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囁き声

私が中学時代の不思議体験です。

この日もいつもと変わらない朝を迎え、自転車で学校に向かった。晴天で清々しい朝だった。なのに一つだけいつもと違う。囁き声と言っていいのかもしれない。誰が囁いているのか分からない。繰り返し繰り返し何度も"イスラムの暴動"と言う言葉が脳裏によぎる。私はこの現象が何なのか分からず焦った。初めての経験だったのだ。「授業中も続いたらどうしよう」と不安になった。

駐輪場のあるグランドに行くには坂を下らなければならない。その坂を自転車で勢いよく下った時だった。"イスラムの暴動!"と囁き声が訴え掛けるように響いた。その後、パタリと囁き声がしなくなった。「何だったんだ?」と思いながら私は校内に入った。

この日は授業が午前中で終わった。帰宅し、昼食を済ませ、テレビを付けた。私は目を疑った。目を疑う光景がそこにあった。「何かの間違いだろう!?映画の撮影?」私はリモコンの全てのボタンを押し、チャンネルを切り替えたが、全ての番組で同じ映像が流れていた。

この日は、2001年9月11日。そう、これは、"アメリカ同時多発テロ事件"だ。

IS、テロ、イスラーム過激派組織、アルカイーダ、今となっては当たり前のように、この言葉を誰もが知っている。しかし当時は、メディアで聞いた事もない言葉だったし、話題にすらなっていなかった。なので、"アメリカ同時多発テロ事件"の犯人が分かるまで、この事件は、何事が起こったのか?犯人は誰なのか?想像すら付かなかった。

それから数日後だっただろうか?犯人はイスラーム過激派組織だと報道された。その瞬間、私はハッとした。「あの時の"イスラムの暴動"と言う囁き声は、アメリカ同時多発テロがこれから起きる事を、知らせてくれたんだ!」と実感した。テロが起きた時間は、8時45分〜10時半頃までと報道されている。驚いたことに、"イスラムの暴動!"と訴え掛けるような囁き声が響いた後に、テロが起きたことが分かった。そして、その後に囁き声がしなくなったのだ。

しかしなぜ、中学生の私に、事件が起きていない日本に住む私に、誰が何のために、"イスラムの暴動"とメッセージを送ってくれたのか?今まで生きてきた中で、最大級の不思議体験だ。いつか誰かがこの謎を解いてくれるのではと期待しているが、自分でこの謎を解くことが私の課題なのかもしれない。

#私の不思議体験

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