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自分との対話(からだ編)

誰しも体調の波はある。

理由は様々で、自分のからだの中のことが理由のときもあるし、天気やその他からだの外のことが理由であることも。

本当に忙しい日々を過ごすひとたち。

調子が多少悪かろうが、アポがあったり動かせない予定があったりして無理をして過ごしているのではなかろうか。

どうか自分の体調優先で過ごして欲しいなと心から願う。そうはいっても忙しいのもわかる。やらねばならないことがたくさんある。とてもわかる。

かく言う私も、ずいぶん長いこと無理をしてきたから。

1. からだの声を無視した先にあったもの

頭痛がしようが、腰痛になろうが、食欲がなくなろうが、薬を飲んだり湿布を貼ったり、断食したり、その状況を乗り切るための対処療法でどうにかやり過ごしてきた。

ただそれは本当に「乗り切るため」にやっていたのであって、からだの声に蓋をしたり、聞こえないふりをしてきただけだった。

若い頃は体力もあるからそれでどうにかなり、そうこうしているうちにまた元気な気持ちになって無理をして、さらに具合が悪くなっても対処して乗り切り。そのうちに体の声があまり聞こえなくなっていった。

体の声が聞こえなくなったために元気であると勘違いした私は、しばらくして本当に一気に体調が悪化した。

いままで蓋をして押し殺していたからだの声が一斉に悲鳴を上げたかのように。そして動けなくなった。

回復した頃には自分を取り巻く環境が様変わりしていて、そこでやっと気づいた。

体の声を無視して無理してがんばっても、行き着くところには何もない。傷だらけの自分がそこにいるだけ。

こころもからだも本当に傷だらけになっていた。そしてとても孤独だった。

無理したくてもできない体になり、からだの声を聞きながらそろそろと生きはじめるようになって、「なんだ、別に無理しなくても生きていける」とようやく知った。

2. 声に耳を傾けるようになってからの変化

カウンセリングやコーチングを学ぶプロセスで自分との対話を重ね、私の場合はたいていのサインはまず体調に出るということがわかってきた。それ以来、からだからの何かの声に気づいた時には素直に従うことにしている。

そしてからだの声に気を配るようになると、具体的な症状が出る前のちょっとした違和感にも気づけるようになってきた。

起きた時のなんかへんな感じ。
食事がいまいちおいしくない。
太陽の光が眩し過ぎる。
いつもより足が冷たい。

これらの症状ともいえないほど本当に些細な違和感を感じた日は、明日に回せる予定は回し、ゆっくりと過ごすことにしている。

もちろん多少、予定していたことが後回しになったり、結果として時間が足りなくなって、できないことや諦めて手放すことも出てきたわけだけど、それによって大変なことが起きるかと言うとまったくそんなことはなかった。

むしろ、寝込むほど体調を崩すことがほとんどなくなり、大事なアポや集中したい日にしっかりと時間をあてられるようになり、やることの効率も上がった。

今までの自分はいったい何を急ぎ、何をそんなに頑張っていたのかなと、純粋に不思議な気持ちになったのを覚えている。

3. 何がほしくて頑張っていたのか

私が自分のからだの声の大切さに気づいたのはここ数年の話。それまでずいぶんと体を痛めつけて、当時の自分はそこまでして得たいものがあったんだなと、いまはやさしく受け取っている。

とはいえ、長年染み付いた「がんばる」生き方はそう簡単には手放すことができなくて、徐々にではあるものの、無理するのをやめた今だからこそ、なぜあんなに無理をしていたのか振り返るといろいろなことがわかる。

責任を果たし、頑張って評価されたい。
常に元気で規範でありたい。
このように思い頑張ることで、居場所を保ちたい。
休んだりしたら居場所がなくなってしまう。
居場所がなくなったら生きていけなくなる。

私の場合この「休んだりしたら居場所がなくなってしまう」が結構大きかった。不幸にも、前述のように休んだことで本当に居場所を失ったこともあって、今思えばそれは自分がそう信じているからそれが現実化しただけなのだけど、当時は本当にキツかった。

からだの声に素直にしたがって生きるようになってから、がんばらずにただそこに在るだけであたたかな居場所はあると知った。長いこと、安心できる場所を追い求めて頑張り続けてきた。でも手に入れたかったその場所は自分のなかにあった。

まさに灯台下暗し。

自分の外にいろいろなものを求めた方が一見わかりやすく、対処しやすいような感じもするけれど、本当に大切なものは自分の中に全部ある。

こんなに大事な、そしてシンプルなことに気がつくために長い時間がかかった。だからこそ伝えられることもあるし、カウンセリングやコーチングという方法で同じように毎日頑張っている人に自然に寄り添える自分になれた。

人生、無駄なことは何もない。どんなこともリソースに変えることができる。

からだの声は、今日は何を伝えてくれているだろう。

自分のからだの声に気づけるからこそ、クライアントのうちなる声も気づけるようになる。

そう信じて、今日も自分ファーストな日々。

というわけで、今日はちょっと疲れた感じがするので、おやすみなさい。

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