。

そして大阪でお会いした
ピアノピアの小川さんに

「あのミニピアノは私と相思相愛なんです!」

と訳の分からないアピールをし
お迎えできる事になった。


老後、体がままならなくなった時に
このミニピアノを傍らに置いておきたい。

ミニピアノ愛については
もう、妄想ならいくらでも語れるのでこの辺にしておいて…。

私がお迎えしたミニピアノは
私が出会った時には既に修復されていたので
修復前の状態は知らないのだけれど
修復持ちのミニピアノもピアノピアさんにあったので
触らせて貰った。

沈まない鍵盤のあるわ、
上がってこない鍵盤もあるわ
出ない音もあったり
これは興味無い人が見たら捨ててしまうのは納得…
という状態で
名器かどうかも私には判別不能。

恐らく私のミニピアノも近い状態だったはず。
それを元の設計を変えず
普通のピアノよりも小さなハンマーも
特注でハンマー業者にオーダーし
サビた細かいパーツを磨き
楽器として使えるように
しかも名器と言える程の美しい音が出る楽器へと
修復されたピアノピアの小川さん、ヒナぞ〜さんの腕前に感動。
めちゃくちゃ時間も手間もかけて
資料もない楽器故に頭を悩ませながらの修復を想像するだけでも
大事に弾かなくてはと強く思う。

ミニピアノは歴史的にも価値があるので
博物館等に買って貰えた方が
商売としては絶対儲かっていたはずなのに
ピアノピアの小川さんは

「音鳴らして貰うために必死に修復しているので
弾いてくれない所にはお売りできません。
弾いてくださる方の元へお届けしたいのです」

とおっしゃっていました。

もう…涙

楽器愛ですね…

まだ語れるのだけれど
あれこれ言うより
音を聴いて貰う方が説得力ある…はず。

動画です。

ピアノピアさんの夢のような空間で
演奏動画をめちゃくちゃ素敵に撮って頂きました!!

撮影はミュージシャンでもある浅田厚志さん
です

曲は

Nap of Milch  / keipyanそして
(愛犬ミルミルのお昼寝)

アトリエピアノピアさんに興味を持たれた方は
ホームページはこちらです
ピアノ好きな方には本当に夢の空間ですよ

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