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緊迫したフライト直前(オレゴン)‼(*_*;
DAVIDの叔母の葬儀があった、オレゴン州の
ポートランドから、アリゾナへ帰るフライトは
格安チケットで、残念ながら席がバラバラ。
私はフライトの間は眠るだけなので、離れた席でも
問題ないが、DAVIDは一緒で隣の席がイイと思い、
諦めず飛行機に乗り込む前のカウンターで、笑顔で
スムーズに交渉した。
スタッフが用意してくれた席は、DAVIDの大好きな
窓側の席で、私は真ん中、離陸前にトイレに行った。
DAVIDの足元には誰かの水筒が、床に置かれてて
「誰かの忘れ物かな?」とスタッフにDAVIDが
手渡した。
![](https://assets.st-note.com/img/1699563990987-YNlwjlAWcM.jpg)
私が入った飛行機のトイレは、便器にも床にも
尿がコボれてグチャグチャで、前に出た男性が
適当にしたんだと思い「しょうがないな…」と
ペーパーとソープで、私が使う前にプチ掃除を
してから使った。
席に戻ると、真ん中の私の席が空いていて、通路
側に大きな男性が、携帯で誰かと大声で話していた。
DAVIDが緊張した顔をして「トイレに行くけど、
ケイコは窓側に座ってて‼」と日本語で言った。
(アメリカ人には私たちの会話が分からない)
![](https://assets.st-note.com/img/1699564217986-jRYnPUVr1Y.jpg)
飛行機の離陸やフライトの様子を見るのが好きな
DAVIDには窓際の席を私に譲るのは、とても
おかしな提案で、何か通路側の男性の異常か
危険をDAVIDが察知したらしかった。
DAVIDがトイレから戻ると、彼は真ん中の席に
座り、とてもピリピリした表情で「隣の席の人は
明らかに飲み過ぎ‼」と日本語で教えてくれた。
すぐチケットを手配してくれたあのカウンターの
スタッフがやって来て、酔っ払いのその男性に
強い口調で、冷静に目を見ながら、通路側の
男性に話しかけた。
「あなたの様に、明らかに飲み過ぎの方をこの
飛行機に乗せて、離陸はできない。」
「別の便のフライトを無料で用意するので、今すぐ
飛行機から下りて下さい。」
「他の全ての乗客達への危険を冒せない。」
![](https://assets.st-note.com/img/1699564506570-r4wOBvZ9Cn.jpg)
酔っぱらった男性は、明らかに解せないと必死に
抵抗していた。
「俺の荷物は、もう飛行機の中だ。」
「家族が待ってるから、このフライトで帰らないと
イケない。」
「ビール2〜3本をフライトの数時間前に飲んだだけ。」
「何も悪いコトをしていない。みんな飲んでる。」
「勘弁してくれよ〜!」
酔っぱらった男性は必死に抵抗し続けて、諦めない。
「フライトの中で問題を起こさないと約束するから、
そんなコトを言わないでくれ!」と必死に頼んでいる。
男性スタッフは、断固として主張を変えない。
「泥酔状態のあなたの約束は、受け入れられない!」
「あなたの飲酒量は、フライトに乗るには非合法だ。」
「他の乗客を安全に離陸させるのが、私の役目だ。」
と強い口調で、何度も何度も、飛行機を今すぐに
降りる命令を、泥酔した男性に出し続ける。
10分近くも続いた押し問答中、DAVIDは蝋人形の様に
前を向いて静かに二人の会話を聞いていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1699564561055-ommExqiDuA.jpg)
酔っ払いの人が万が一、暴れるかもしれない、
アメリカのドラマみたいな緊迫した雰囲気が、
飛行機全体に広がり、前後左右の乗客もジッと
動かず、静かに押し黙ってる。
「もし飛行機を降りるのに抵抗するなら、警察を
呼んで、牢屋に入れる措置もある」とスタッフが
言ったら、渋々酔っ払いの男性はそれは困ると
思ったらしく、ついに諦めて席を立った。
私の前に飛行機のトイレを使ったのは、その
酔っ払いの男性で、トイレもグチャグチャで正常な
動きが出来なかったからだと分かった。
DAVIDが最初窓際で座っていた時、足元に残された
水筒も彼の持ち物で「空いてる席はどこに座っても
イイだろ?」と、私がトイレ中に、その男性客は
酔っぱらって自分の席がどこかも分からない様子
だったらしく、私達の横の通路側の席に座ったのだ。
泥酔客は大柄な男性で、悪い人じゃなさそうだけど
私の横に座らせるのは危険と判断して、DAVIDは
窓際の席に座らせて避難させたかったのだ。
DAVIDがトイレに行く時、明らかに飲み過ぎのこの
男性の異常な様子や大きな声、普通でない態度に
周りのお客さん達が困惑してるのを見て、フライトの
スタッフに泥酔客のレポートをして、この一連の
事件が起こったのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1699564637954-gHrDUqZt8q.jpg)
泥酔客は同じフライトでただ家に帰りたいだけで、
チョット適量を越えたビールを飲んだだけで、悪い人
じゃないと、DAVIDがスタッフにレポートしたコトに
ちょっと罪悪感を感じていた。
でも泥酔客が飛行機から降りてから、左右前後の
お客さん達はDAVIDの勇敢な行動に「よくやった‼」と
ホッとした様子で、感謝を述べてくれた。
DAVIDは冷静な判断をして、飛行機と乗客の安全を
守っただけだ。
DAVIDに「不要な罪悪感は手放し、一人の客として
フライトの安全にプラスになる決断と行動をしただけ
だから、勇気を誇ってイイ‼」と私は話した。
フライトで気圧が下がり、空気が少ない状態では
確かに酔いも回りやすいし、フライトの途中でこの
泥酔客が暴れたり、周りのお客さん達に迷惑行為を
しないとは限らない。
すったもんだのやり取りの間、私はずっとDAVIDの
手を握り、深い呼吸をし続け「無事、何事も大きな
トラブルが起こらない様に‼」と、ココロの中に
平和が訪れる様な、マントラを唱え続けていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1699564676985-NEMOvD8XJh.jpg)
アメリカでは、お酒やタバコに関しては飛行機は
とても法律が厳しく、去年のフライトではタバコを
吸ったお客さんが飛行機の中からレポートされて、
私達が到着したら、到着口に警察3人が待機して
逮捕の準備をしていた。
ダメなモノは、ダメ!!!
スタッフが安全だと感じられない飲酒量を越えた
お客さんは、フライトの安全の為にはNGなのだ。
DAVIDは「今夜じゃなく、泥酔客のお酒が抜けた
明日のフライトを準備されるかもしれないね!」と
話していて、「そうなったらあの泥酔客は、
『やってられない!』とまたお酒をしこたままた
飲みたくなっちゃうだろうね。」と話していた。
DAVIDの勇敢な行動に改めて敬意を感じ、フライト
前の緊迫した雰囲気は、まるでアメリカのドラマの
一場面みたいで、ちょっとドキドキハラハラした。
![](https://assets.st-note.com/img/1699564086644-lLyVVu8WX0.jpg)
DAVIDと一緒に過ごすと、色々なハプニングが良く
起こるのだが、その度に色々と日本とは違う文化の
違いやアメリカ暮らしの学びになる。
無事オレゴンからアリゾナに帰れ、ホッとした。
飛行機の中では色々なコトが起こるが、これもまた
忘れがたい旅の思い出になる。
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