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第69回別府大分毎日マラソン。憧れてたサブ2.5を達成。

はじめに〜1年前

1年前の別府大分毎日マラソンは最悪のコンディションでした。
練習が出来てる出来ていないというレベルではなく、仕事や家庭も、心身共に最悪の時期で出場も見送ろうと思いました。
でもせっかくだからと出場したところ、大会の素晴らしさに、心を打たれました。

熊本から別府まで、やまなみハイウェイの絶景。
受付会場にいる速そうな(実際に速い)多くのランナー達。
他の市民マラソンと違う少しピリついた雰囲気。
自衛隊音楽隊の演奏。
プレラインナップからの入場。

なんで私はこの大会にコンディションを合わせられなかったのか。コンディションは最悪だけど、それなら楽しもう、スタート後テレビカメラに手を振り走り出しました。
結果は2時間58分と、当時では1番悪いタイム。
1年後に、必ず強くなって帰ってくる、そう誓ってまたマラソンを頑張ろうと思いました。

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1年前、スタート前のうみたまごにて

1年後〜大会前日

自家用車、妻と子3人で別府へ。
ナビの赴くまま、通るつもりのない高速道路に入りました。
高速の方が速いのですが、私は去年見たやまなみハイウェイの景色が見たかったので、すぐ次のインターで降りました。
やまなみハイウェイの景色は1年前の記憶そのまま。
また戻ってきたんだなと、懐かしさと期待感に胸が膨らみました。
別府ロープウェイ、高崎山、有名な定食屋を周り、寝てしまった子供と妻を車に残して受付会場へ。

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別府ロープウェイで山頂へ

会場では、ツイッターを通じて知り合った方と会いました。
会場内で軽食をとったあと、近くの公園でその方と6kmほどjog。
お互い、マラソンについて熱く語れた有意義な時間でした。
その後ホテルにチェックイン。温泉、ディナーと済ませ就寝。
実は今回、あまり調整も上手くいってなく、気持ちもイマイチ入り切っていない状態でした。

3ヶ月前のおかやまマラソンからいままで。

3ヶ月前のおかやまマラソンでは、練習、調整も上手くハマり、これまでの記録を13分更新して2時間33分17秒でゴールしました。
努力が報われ、とても嬉しかった記憶があります。
でもそのマラソン後、なかなか練習では調子が上がりませんでした。
ようやく調子が戻ってきた1月頭、インフルエンザにかかり1週間のランオフ。
仕事復帰しても、休んでいる間溜まった仕事や突発の仕事などに追われて、ポイント練なども落としました。
気持ちが中々入らず、当日を迎えました。

大会当日〜スタートまで

開場とともに家族でうみたまごに行き、水族館の観光。
1年前と比べ子供の反応が良く、沢山の魚に興味を示していました。
トドのショーの途中で、そろそろアップ開始時間となり、家族と別れてアップに向かいました。

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うみたまご トドのショー

アップ中。
中々気持ちが入りません。とてもこの後42km走るという、イメージが湧きませんでした。最近ロング走を出来ていないことも相まって不安ばかりでした。
すると、いつも運動公園で練習中に会うチームに方達に声をかけて貰いました。ここ1年で出会った方達。
1年前のどん底だった別大から、いろんなものを得て戻ってきたんだなと、実感しました。
ペース配分は前日まで悩んでました。
でも覚悟を決めました。

どうせ調子が悪いのならば、挑戦してみよう、昔から憧れてたフルマラソンサブ2.5に。無難な走りをしても、その程度で終わってしまうから。

プレラインナップ前、妻と子に、腕に応援メッセージを貰いました。

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絶「体」できる…汗
ぐじゃぐじゃって小さく書いたのが娘

いざスタート

おかやまマラソンのタイムでエントリーしたので、カテゴリー2でも先頭の方でした。でもスタートすぐ、昨日ご一緒したツイッターのフォロワーさんが追いついてきて声をかけて貰いました。あまりにもすぐでしたので驚きました。
少し話をしてレースに集中、2kmほど走ってもまだ団子状態で集団が形成されるという状況ではありませんでした。
おかやまマラソンでは終始単独走でしたが、今回は無理する走りになるだろうからと、集団の力を借りようと思いました。苦手な集団走。
徐々に集団が形成されていく中で、1km3’33前後の集団を探しました。
多少遅くてもいいと思いながらも、現実には3’30くらいを自然と求めてました。
集団に付いたら、遅いと感じても1kmは走ってみてラップを確認。3’35と遅めであれば一つ前の集団に追いついて、を繰り返していきました。
いつのまにか前にいた、先ほどのフォロワーさんと再度並走、一言交わしたあと私は前へ行きました。10km折り返し後、反対車線から、知り合いのランナーに応援の声をかけてもらいました。
気づいてくれてとても嬉しかった。私にはその余裕はありませんでした、胸一杯です。

適当な集団を探していたところ、集団で走りながらも3’30程度を安定して走られる方がおられました。
その方は集団が少しでも遅くなると、とにかく自分のペースを守り前へ前へと走っていきます。
この方に付いて行こうと決め、集団に付いたり追い越したりを繰り返しながら後ろに付かせてもらいました。
これが大体15km地点くらい。この方とはこの後、35kmくらいまで一緒で、ほぼ同じくらいのタイムでフィニッシュしました。

レース中盤以降

無理なペースで走っているから、疲労の溜まり方が早かったです。
とにかく「行けるところまで」を意識して、ペースメーカーと決めた方に付いていきました。
27km地点、応援する妻と子を発見。手を振り返し、力が出ました。
そのおかげか、この辺りは少しラップが上がって私が前へ出ました。

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妻撮影の動画より

30km地点。
2時間30分ペースより50秒早く通過。
思ったより貯金ができてる。でも結構きつい。
30km地点で摂るモルテンが、上がった息でなかなか飲み込めない。
本格的にきつくなってきて、34km地点、遂に3'33のタイムを守れなくなりました。
一緒に走っていた方もバテてきたようで、その方とは追い越したり追い越されたりしながら、走りました。
バテてからは1km1kmが長く感じます。
残り7km、6km…
確実にタイムが落ちてるのがわかります。
30km地点での50秒の貯金で足りてるのか、計算もままなりません。
 1km1km過ぎていく度に、残りキロ4'00だとしたら…サブ2.5は達成できない、と、曖昧でざっくりとした計算しか出来ませんでした。
でも、極端には大崩れしませんでした。

残り4km地点。
私はサブ2.5達成の計算を誤り、もう切れないと思い込んでしまいました。そのせいか、39〜40kmのラップが1番悪くなりました。
でも、残り2km地点で計算間違いであることに気付きました。
落ちなければいける?わからない。ギリギリ。
苦しい、今にもやめたい。
ゆっくり走りたい。
少し落ちたところで自己ベストは間違いない。
サブ2.5は来シーズンの目標として残しておけばいい。

目を閉じました。
きついとき、目を閉じて走るのは私の癖でした。
でも今回は、意図して閉じました。
間違いないことがひとつありました。

今日の、サブ2.5達成は今この瞬間次第。
可能性は未来にも過去にもなくて、いま、本当にいま、この瞬間だけ。
残り2km、約8分弱。
いま、この8分次第で運命が分かれる。
ペースを上げれば約8分間、地獄の苦しみを味わう。
でも、楽すれば向こう1年後悔する。

いまだよ、いま。いまやるんだよ。
いまやってるんだよマラソンは。
マラソンやってるのはいま。
練習を頑張るのはマラソンのため。
そのマラソンを頑張ってるのは今だよ。

脚を動かしました。脚は生きてました。でももう本当にきつい。残り1キロ。川沿いに入る。去年は家族がこの辺りで応援してくれてたけど…探す余裕もなし。左腕。妻と子からのメッセージ。脚を動かす。直線。遠くにまだランナーの姿。競技場入口はまだ遠い。まだ脚を動かす。動くから動かす。競技場の入口!トラック入ればあと300mくらい?え、ほぼ1周?400m?勘弁してくれ。しかも100mごとにタイム表示版…

2時間30分まで…
残り300mで残り90秒。いや油断すんな。
残り200mで残り70秒。まだわからん!
残り100m、ダッシュ!
安心はゴールしてから…

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finish  2時間29分30秒

案内されるまま、トラック内に移動。
しばらく歩く。
やった…。

ずっとペースメイクしてくれた方も少ししてゴール、サブ2.5。座り込むその方にお礼の挨拶。

妻がすぐそばにいたら泣いて抱き付いてたと思います。

出し尽くした、いや、出し尽くせた。
何年か前から掲げた、サブ2.5。
滑り込みだけど、達成できた。

終わってみて

この日の、この時の気持ちを忘れたくないから、覚えてるうちに覚えてることを書きました。
目標はそれぞれ違えど、この日、力を出し尽くした方達はみんな同じ気持ちだったのではないかなと思います。
家に帰ればまたいつもの現実が待ってます。
だからこそ、フルマラソンは、非日常のちょっとした冒険、だからやめられないのかなと感じました。
いけるかどうか、挑戦ができたレースでした。
調整や練習は上手く行ってないと思いました。
でも、なにが間違いでなにが正解かわかりません、練習できてなかったことがよかったのかもしれません。

また同じ感動を味わいたい。
来シーズンもまた、記録更新狙って頑張ろう。

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