一日一知 人格⑤

投影法の種類と特徴


投影法:心理テストの性格検査の中では最も難易度が高く、豊富な経験や熟練が必要となるが、検査結果の信頼性は高いとされている。

投影法による性格検査
投影法は、あいまいな模様、絵、文章を使い、それらに対する言語的な反応を分析する性格検査のひとつ。
一定の基準に基づいて、被験者の性格の特徴や問題点を分析、診断するのに活用される心理検査になる。

代表的な投影法
①ロールシャッハ・テスト
②TAT(絵画統覚検査)
③SCT(文章完成法テスト)

ロールシャッハ・テスト

ロールシャッハ・テストは、精神科医のロールシャッハ・Hが考案した心理検査方法で、現在でも世界中で広く利用されていて、高い評価を得ている。

必要な材料は、インクの模様の模擬図版10枚を用意して、それぞれの模様が何に見えるか連想させ、理由も聞く。
象となる年齢は、小学校1年生から成人までで、検査時間は約60分。

検査内容:知的特性(思考力・分析能力・知的熟成)、情緒的特性(衝動性・不安・抑圧)、社会的特性(対人関心・防衛性)

TAT(絵画統覚検査)

TAT(絵画統覚検査)は、モーガン・C・Dとマレー・H・Aが開発した性格検査。子供用は、CAT(児童統覚検査)。

TATでは、曖昧な場面を描いた絵を見せて、過去・現在・未来にわたる空想的ストーリーを作らせる。
対象年齢はTATは10歳以上、CATは5歳から9歳、実施時間は60分から90分程度。

検査内容:基本的欲求、達成のための努力、欲求への圧力、愛、憎しみ、怒りなどの情動について分析診断。

SCT(文章完成法テスト)

SCT(文章完成法テスト)は、未完成の短い文を完成させ、被験者の意識的な態度や性格を知る心理検査。
対象年齢は10歳以上から成人まで、30分から60分程度で実施。

例えば
・私はよく人から〜
・私の失敗〜
・子供の頃私は〜
などの後に続く文章を完成させる。

検査内容:被験者の社会、家庭、身体、知能、性格、願望、興味

投影法の特徴とは?メリットとデメリット

・メリット(長所)
無意識の深層心理が分析できる
反応の歪曲が生じにくい
幅広い対象に実施することができる
比較しやすい

・デメリット(短所)
実施や解釈に主観が入りやすい
検査する側の熟練度、豊富な経験が必要になる
個別法で長時間かかる

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