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母の語り(戦後〜現在)

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戦後、家族を養うため、自分の夢を実現するため、台湾人と一緒になり、家族や従業員のために尽くした母の語りをまとめました。
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台湾人の夫と高知へ(19歳)

台湾人の夫と高知へ(19歳)

「高知に仲間がいる」「新しい事業を考えている」

松山で肩身の狭い思いをしているところに、こんな言葉をかけられ、高知にも帰れることもあって、菊は少し期待の気持ちを持った。

文龍が日本に帰化していなかったため、入籍できなかったものの、一緒に居れば、きっとよい生活ができると信じていた。

二人の住まいの財産といえば、机一つだけだった。頼りにしていた「仲間」も台湾語で喋り、本当にこれでよかったのかなと

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