シン・エヴァンゲリオン劇場版を見て。(ネタバレ無し)

 

(本記事はただクソデカ感情を整理するために書かれている)

 シンエヴァを観れば、全て終わると思っていた。昨年発表された広告に書かれた、「さらば、すべてのエヴァンゲリオン」。これを書く前に書いた、新劇場版:Qの解説記事でもこの言葉を引用した。きっと見れば、「ああ終わった。エヴァが終わったなぁ。」としみじみ、然しどこか前を向いていけるのだと思っていた。作品は過去にしか無いから。

 けれども、違った。

 いつもそうだ。エヴァは、いつだって放映・公開当時の我々を大きく引き離す、良くも悪くもとんでもない作品だ。TV版で描かれた偽りの青春と、生々しい大人達の感情、旧劇場版で描かれた人類補完計画、そして「アンチ観客」とも言うべき異質な演出と、エログロ入り混じるカオス。 

 あの時代の映像には、画質にも限界があって、そのお陰で余計にリアルに感ぜられたのだと、今の高画質化した時代に生きる俺は思う。キレイな映像、派手なグラフィック、カッコイイ機体に迫力満点の戦闘シーン、そしてBGM。そういう物質的な進歩の後押しを受けて、「新劇場版」シリーズはますます俺達の遙か先へと進んでいった。新劇場版:破の最後や、Q全編を通したストーリー・演出に、違和感と同時に「やっぱり、さすがエヴァだなぁ」と思った人も多いのではないだろうか。

 そして、Q公開から、8年と4ヶ月が過ぎた。本当は、去年公開予定だったのだが、伸びに伸びて今日だ。まぁ本当の本当の予定は2015年だったが。

 最初、期待していたし、どんなストーリーになるのか、とかシンジ君が予告で初号機に乗ってたよなあとか、アレコレ考えていたけれど、まぁそういった演出・ストーリーは全て自分の目で確かめて欲しい。この記事はネタバレ目的ではないから。

 お分かりいただけるだろうか。全てを話し、ストーリーを並べ立て、ここが良い、ここが泣けるとまくし立てたい気持ちと。何もかもを全て心のうちにしまい、全て自分で消化していきたいという気持ち。10年前、初めてエヴァをちゃんと見て、それからずっとエヴァに触れ続けて来た俺の、その気持ちが。

 きっと大人の、TV版をほぼリアタイしていた世代は、俺より逆にアッサリしているのかも。「やっとかよ、20年以上待ったぞカントク」って感じなのかもね。そっちのほうが、逆に気持ちよく鑑賞し終えられたのかもしれない。

 鑑賞前、3回は絶対見ようと思っていた。

 今は、この、1回限りの感動を、暫く味わっていようと思う。

 ありがとうエヴァ、さようならエヴァ。


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