お家カオマンガイ修行
タイのチキンライスはすごいことになっている。
エスニックでありながら、日本の炊き込みご飯が持つ”落ち着きの実家飯”を醸し出す、それはカオマンガイという(もう珍しくもないか、)。
僕は大のタイ料理好きだが、ついつい辛さを求めてしまって、鋭い光線のようなスパイシーな刺激が刺さると、カオマンガイのあのチキンの旨みを見失ってしまい悔しい。
ジワ〜〜って広がるあのチキンエキスをたっぷりと吸ったカオマンガイという美食を、こうも味わえないものか、、、と。
日々通う大好きなタイ料理店にも、もちろんカオマンガイはあるのだが、いつも浮気をしてしまう。
そのお店のパッタイと揚げ魚のキーマオソース(もう分かるよね)、トムヤムラーメンが破格の美味しさすぎて、ごめんね、カオマンガイを食べる機会を中々作れていないことが心苦しくて仕方がないのだ、、。
そんな僕は考えた。
普通に、白米のように、カオマンガイを食べることができたなら、、。
いつも食べるおにぎりがカオマンガイだったら、幸福ではないか、と。
そう、「作ろう!」それも3合炊きくらい日々のご飯として、、。
カオマンガイ修行は始まった。
カオマンガイ修行は始まった。僕のお家の近くには、グローサリー兼宿兼レストランの「Chus」という魅惑のスポットがあり、日本中のこだわり食品に出会うことができる。
そこで見つけた、「鶏革命弾 黄金の鶏ガラスープ」なるもの。
パウチされた鳥だしはそう、まさにチキンエキスの塊。養鶏場の卵を産まなくなった鶏たちを最後まで美味しく食べ尽くしたい、そんな想いが込められたエシカルな鶏ガラスープ。
裏面にはカオマンガイの作り方が書いてあるではないか、、・
ついに、鶏ガラスープの背面にカオマンガイがリストされる時代か、、、
嬉しさが込み上げ、まずはこのチキンスープにあやかろうと。
ありがたき炊飯器レシピ。
ほぼ何もせず、炊き上がったカオマンガイは、ほくっとまろやかで凝縮した旨味がたっぷり。
カオマンガイのあのご飯が好きな僕にとって、それだけで炊き続けることに意味がある、ような、カオマンガイの特別感をもっと当たり前にしたくなる、そんな味わいだった。
(チキンは別添えで、タレもわざわざ作るあたりに、カオマンガイの
高貴さと繊細な味わいの主張を垣間見る。実は面倒くさい料理だったな〜と)
一見真っ白のシルキー米だから、まさかカオマンガイ様、、、といつしか思ってから、時々金曜日くらいに明日はカオマンガイを食べたい!と夢に出てくることがある。
先日、カオマンガイドリーム見てから、全てオリジナルで作ってやろうではないか、そう一念発起した。
僕は味しみしみのカオマンガイの米があれば良い、と思っている派であるため極論チキンに執着しなくても良い(あくまでも米を美味しく食べるためのチキンであって。まさに鶏ガラ)
様々レシピを探しながら、自分が好きな調合を探した。
Yuukiの無化調鶏ガラを2合炊きに対して大さじ1、すりおろしニンニクと生姜をたっぷり入れて、炊飯。
炊き立ては少しべちゃついていたけれど、もう香りとおこげにそそられる。
まずはあのチキンとニンニクの穏やかな旨味を感じる香りに快楽を覚える。なんだこれ〜〜。部屋中がこの香りに包まれることに喜び。
1人前は良いなぁ、たっぷりよそって贅沢にチキンを乗せて、自家製のタレをチキンにだけたっぷりかける(重要)。
下味をつけていないチキンにはこのタレがなんて合うことか。
逃さずカオマンガイライスを思いっきり口に運ぶと、鼻から濃厚なチキンの旨みが突き抜ける。
このチキンまみれ、ニンニクのガツンと感、格別のカオマンガイを作ってしまった。
正直2合平らげられる勢いだったが、明日のお弁当にカオマンガイをどうしても持っていきたい。2日目も美味しいカオマンガイを食べたい。
自分の中で、カオマンガイを切望した。
そんな葛藤の中で、毎回口いっぱいにライスを含んでは鼻呼吸でその旨味を感じる、を繰り返す。
あぁ夢にまで見たカオマンガイをこれほど食べ続けられるとは、、、。
お店で食べる1人前なんて足りるわけがないこの味わい。
炊飯器から、湯気から楽しむのがカオマンガイなのだから。
もうお店では食べられなくなるだろうほどお家カオマンガイを肯定してしまった、少し後悔した。
ただ、このままカオマンガイ修行に精を出せるんだと思い切ることができて、なんだかもっとカオマンガイが好きになった気がした。
よし、また5合くらい自分に作ってみようか。
お腹パンパンに食べてお昼寝したのは、日曜日の15時を回った頃だった。
美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。
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