見出し画像

学びを止めるな!大学生が読むべき「学問」を楽しむための本

新型コロナウイルスによって私たちの生活が一変して、早くも1年が経ちます。大学生も、オンライン授業やリモートでのやり取りが中心となり、従来のように気軽に同級生や先輩後輩と接することが難しい状況だったのではないでしょうか。家に籠りきりでストレスに苦しんだ、友達が作りづらい、など、悲痛な声もニュースや知人を通して耳にします。

情報を得る術が限られる中で、これから大学に通う新入生がどのように学びを深めたらよいのか。よくわからないまま、課題に追われるばかりになりがちです。しかしながら、大学で学ぶことはめちゃくちゃ面白いです(少し前に中の人も大学生でしたが、声を大にして言います)。その面白さに気づくためには、大学での学びはどのようなものかを理解し、そのスキルを身につけることが大切なのですが、なんと、うってつけの本があります。少しでも不安を取り除き、楽しみや期待を持って大学生活を過ごすためのきっかけとして、ぜひ書籍を役立ててもらえたらと思います。


高校までの学びと大学での学びはどう違う?

大学での学びとはどのようなものでしょうか。以下は『アカデミック・スキルズ 大学生のための知的技法入門 第3版』(佐藤望 編著、湯川武、横山千晶、近藤明彦 著)からの引用です。

 高等学校までの学習では、多くの知識を暗記することが求められることが多い。しかし最近では、「既存の知識を暗記するだけではだめだ、自分で考えて答えを出しなさい」とよく言われるようになっている。それに、戸惑った人もいるだろう。
 大学では、出される課題がより複雑になる。その答えを出すには、さらに多くの背景知識を必要とする。さらに、大学の勉強では、「問いそのものを自分で発見する」ということが求められる。そして、その問いに教師は、必ずしも決まった答えを用意していない。というか、決まった答えは往々にしてないのである。しかし、決まった答えがないからと言って、どんな答えも正しいというわけではない。自分自身で、明確な根拠を示し、論理的に説得できる答え、それが正しい答えとなる。それだけではない。そこで導き出された答えは問いの考察そのものに貢献することでもある。
 ますます情報化が進む社会の中では、情報を評価し、精査し、取捨選択する能力が求められる。私たちに突きつけられているさまざまな問題がどこにあるのか、その問題を解決するために、より価値の高い情報とは何か、それを見極め、より説得力のある答えを出していくこと、その答えを通して広く問いの考察に貢献する気概をもつこと、これが、大学における「学問」である。
(p8~9より)

問いと答えが最初から決まっていることの多い高校までの勉強とは違い、大学では問いを立てることから始まります。これはレポートやプレゼン、卒業論文などの課題に取り組む際に常に求められます。問いを立てるのに最初は戸惑いを持つ人もいるかもしれません。でも、今まで誰も気づいていなかったことに疑問を持ったり、当たり前だと思っていたことを問い直したりして答えを求める過程は、さながら冒険のようで新しい出会いがたくさんあります。 

この本では、問いの立て方から、ノートの取り方、情報収集の方法など、学問を行うための基礎をレクチャーしているので、最初の一歩として活用してみてはいかがでしょうか。


スキルを磨く!アカデミック・スキルズシリーズ

いま紹介した「アカデミック・スキルズ」はシリーズ化しています。一つ一つのスキルに特化してぎゅぎゅっとノウハウが凝縮しているので、身につけたいスキルに応じて本を選ぶことができます。

画像1

ここでは多くの方に共通して必要とされるスキルについて扱った4冊を紹介します。

資料検索入門(市古 みどり 編著 上岡 真紀子 著 保坂 睦 著)
レポートや論文は、何もない状態から書くことはできません。根拠や証拠となる資料が必要です。役立つ情報をどのように調べたらよいか、資料検索について大学生に授業を行ってきた大学図書館員が教えています。

学生による学生のためのダメレポート脱出法(慶應義塾大学教養研究センター 監修 慶應義塾大学日吉キャンパス学習相談員 著)
この本を書いているのは、慶應義塾大学日吉キャンパス図書館で学習に関する相談を受けている有志の学生です。「忙しくて提出期限間際になってしまった!何もしてない!」といった学生あるあるのピンチでの対処法や、スケジュール管理の失敗例と改善方法など、学生だからこそわかる視点でレポートの書き方をレクチャーしています。

〈レポートについて〉
対面形式の減少でレポート課題の頻度はますます高まっています。懇切丁寧な解説で初学者にもわかりやすい「思考を鍛えるレポート・論文作成法 [第3版]」(井下 千以子 著)や、累計20万部を超えるロング&ベストセラー「レポート・論文の書き方入門 第4版」(河野 哲也 著)もおすすめです。

クリティカル・リーディング入門(慶應義塾大学教養研究センター 監修
大出敦 著)

何気なく「当たり前」だと思っていることを疑い、別の見方を模索する契機となるのが、クリティカル・リーディングという行為です。世界の名著を取り上げながら、本、ひいては世界を違う視点から読み直すきっかけを提示しています。

プレゼンテーション入門(大出 敦 編著 直江 健介 著)
プレゼンといえば、多くの人を感動させたり、商品やサービスを提案したりするイメージがあるかもしれませんが、大学の授業におけるプレゼンは「仮説の正しさの証明」だ、とこの本では述べられています。また、発表後の質疑応答での質問の仕方や、次回のプレゼンにつなげるコツなど、大学ならではのスキルを身につけるヒントがちりばめられた一冊です。

【こちらもおすすめ】
当社では、このような学びの技術にフォーカスした本を「学習実用書」と呼んでいます。学習実用書をスキル別にまとめた下のサイトでは気になった本の試し読みもできます


“学びの技術”本を見に行こう

毎年ご好評をいただいている書店フェア「独学・独習の強いミカタ!“学びの技術”本フェア2021」を今年も行います! 当社の本だけでなくいろんな版元さんの本も並んでいるので、読み比べて自分のためになる本をぜひ見つけてみてください。(今年はSTAY SAFEでお出かけください!)

フェアを予定している書店(5/17更新)

三省堂書店池袋本店 3/15(月)~5月上旬
くまざわ書店武蔵小金井北口店 3/22(月)〜5月上旬
東京都立大学生協南大沢店 4/1(木)〜5月末
一橋大学生協西ショップ 4/1(木)〜6月末 ※こちらのお店では「アカデミック・スキルズフェア」というタイトルでの開催です
関西大学生協 4/1(木)~5/15(土)
うさぎやTSUTAYA栃木城内店 4月上旬〜5月末
ACADEMIA イーアスつくば店 4月中旬~
丸善京都本店 4/26(月)〜
三省堂書店成城店 4/28(水)〜6/1(火)
ブックマンズアカデミー太田店 4/30(金)〜
ジュンク堂書店藤沢店 5/1(土)~
MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 5/1(土)〜
ジュンク堂書店姫路店 5/1(土)〜
オリオン書房ルミネ立川店 5/1(土)〜
ブックセンタークエスト小倉本店 5/6(木)〜
東北大学生協工学部店 5/10(月)〜
※こちらのお店では「アカデミック・スキルズフェア」というタイトルでの開催です
千葉大学生協ブックセンター 5/17(月)〜
※こちらのお店では「アカデミック・スキルズフェア」というタイトルでの開催です
紀伊國屋書店広島店 5月下旬〜
ジュンク堂書店大阪本店 6/1(火)〜
丸善広島店 6/1(火)〜
・紀伊國屋書店東京理科大学神楽坂ブックセンター 6月上旬〜
※こちらのお店では「アカデミック・スキルズフェア」というタイトルでの開催です

関連記事もぜひ!

#大学生 #新入学 #大学生の日常も大事だ #学びを止めるな #学びの技術本フェア2021   #慶應義塾大学出版会


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?