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【コーチング】相手の思考の整理を促す質問


コーチングの要は質問力!


 私は同時通訳の他に、コーチングという仕事をしています。コーチングというのは、会話をすることでクライアント(コーチングを受ける人)が頭の整理をして自分で答えを見つけるサポートをするものです。
 思考の整理の鍵となるのが、質問力です。コーチングの効果は、質問の仕方によって決まるとも言えるほどです。

効果的な質問

では、どんな質問が効果的なのでしょうか。
まず一つ目はOpen Questionと呼ばれる”yes”か”no”では答えられない質問です。

 「今日、朝ごはん食べましたか?」という質問は”yes”または”no”で答えられてしまいます。しかし、それでは相手の思考を深めたり整理をしたりすることに繋がりません。質問に答えるために相手が考えなければならない状況を作るのがOpen Questionです。
 例えば、「あなたは、なぜ朝ごはんを食べたのですか?」という質問。これは"yes" "no"で答えることは出来ず、恐らく「なぜ朝ごはんを食べるのか?」など普段は考える機会もないでしょうから、いつもよりは少し深い思考が必要となります。コーチングの会話では、自分の思考を言語化する作業を必要とするOpen Questionを投げかけることによって、相手の思考の整理を促します。
 

会話の掘り下げどころでの質問


 「コーチングで掘り下げる部分は、どんな風に判断するのですか?」というご質問を受けることがあります。これは、もう感覚としか言いようがないのですが、温度感が違う言葉や話題が出てきたときは、そこを掘り下げる質問をします。「温度感」というのも非常に分かりにくい表現かと思うのですが、コーチングで相手の話に注意深く耳を傾けていると、やたらと熱を帯びていたり逆に妙に冷たい感じがする言葉に出会うことがあります。本人も無意識のうちに感情的になるので熱を帯びたり、気持ちに蓋をしていることで冷たくなるのが、聞いている側には「温度感」と伝わるのだと思います。 
 そんな言葉をキャッチしたときには、"Can you elaborate on that?" と質問します。"Elaborate"というのは「精巧な」とか「入念な」などの意味の言葉です。Can you elaborate on that?というのは、直訳すると「そこを細かくして欲しい」つまりは、「詳しく聞かせてくださいますか?」ということです。掘り下げたいときにはよく使う表現ですね。
 

避けるべき質問の仕方


コーチングの質問で「避けるべき」として教わったのが、過去形の否定形の質問です。英語だと、"why you did not 〇〇?"(なぜ〇〇しなかったのですか?)という聞き方。過去形の否定形で質問をすると、聞かれた方が責められているような気持ちになるからだということです。確かに、日本語でも「なぜ〇〇しなかったの?」と言われると、ちょっと責められているような気持ちになります。言語が違っても受けての感じ方が同じなのは面白いところです。
 相手が責められているような気持ちになって萎縮してしまうとコーチングもうまくいきません。そのため、過去形の否定形での質問は避けましょうということでした。

 今日はコーチングで習った質問の仕方について幾つかご紹介しましたが、日常会話の中でも気に留めておくと、相手が話しやすい会話の流れが作りやすくなるかもしれません。

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