見出し画像

エゴン・シーレに寄せて

生きることの叫びが、細く尖った描線に現れています。

どのモデルからも悲しみが滲み、荒んだ世相を表し、その人が纏っている世間的なマスクを剥ぎ取った、生々しい表情を見せつけています。

妻を得て子が授かった頃の作品「家族」は線が丸みを帯びて、少し悲しみが遠ざかったかに見えますが、身ごもった妻と共にスペイン風邪で亡くなりました。

家族

老成しなかったシーレは、ナイフで切り裂かれたような青年の心のままの作品で歴史に名を残した芸術家です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?