2021年受賞図書 総まとめ!
2021年の受賞図書は8作品となりました。それぞれご紹介いたします。
◎村上 しほり 著『神戸 闇市からの復興——占領下にせめぎあう都市空間』
――ただ人間は人間をもとめて集うのだ。
「日本一の大闇市場」とも称された神戸 三宮の闇市。
1945年夏以降、戦災復興とGHQによる占領政策が同時期に進むなか、
多様な人びとがひしめき、せめぎあって、神戸の都心は形成された。
語り継がれてこなかった当時の人びとの活動を、新聞記事の引用と聞き取り調査、豊富な視覚資料にもとづき生き生きと描く、新たな都市空間の近現代史。
このほか、
▶2018年度日本都市計画学会 石川奨励賞
▶2018年度日本観光研究学会 観光著作賞(学術)
を受賞しています。
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◎志村 真幸 著『南方熊楠のロンドン――国際学術雑誌と近代科学の進歩』
国際学術誌『ネイチャー』『ノーツ・アンド・クエリーズ』『フラヘン』に
376篇もの英文論考を寄稿し、東洋からの知見の提供によって、近代科学の発展を支えた南方熊楠の営為を歴史的・国際的な視点から捉えなおす、気鋭の力作。
このほか、
▶第42回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)
を2020年に受賞しています。
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◎福田 雄 著『われわれが災禍を悼むとき——慰霊祭・追悼式の社会学』
「なぜ私が」という苦しみと対峙する。
災禍という不条理に遭い、大切な人々を失い、遺される者たち。被災者や遺族、支援者や宗教者らは繰り返し集い、祈りを捧げる。東日本大震災、スマトラ島沖地震の被災地における儀礼をあとづけ、人々が苦難と向き合う軌跡を辿る。
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◎澤井 真 著『イスラームのアダム――人間をめぐるイスラーム神秘主義の源流』
最初に創造された人、アダムをめぐるイスラームの〈人間探究〉の系譜を辿る。
ユダヤ・キリスト教にも共通し、イスラームでは神に創造された「最初の人間」であるだけでなく、「最初の預言者」として重要な存在である「アダム」。イスラーム神秘主義者、スーフィーたちは、アダムを人間存在の原型・理想として把捉し、「人間とは何か?」という実存的な問いを解明しようとした。これまで顧みられなかったイスラームの「アダム」に「人間学」の視点から迫る、画期的な研究。
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◎川上 淳之 著『「副業」の研究――多様性がもたらす影響と可能性』
もう一つ仕事を持つ意味を探求する。
単なる「サイドビジネス」的位置づけではなく、ワーキングプアの副業という課題、本業へのスキルアップ効果、非金銭的動機による副業の性格、幸福度や健康との関係まで、経済学的視点から多面的にアプローチした「新しい働き方」理解のための本格的な決定版!
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◎段 瑞聡 著『蒋介石の戦時外交と戦後構想――1941-1971年』
<戦後国際秩序への関与と反帝国主義の相剋>
失地回復、不平等条約の撤廃、アジア諸民族の独立を掲げつつ、
米英ソに依存し、国連構想および戦後日本との和解を模索した蔣介石。
「日記」など一次資料を駆使し、未完に終わった「革命」の軌跡をたどる。
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◎諸橋 英一 著『第一次世界大戦と日本の総力戦政策』
「総力戦・総動員=ドイツ由来」説を覆す。
対敵取引禁止令、戦時船舶管理令、戦時利得税、軍需工業動員法などの導入過程を通じて、第一次世界大戦期の日本をグローバルな新視点で捉える意欲作。
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◎沢辺 満智子 著『養蚕と蚕神——近代産業に息づく民俗的想像力』
蚕を育てる女性たち、
その身体技術と近代科学の融合。
科学知と在来知、国家イデオロギーと民俗的想像力――。
国家政策と女性たちの感情・感覚のせめぎ合いから、
近代養蚕業の新たな姿を紡ぎ出す。
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