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訳しにくい言葉〜"prophecy"

自分で満たす予言?

"Prophecy"は「予言」や「お告げ」という意味の単語です。
"biblical prophecy"(聖書の予言)、"evil prophecy "(不吉な予言)など、使われ方を見ると、神がかっている雰囲気が漂っています。

そんな"prophecy"という単語をビジネスなどの、とても現実的な場で聞くことがあります。

"Self-fulfilling prophecy"という表現で使われるのですが、 直訳すると「自分で満たす予言」

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・・・分かるような??、やっぱり全然分からないような💦

「自分で満たす予言」ということなので、意味としては「こうなるに違いない」と自分が信じていることが現実になることということですね

期待値の影響

「ピグマリオン効果」という心理学の研究をご存知でしょうか。
学力レベルが同じ子供たちを2つのグループに分け、先生に一つのグループは「優秀」、もう一つのグループは「学力に問題あり」であると伝えた上で授業をしてもらいます。その後、試験をしてみると、「優秀」だと伝えられたグループの方が試験の結果が良いというものです。

もともとの学力レベルは同じであるも関わらず、教える側の認識で試験の結果が変わるというのは面白い現象ですね。ピグマリオン効果や実験方法については異議を唱える人もいるとのことですが、他者からの期待によって結果が変わるということは経験的にも何となく分かるような気もします。

"Self-fullfilling prophecy"は、自分自身に対する「ピグマリオン効果」みたいなものとも言えるかもしれません。最初から「どうせダメだ」と思っていると何事も上手くいかないというのは、思考に行動が引っ張られて、結果として自分の「予言」が当たってしまうということなのでしょう。

"self-fulfilling prophecy"は、辞書には「自己実現的予言」などの訳も出ていますが、ビジネスの場など日常的な会話では仰々しくて馴染まないことも多く訳し難いです。仰々しくて文脈に馴染まないなぁと思うときは、「予言」という"prophecy"が持つ、神がかったようなニュアンスは薄れてしまうのが残念と思いつつ、「思い込み」とか「自己暗示」などと訳しています。

そして、"self-fulfilling prophecy"という言葉を聞くたびに、自分は無意識に望まぬ「予言」をしてしまっていないかな?とチェックしたくなる想いに駆られます。

英語も「できない!」って最初から決めつけてしまうと、本当に出来なくなってしまうことがあります。そんなときは「できるはず!」と自分で「予言」してしまうのも手かもしれません。

"self-fulfilling prophecy"の力も活用しながら、良い「予言」を自分で満たして少しずつでも前進したいですね!

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