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戻る日常?イタリア、フェーズ3

6月17日に在ミラノ日本領事館から在伊邦人向けに送られてきた最新メールは、6月11日に出されたイタリア首相令に関するものでした。内容は、イタリアにおける現在(フェーズ3)の感染対策について。日本語の抄訳が、在イタリア日本大使館のサイトに載っています。

首相令のイタリア語版と新聞などにもざっと目通し、法律用語と格闘しつつ、ざっくりとまとめてみました。

<イタリア国内について>
・コロナ感染を疑われるような発熱や呼吸器系の症状が出た場合は、自宅に留まり、かかりつけ医に連絡すること
・学校、各種教育機関、講習等は休校、もしくは中止(医学部は除く)リモート学習は可
・屋内外の全ての活動(生産、観光、飲食業、宗教、文化等々の全てのジャンルの活動)において、対人距離を1m以上とり、密集を避け、感染予防に努めること
・感染予防対策としては、対人距離を1m以上とる、マスクやフェイスガードの着用、頻繁な手洗い等
・店舗や博物館などでは、入り口で入場制限をし、対人距離が保てるようにすること
・プロスポーツやオリンピック関連スポーツについては、観客なしでの試合は可
・コンサート、劇場、映画館等の活動は、屋内では観客数200人まで、屋外では観客数1000人までの上限をもうけ、対人距離を1m以上とるなどの感染予防策を取った上で可
・ダンスホール、ディスコ、見本市は屋内外に問わず7月14日まで不可

「公の場所では対人距離をとり、密を避け、屋内や十分な対人距離を保てない場所ではマスクをつけるなどして感染予防をとる」という前提にのっとり、これで、基本的にほぼすべての社会活動が再開されたことになります。ただし、感染状況を鑑みて、州や県によっては規則の内容や日程に差異がある、という但し書もされています。

たとえば、夏に海水浴客で賑わうエミリア・ロマーニャ州のアドリア海沿岸地帯では、2mの対人距離を取る(ただし同居人の場合は対人距離を取る必要はない)ことを条件に、国が定めた7月14日を待たずに、6月19日から屋外のディスコやダンスホールの営業が再開されます。屋外ですのでマスクの着用もありません。この地域は、6月から9月の夏期4ヶ月で1年分の収入を稼ぎ出す地域。不安がない、といえば嘘になるけれど、これ以上営業再開を伸ばしすのは不可能だ!という声に押されての決定かと思います。

<イタリアと他国間との移動について>
以下の国へ/からの移動はいかなる制限も受けない*。
a) 欧州連合の加盟国
b) シェンゲン協定加盟国
c) グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
d) アンドラ,モナコ公国
e) サンマリノ共和国,バチカン市国
*ただし、これはあくまでイタリアが決めたことであり、これらの国の中には、イタリアからの入国に制限をかけている国もあります。
上記以外の国(日本を含む)へ/からの移動は、証明される業務上の必要性、 極めて緊急性の高い事態、健康上の理由を除き、6月30日までは禁止されたままとなる。しかし、自らの住所・居住地・居所への帰還は認められる。
上記以外の国(日本を含む)からイタリアに入国する者、もしくは、イタリア入国に先立つ14日間に上記以外の国と地域に滞在した者は
・旅の目的・滞在先住所・連絡先(電話番号)を記した宣誓書を、イタリア入国のために利用する公共交通機関の運行者に提出すること
・イタリア入国後、保健公社の予防局(Dipartimento di prevenzione)に対し入国したことを通報し、宣誓書に記した住所において14日間の自己隔離をすること
・トランジット等を理由とする120時間以内のイタリア滞在の場合は、旅の目的・滞在期間・滞在場所と交通手段・連絡先(電話番号)を記した宣誓書を運行者に提出し、滞在期限に達したら速やかにイタリアの領土を去ること。そうしない場合には,宣誓書に記されたイタリア国内での滞在場所において14日間の健康観察及び自己隔離を開始すること。

ああ、法律用語って、本当に難しいですね。訳だけでなく解釈が間違っている可能性もあるかもしれません。ミスがあれば、どうかご教示くださいませ。

ヨーロッパ各国が出入国についてそれぞれ独自の制限を設けていますし、事態はまだまだ流動的。イタリアに住んでいても日本のパスポートを持っている私には、移動中にどんなトラブルが起こるかもしれません。なので、まだしばらくの間は、イタリアでじっとしていようと思います。

春に一時帰国するはずだった日本。今はまだ、ちょっと遠くに感じます。


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