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月の満ち欠けと田中圭

ちょっと予定が狂って早々に『月の満ち欠け』が観られた。
写真は映画館で撮ったもの。こういうのもダメなんだろうか???
ダメなら教えてくださーい。変更しますので。

はてさて。
本編については…
瑠璃、何回輪廻転生すんのよ!!だった。
それを一応?感動に持っていけてるのは、大泉洋さんの力。彼は素晴らしかった!

だって、瑠璃からしてみたら愛されずに親戚をタライ回しにされてきたから、生まれ変わって愛情たっぷりかけて育ててもらてえて良かったね、三角くん探せて良かったねって話だけど、その瑠璃を育てる小山内夫妻にしたら高熱後の瑠璃は成人女性の記憶を持つ瑠璃なんだもの。
瑠璃も玻璃も照らせば光るってキーワード出てきたから、小山内夫妻の時は熱で覚醒したのかね?
にしても、それって、子育ての醍醐味がないじゃん。
って、子育てしたことない私だけどさ。
でも、1人の子を大人まで成長させるには苦労も楽しみも悲喜こもごもあって、だからこそ成人式は大事な大人への第一歩であって親にしたら一区切りであり嬉しい日なわけじゃない。なのに子供の時点でもう中身大人って。

だから最後の梢さんの生まれ変わりに会えたシーンだけが、私には唯一の救いに思えたのよね🥲

あの、初めて観たビデオでの梢さんの深い愛を知った上で、また出会えて良かったね、って思った。
誰かいるかもしれませんよ、ってとこで伏線だな、とは思ったことはおいといて。
シー!っていうのが梢さんを表してるっていう演出も好きだった💕
(原作読んだらトンデモに変わったよwww)

映画終わり、エスカレーター前に女の子2人を見かけた時に、この子達も誰かの生まれ変わりかな?とか思っちゃった😂
いや、影響されてるやん、私ww
ってか私は誰のかな?
ずっとロングストレート、からの〜ロングパーマ、からの〜ボブパーマという歴史をたどって?ストレートボブにした時、クレオパトラみたいだね、って言われたからクレオパトラかな?www
シーサーどこ?🤣

っておふざけはおいといて。

圭くんよ💕💕

正木竜之介は正木竜之介でしかなかった!
他の何者でもない、唯一無二の正木竜之介!

まずはソフトに登場するよね。
これってやっぱり哀愁しんでれら思い出すよね。

でもね、やっぱり違うの。これは正木なの。

瑠璃との出会いは正木の一目惚れよね。
本当によく見てたんだな、ってくらい、瑠璃を観察して、デートにも誘えて、速攻指輪!!
私が欲しいわ!w

でもそんな幸せは長くは続かない。

正木は建築事務所の跡取り。
きっと決められたレールの上を歩んできたはず。
建築士の2代目として、大事に育てられただろうし、何不自由ない生活をしてきたかもしれない。
一級建築士ともなると激ムズの国家試験だし、努力もしてきたはす。
あれ?一級建築士まで言及してなかったかしら?経営者なら一級とるわよねー?!2級なんて有り得ないもの。無資格なんてもっと!

で、パンフで決定稿確認。
やっぱり資格も決められた人生設計の中にあった。

なにはともあれ、敷かれたレールの上を歩む人生、そこから脱線できない人生をしっかり歩いてきた正木。

だから建物だけではなく、自分の人生設計も完璧だった。完璧が故に狂わされる人生が許せなかった。
勝手ではあるんだけど、圭くんが正木を生きると不思議と応援したくなってしまう。そんな正木に仕上がってた。

圭くんの役はいつもそう。
どんなにダメでもクズでも、ひとたび圭くんが命を吹き込むと魅力的になってしまう。
だから私は田中圭を追ってしまうのよ💕💕

話を戻して。

正木は跡取りとなるべく大事に育てられただろうし、そういう風に育ってきたことが当たり前なんだろうね。
だから彼の不幸はそれが当たり前だと思ってしまったところかな。人生の壁にぶち当たることもなかったのかもしれないね。きっと頭も良かっただろうし。何しろ人生設計の中には資格も入ってただろうからね。そこもなんなくクリアしてきた。
そしてあの顔よ。モテモテよ💕💕いや、個人的感想だけどw
あそこで瑠璃に出会いさえしなければ、もっと違うレールの上を走れたかもしれない。
ポイント通過で左に行くとこ右に行っちゃった感じかな。まぁでも、何があるかわかんないのが人の一生だしね。
人生にタラレバを言っても仕方ないしね。

対して親戚の家をタライ回しにされた瑠璃。
人生設計通りに歩もうとする正木と、流されるまま受けとめる人生を送ってきた瑠璃。
なんだか治さんにも重なるな、この瑠璃の生き方。受け身って意味で。だって、治さんはこんな身勝手じゃないもの!!!身勝手とも違うのかな。結局敷かれたレールを歩いてきた、着実に歩いてきたからこそ、正木には正木の正義があるのよね。

だからこそ、2人の関係は徐々に狂い出す。
そこに三角くんまで出てくるから、瑠璃はもう三角くんへの愛が走り出しちゃうのよね。
転生しまくるほどに。

原作の正木はもっと酷いらしいけど、それを映画ではここまでに抑えたなら、私はやっぱり瑠璃ぃーーー!!ってなっちゃう。

一旦倒れ出したドミノは止められないしさ、正木も暴走するけど、瑠璃だってなかなかじゃん。
三角くんに暴走するんだもん。ドミノ倒しごっこよ。

子供ができないことが分かるとこ。
Twitterにあがったタバコを燻らすシーン。
同じことをしていても、夏の砂の上のあの寝転がった時、指先にタバコを挟み、煙を燻らす治さんがまとう哀愁と繊細さとは全く違う、氷のようなピンと張り詰めた冷たい空気感を醸し出す正木。
小道具がタバコと同じなのにこうも対極にいる2人。
演者は同じなのに!!!
本当に毎回田中圭という役者には驚かされる。だから好きが止まらない💕💕💕

このサムネのシーンね💕

そしてもうひとつのタバコシーンは、こっち。

このシーンも好き!!💕💕
そして、正木が怒ってウイスキーの蓋投げ捨てるシーンが私はすごく好き💕💕💕
お芝居にはしたくない圭くん。
役を生きる圭くん。
だから自然と怒りが蓋に乗り移ってテーブルの上に飛んでいく。そんな風に見えて、すごく良かった。

怒りにまかせてグラスを投げつける姿も凄かったな。
投げつけたのはグラスだけど、正木の心でもあったはず。だからあれほどまでに観てる私もビクッとした。割れたグラスは正木の心。破片の数の分だけ砕け散った心。

正木という役を生きてなければ、圭くん自身では絶対しないであろうこの行動。圭くんの生きる正木は本当に私をゾクゾクさせた。最高の褒め言葉よ。

正木は丁寧語なところがまた怖い。
きっと、誰に対してもそうなんだろうけど、怖さ倍増。妻だよ、妻に丁寧語って。

ここで私はßźの『未成年』って曲にある歌詞が浮かんだ。

線をひかれた ここからキミ入れないと笑われて
満たないことははがゆいこと 完全になりたい
見下ろされた 塀の上から まだ早いと怒鳴られて
夜はやって来て 引き返す場所も見えない
青い体はまた燃えてくる
ßź 『未成年』より大サビ

これは未成年の歌だけど、正木はこの時はっきり瑠璃に線を引いた。
ハズレくじという言葉を投げかけるのも引き離したから。自分の計画通りに行かない歯がゆさと瑠璃への愛と、瑠璃から感じられない自分への愛との狭間できっと心はドロドロに蠢いていたんだろう。だから咄嗟に出た言葉よね。売り言葉に買い言葉じゃないけど、冷たい瑠璃の背中に咄嗟にあびせた悲痛な叫び。

にしても、圭くん。優しいから辛いよね、この役。

予定を早めて帰ってきたら瑠璃がいない。
そこに帰ってきた瑠璃が三角くんからもらったいちご煮の缶を見て微笑む。
それを見る正木。
瑠璃が笑ったのを久しぶりに見る正木。
どんな思いをしたんだろうか?
自分には見せない笑みを、いちご煮の缶にむかって見せている、その様を見る正木は。

その後、お洒落してどこに行っていたのか問い詰める正木。半ば暴力的に詰め寄る。閉められたドアを執拗に叩く。
全て心が壊れた爆発された正木がそこにいた。
閉まった扉からは正木は見えないけど、容易に想像できた。

瑠璃を追いかけたせいで瑠璃が電車に轢かれて亡くなった後の正木は、会社も失い、片付けられた部屋で1人、瑠璃の残したカセットテープを聴きつつ、瑠璃の手帳を見つめる。
そこには『いちご煮』も書かれていた。
そんな風に書かれた三角くんとのあれこれを瑠璃が亡くなってから、この詳細を知る正木。

なぜ、どこからこうなったのか、問いかけと絶望と執着と愛しさと寂しさが綯い交ぜになった表情を見せる。切ない。

こういう表情も好きなんだよな。
セリフがない時の田中圭という役者は、セリフがあるように表現できる。贔屓目に見えているとしても、やっぱり好きなのよ。表情が語る圭くんの役の生き方も!🥰🥰

きっと、瑠璃が亡くなってからも、正木の中で瑠璃は忘れられない存在として心の中に生きていただろう。その姿がいつのものかは分からないけど。

そんな時に転生した瑠璃に出会う。それも偶然。
今の瑠璃が歌う歌と仕草で、瑠璃だと確信する。この時の顔もいい。
普通に考えたら奇想天外だ。驚きもする。
それでも正木は彼女を瑠璃だと確信する。
この複雑な気持ちを正木の顔は表していた。
そこがもう正木の執着の異常さに感じた。

親でさえ、転生をなかなか受け付けられなかったのに、正木は一瞬で瑠璃と受け止めるんだもの。

そこから正木はもうノーブレーキで瑠璃を追う。学校に車をつけ、瑠璃を問い詰める。
瑠璃が正木の思う瑠璃であることが彼女の発言で判明する。

そしてその後。
なんと言っても梢さんと車で逃げる瑠璃を車で追いかける正木のシーン。
この時の正木の目が尋常じゃないくらい怖い。
正に獲物を狩るヒョウのそれのようで。
これは田中圭ではない。
まぎれもない正木竜之介だった。

正木のシーンはこれで終わり。

正木という人は、人生設計は頭の中でできても相手がいる愛に関しては不器用。相手がいてこその恋愛。
夫婦になってからもそう。すべて自分の計画通りにはいかない。そこが正木の計算を狂わせてる。
人と人。数学のような正解あるわけではないものね。

圭くんのリアルな正木。
とても素晴らしかった。
もっと正木を深堀して欲しくなった。

そして正木には幸せになって欲しかった。
でも一度かけ違えたボタンはどうにもならない。
なにしろ、瑠璃の三角くんへの執着もすごいから。
もう、執着合戦か、ってくらい。
だからこそ、役者の素晴らしさが際立つんだけどね✨

この映画、タナカーとしては正木竜之介の人生の方が興味ある。
どう育ってきたのか、上手くいっていた時の甘い2人もみてみたい。色々興味深いじゃない。

優しい日和さんのような役の生き方も好きだけど、朔に代表されるようなこういう悪圭も大好物!!!
とってもリアルな正木を見せつけられた!!
この映画にヒグマのような爪痕を刻んだよ!!
ブラボー!!(部長と長友を想像してね)

そんなタナカー目線もありつつ、な映画でした。

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