静かな、静かな、祝日。

北イタリアのボローニャという、小さくない町に住んでいるはずが、
今ではまるで、森の中に住んでいる錯覚すら起こしそうだ。
だれも剪定に来ないので、バス通りの街路樹の枝葉はのび放題。
わが家の窓は、すっかり緑で覆われてしまった。
鳥の唄が、こんなによく聞こえるなんて。
静寂を破るのは、ごく稀に通る車の音と、誰かがゴミ出しでもしているだろう音だけ。
そしてこの音が、世界が今どうなっているかを思い出させる。
5月1日。パンデミックの中の、静かな、静かな、祝日。


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