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2019.3.28 山梨県立吉田高校放送部-取材03

吉田高校放送部の取材のつづき。

放送部員)
11:絵のことを聞いてみたいと思います。この絵はどんな思いで描かれましたか?「冬ごもりから醒めた自然」?

小林浩太朗)
この絵はまずは今の季節というか時間の移り変わりということがベースにあって、でもそれは外を見たということではなくて 僕の心の中でこういう季節になって、それが僕にとっては こうやって実際に僕のことを取材してもらい僕の考えを聞いてもらえてということが僕にとってはとても嬉しいし新しい事でもあるので、それとこの花やこれから芽吹くという季節とがとても一致したのでこの絵を描きました。それととても大勢の方たちが来てくれたので色々な表情が見えて1つの花や1つの風景ではなくて、いろいろな花や色、形ということを皆さんとの出会いと重ねて考えました。


富士山の絵がとても多いなと思ったのですが、富士山が好きなんですか?

浩)富士山は皆さんもたぶんそうだと思いますが、僕たちにとって 都留や富士吉田や河口湖など、この周辺に住む人間にとっては、何か家族と言うと大げさというか変かもしれないけれど、いつも自分たちの近くにある とても大きな大きな存在ですよね。僕にとっても、僕はしょっちゅう富士山を見ているというわけでは無いのです。こうして部屋の中に居ることが多いし毎日見ているわけではないけれども、富士山に守られているというか富士山があって僕たちの生活がここにあるというようなふうに感じることが多いので、何か富士山の周りにいる僕の思いというか、富士山の下(もと)で育まれた僕という事が一番の下になっているので、富士山から描くという事はあるかなと思います。富士山が僕たちを生かしているというようなことも感じる時がありますから富士山を描きたいなというか、富士山があることこそが生活の一部というような気持ちもあります。まぁ後は描きやすいということもあります。みんなが知っているから、富士山を描くとすぐに見た人が「あ、富士山ですね」と言ってくれるというのもとても面白いというかすぐに共感できるという意味もあります。富士山て皆さんもすぐ描きますよね。描きませんか?すぐに描けますよね。他の山は説明がいるけど、富士山て、描くと「あ、富士山だね」と皆んなが言ってくれるので凄く嬉しいというのもあります。まぁこれはジョークです。深い思いはもちろんあって描いていますけど富士山がそういう存在ということです。

私は舟出の絵が大好きなんですけれども、力強くてすごく素敵なんですけど、どうしてあの絵が舟出になったんですか。目に見えない何かを描いているのかなと思ったんですけど、何か伝えたいものがあったんですか?

母)最初「ノボルアサヒ」というタイトルで描いた絵です。

浩)朝日と言うのは一日の始まりだし、初日の出というと本当に新しい一年の始まりということの象徴にもなっているので、僕も朝日と描きつつ これは新しいことへの第一歩という意味もあると考えて、新しく旅に出るというような気持ちがあってそういう言葉にしました。新しいことに挑戦する、今日のようなこともそうだし、さっきも言った 気球の会とか僕なりに今いろいろなことが自分の周りで動き始めているというようなことも含めて、朝日、日の出、そしてそれが舟出というふうに感じています。

母)3年前に初めて作品展をした後に描いた絵なので、新たな出発をしたといういうことなのかな。

浩)挑戦というか、ですね。今までしたかったけどできなかったことがいよいよ始まるぞというような感じです。


放送部顧問)
先生はこの絵が好きなんですけれど、台所の水道から水が出ていてお母さんのことが描いてあるんですけれど、これはどんな気持ちで描いたんですか?

浩)これは本当に日常の風景というか僕がいつも、これも見てないんですけど、見えてないんですけれども、母の気配とか台所から聞こえてくる音とかそういうものでこういう風景が頭の中に浮かんできたので描きました。後はさっきも言ったけど 直接伝えるのは恥ずかしいということも、作品にするとまぁ何とか伝えられるかなというような思いもありました。

顧問)お母さんに対して間接的に感謝の気持ちを述べていると言うことですか?

浩)まぁそういうことにしておきますかね。恥ずかしいので。

顧問)すごい私は好きです。私もお母さんなので、浩太朗さんと同い年の大学を卒業した男の子がいるんですけど、なんか嬉しいです。言ってもらえないけど、ほんとうに素敵な絵だと思います。

浩)ありがとうございます。男は特に言えないですから。 許してあげてください。(笑)

顧問)許します(笑)


部員)お気に入りの絵はありますか?

浩)僕は まぁ全部絵が自分の気持ちだし これ1枚というのはなかなか選べなくて、その時その時で変わったり、あの時の気持ちはこうだったけど今見ると違う風に見えるなぁとか思ったりするので、これだけがという事はないし、前に描いたものが終わらないというかまたその絵から違う僕の気持ちが生まれたりするので完結してなくて常に生きている感じなんです、作品が。だから選ぶのは難しいです。

取材04につづく。


ここで話題に出た富士山と浩太朗についての関係
#富士山と浩太朗 」全4シリーズ




小林浩太朗「目に見えるものだけが本当ではないよ」
(山梨県立吉田高校放送部制作)

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