Kindleに学ぶ本との出会いの効率化

サービスとしてのKindleではなく、製品としてのKindleについて。
結構前に出た商品だが今更ながらセールで買ったので、レビューを書こうと思う。

Kindleは今、価格別で3種類を出しているが最も安い型を購入した。
理由としては、フロントライトがついたので暗くても十分読めること、そして通信はWi-Fiのみという点が気に入った。
Wi-Fiしか無いという事は、実質外で新しい本を入れられないという事だ。
これは個人的にとても重要なことで、途中で飽きて違う本に手を出す「デジタル積読」を抑制し、またリアル店舗の本屋での出会いを邪魔することもない。(その場で欲しい本を買うという行為自体に意味があると思っているので)
どこでも回線に繋がっていては、端末内に既にある分を読み切ってもいないのに次の本をダウンロードしてしまうし、本の厚みや質感といった物としての価値を蔑ろにしてしまうことになる。

またKindleのコンセプトが読書への没入を軸としているならば、ながら読みが出来ないというのは大事な要素だ。SNSに限らず、他の要素はなるべく削ぎ落とした方が良い。
防水機能が無いということは、風呂などで読めないということであり、SNS同様に読書という時間を邪魔しない。

ここまで書いた通り、私にとってKindleでの読書は、楽しい読書体験というよりは、紙の本よりも手早く情報を吸うという使い方だ。
その為にはなるべく集中したいし、あまり時間をかけたくない。
もっと言うならば、情報さえ頭に入れれば二度と読まないであろうものを読んでいる。ある意味、新聞や床屋に置いてある雑誌を読むのに近いかもしれない。
これは知識という意味だけでなく、流行り物を追うという意味でも同じだ。
もちろん、その中で特に気に入ったものは再度読むこともあるが、その場合は紙の本を買い足している。

Kindleで本を読むようになった結果、紙の本の価値が重く感じられたのはとても大事な気付きだったと個人的には思う。
人は本に限らず文章を書くときに、言葉にこだわり、文章にこだわり、表現一つに頭を悩ませる。個人のブログやnoteですらそうなのだから。
そして、そのこだわりはきっと、表紙や、紙質、印刷、物としての質感など、情報や、文章の質の外側にもあるはずなのだ。
物としての本を所持するというのは、そういった所まで愛することなのだろうと私は思う。
そして、残念なことに我が家には、何でもかんでも買って読む金銭的余裕も、読んだ全ての本を愛する空間的余裕も無い。
それでも、知的好奇心を満足させるため、世の中の流行りに乗り遅れないため、そしてこれから愛するであろう本と出会う機会を増やすために、電子書籍を私は読むし、そのためのツールとしてKindleは大変良い買いものだったと思う。

#エッセイ #読書 #Kindle  

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