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こども園、嵐の1日

外は嵐

京都にいる時は、「嵐」というイメージがほとんど自分の中になかった。台風は、、、風と雨が来ると言われて、いつ来たのやらわからない感じ。地震は、、、、地面が縦にドン。雷は、御所や上賀茂神社の大木にドシンと落ちてメリメリという音が続く。嵐は、、、というと、「嵐山」という地名しかイメージがない。渡月橋。夕方がどこよりも早く来る感じの場所。

カリフォルニアで、嵐というと、強風、横殴りの雨、フェンスや街路樹が倒れ、道路が冠水する。京都の嵐は、つまり台風という名前の嵐。フロリダの嵐は、ハリケーンという名前の嵐。ということが、実感と共に理解できてきた。

冬にしか雨が降らないカリフォルニアでは、雨は文句なしに恵みの雨。感謝、感謝なのだが、子ども園で十数人子どもたちとずっと家の中で過ごすのは、子どもたちも慣れていないだけあって、なかなか辛い。とっても濃い時間を過ごすので、4時間が8時間にも10時間にも感じられる。

ジンジャーブレッドハウス

こんな寒い時は、オーブンで何かお菓子を焼くに限る。
今日は、ジンジャーケーキを焼いた。
普通の焼き型で焼くつもりをしていたが、一人の生徒が、お菓子の家の焼き型をおもちゃの棚から持ってきた。

「ミスケーコ、これで焼くといいんじゃない?」この季節のために、おもちゃの棚に並べておいたものだった。
「そうだよね。ジンジャーケーキだもんね。この型がいいかもね。でも、ちゃんとできるかな?」と私。
「ちゃんとできなくても、味は同じ。だったら試したほうが楽しいよね!」と、さすが6歳児、説得力のあることを言ってくれる。

計量カップを並べて、「油、1/3カップだってよ」というと、3歳の女の子が、「これ私と同じ」と言って、1/3と書いたカップを選んでくれた。卵は、5歳の子に渡す。ずいぶん上手に割れるようになってきた。一通りいろいろな国の言葉で10まで数えて混ぜ終えたら、子どもたちは遊びに戻っていく。

子どもたちは、こういう時静かに遊ぶ。少しづつジンジャーの香りがキッチンから流れてきて、嗅覚を刺激し、部屋の温度もオーブンの温度と共に上がってくる。幸せな待ち時間。完璧とは言えないが、それなりに美味しいジンジャーブレッドハウスケーキが出来上がった。(写真を撮る暇なく、ありません。)
少し、生姜の量が多めなのだが、自分達で作ったから「辛い」と言いつつも誰も残さない。

生活にはスパイス。嵐が来るから、余計な枝葉が落とされ、樹木は丈夫に育つ。生姜味も嵐もたまにはいいものだ。