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うつろ、ろ、ろ、

破れた障子の向こうで竹の葉が揺れて、その隣で朝の光が影絵のような模様を描いていた。
無気力な笑顔に精一杯の力を込めて、ただ眠るばかりの横たわるいぬを見る。

ぽろぽろぽろぽろなみだを落としながら、黙々とパズルを解いているわたしは滑稽。
どうせわたしのことだから、そうやって、“ちぐはぐなじぶん”に入り浸っているのだろう。

ふだんよりちょっと余計に弱くなっていて。
あんなに泣くのを我慢していた時期だってあったのに、最近はすぐに勝手になみだがこぼれてしまう。
数か月前の写真のいぬや花があんまりきらきらしていて、それだけで泣ける。困る。先が思いやられる。

もう、どうでもいいや。

懐かしい口癖が口を衝いて出る。
ふと思い返して、本当にどうでもいいと思ったことが果たしてあっただろうか、と首を捻る。
とか書いといて、実際には首なんか捻っちゃいないから、きっとそれと同じことだと思い、それでよしとした。

こころをどこに置いたものか、思案して、苦戦している。
あっちにいったり、また返ったり、ピンポン玉みたいな感情は果たしてこころのままだろうか。
そんな、どうでもいいようなことでも考えていなきゃ、とても持ちそうにない。
持たせるしかない。

新しい口癖は、
「かわいいよ、だから大丈夫」。

ああ。
きょうも支離滅裂。
強くあれ、わたし。




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