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改めて観る「そしてバトンは渡された」〜森宮さんさんという人〜(ネタバレ)

これが公開されていた時、私はまだnoteをしてなかったから、今WO○OWで改めて観て改めてまとめてみようかな、と。

これは、というか、女子ころまで私は原作読んでから映画という流れだったんだよね。
だから、この2つの物語をどう1つにするのか、予告をみても別家族のようだったし、映画を観ながらもどうするんだろ?ってずっと思いながら観ていた。ある意味初回は気が散ってたよね。それ中心に観ちゃったし。

だから2つの物語が1つになった瞬間、この演出に最大限の拍手を送った。
心の中で。
こう来たか!って思った。

みーたんは、3人の父を持つ。
全ての父に愛されている。
波乱万丈とも言えるけど、この全ての愛がみーたんを育てたから、みーたんに暗さはない。

その中で、中心となる父、森宮さんとの関係がとてもいい。
圭くんは初めて喧嘩をするシーンが印象に残ったと言っていた。

喧嘩って、遠慮があったらできないもんね。
それでも何事もなかったように普通に戻るのが家族。
だから森宮さんを生きた圭くんはこのシーンが好きなんだろうな。

卒業式のシーンは毎回泣いたな。
森宮さんがずっと大切に育ててきた優子ちゃんが卒業する。一区切りついた。
きっとみーたんに初めて会ってからのこと、森宮さんの頭の中では走馬灯のように巡ってたんだろうな。
あの涙がそれを物語ってる。

本当に森宮さんは優子ちゃんが大好き。
成人するまでアルコールは飲まない。それは優子ちゃんに何かあったらという考えから。
これ、うちの母もなんだよね。元々そんなに好きではないけどさ。
こんなに愛する優子ちゃんの成長は森宮さんあってのもの。優子ちゃんもそれを分かってる。
だからお互い目と目を合わせて涙する。

そして映画館に通って2回目で気づいた。
梨花さんがいるーー!!
ここでもボロ泣き。
梨花さんは短いながらもずっとみーたんの幸せを自分の幸せとして育ててきた。
病気と闘いながら、それを隠して。
最後に見た卒業式のみーたんの姿、優子ちゃんの姿を目に焼き付けて、楽しそうにウエディングドレスを選ぶ姿も泣ける。

トントントントントン トントトトントントン
の、2人でならんで食材切るシーンもいいよね。
そこからの
「すごくほっとする味。私が目指す料理はここにあった。」
「料理教室通ってよかった。」
2人の会話にもほっこりする。
2人が親子で私もほっとする。
ずっと優子ちゃんを見守る森宮さん。
温かいほっとするスープのような森宮さん。

ってか、優子ちゃんが結婚相手を森宮さんに話す時、「そいつはダメだな。」で、つい、「てんでダメだ」を思い出しちゃったじゃないかー!!!

はい、戻ります。

実父から送られて来た手紙を森宮さんが読むように促すシーン。
ミトさんに奪われたくないから見せなかったという梨花さんの気持ちを自分もそうだから分かるという森宮さん。
時計の針は戻せないから今ミトさんに会いに行けという森宮さん。
矛盾してるけど、優子ちゃんを一番に考える森宮さんらしい。
いつでも森宮さんは優子ちゃんの幸せを願ってやまない。

実際にミトさんに会いに行った優子ちゃん。
そこで知る、ミトさんの元にも優子ちゃんからの手紙が送られてきたと。
お互いの愛が時を経て繋がる。
梨花さんという存在を経由して。
お互いの現在の理解ある家族もいい。

ところで、ピアノを弾けるっていいね。
誰かの心に響く。
私もサボり癖があって、せっかく習わせてもらったのにどうしてもミスタッチしちゃうんだよね。それでフェードアウト。
夢はラ・カンパネラと革命を弾くことだったけど、全然そんな技術は足りはしない。

話戻って、この映画の中で、唯一なんで?なシーンがある。
梨花さんの死だ。
原作で梨花さんは亡くなっていない。ちゃんと優子ちゃんは梨花さんに会えている。
涙を誘う意味でそうしたのか分からない。
でも私は優子ちゃんに梨花さんに会ってほしかった。そうしたら梨花さんが選んだウエディングドレスを、梨花さんの愛を、温かいまま身にまとえたのではないかと思う。
みーたんの、「ママにはずっと死なないでほしいの」ってのが伏線なんだろうな、とは思っていたけどね。
だから、思い出の中で生きるママという着地点に持っていった映画。
頭の中では理解しているけど、原作を先に読んだ身としては、生きてて欲しかった。

そしていざ、結婚式のシーン。
ってか、永野芽郁ちゃんほっそ!!!

えへん。
もとい。って、何回目?

森宮さんは優子ちゃんと出会って生きる意味ができたと言う。
義理の娘という存在の優子ちゃんに対してなんて、愛が深いんだろう。生きる意味、とまで言う森宮さん。

バージンロードを歩く相手を実父のミトさんに譲ろうとするのも森宮さんらしい。
そんな優子ちゃんがバージンロードを歩く相手に選ぶのは森宮さん。一番多感な時期を優しく守って育ててくれた森宮さん。
だからきっと優子ちゃんは森宮さんを選んだ。

森宮さんからもらった時計をする優子ちゃん。新たな旅立ちの日に森宮さんから受け取った愛の象徴を身にまとってバージンロードを2人で歩く。ゆっくりと。これまでの2人の歴史を一歩ずつ噛み締めるかのように。

そうして優子ちゃんに向けらた愛が早瀬くんに引き継がれる。
3人の父がいる優子ちゃん。
森宮さん自身も3人目の父としてバトンを受け取ってきた。それを早瀬くんにまた渡す。4人目のバトン。早瀬くんはアンカーだ。

バトンが繋ぐ優子ちゃんへの愛の物語。
それはエンドロールに集約されていた。
この演出も痺れる。

改めて観ると、映画館でマスクの中はいつも涙でぐしょぐしょになったのを思い出す。

この映画は全てに愛が散りばめられている。
愛のベールが観る者を包み込む映画だ。

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