「ぼちぼちフリーランス」という野望
「稼ぎも仕事ペースもぼちぼちです」 という意味合いで、自己紹介などに「ぼちぼちフリーランス」というのを使うことがたまにあります。
「もうかりまっか」
「ぼちぼちでんなー」
な大阪商人なニュアンスが主に気に入って使っていたけれど、「ぼちぼち」の意味、ちゃんと調べたことなかったなぁ、と思ってググってみると、どうやら関西弁の「ぼちぼち」は、けっこう稼ぎのいい状態らしい。
むむぅ。。。
さらに、「関西弁の意味」と「昔から使われる標準語としての意味」との二つがあると。
↑ こちら丁寧かつサクッとわかりやすいよいまとめ記事でしたが、出典が(見た時点では)なかったので辞書も確認。
たしかに標準語では、1の「ゆっくり」「そろそろ」の意味で使いますね。
念のため、家にあった辞書(『新潮国語辞典 現代語・古語』)を開くと、
goo辞書とほぼ同様ながら、
「点々とちらばってあるさま。ぽつぽつ。」
「細かく続くさま」
「水滴などが間隔をおいてたれ落ちるさま」
という若干違った記述も発見。
小さくってぽつぽつと間も空くけれど、ゆっくりでも細く長く続けられる。
おお、まさに私が求める「ぼちぼち」な働き方!
でもって稼ぎの程度としては、
「そこそこですよ。おかげさまで」
というニュアンスで使う関西弁の「ぼちぼち」であれたらサイコー。
仕事先で、「最近どうですか」と聞かれたら、
「ぼちぼちですかねー」
と凪の表情で答えられる、そういうものに、私はなりたい。
言葉としては、ささやかで控え目なニュアンスをまとった「ぼちぼちフリーランス」ですが、ここには懐の深さとしなやかな強さ、そして大いなる野望も含ませてます。
たとえば、私の場合、会社員から撤退してフリーランスになったのは、半分は自分の意志ですが、半分は環境要因(この辺はまた別の機会に)。
みんながみんな、
「フリーランスこそ自分の求める働き方!」
と100%思って独立するわけじゃないですよね。
さらに、働くペース、稼がなきゃいけない額も人それぞれ。
実家暮らし、一人暮らし、共働き、ひとり親世帯、定年後、賃貸なのか持ち家なのか……など、それぞれが置かれている状況も違う。
同じ人でも、年や年代によって変わってくる。
育児や介護、家族の転勤、事業の手伝いなど、周囲の都合で働き方を変えたり、勉強や留学をしたり、病気をしたり、そうじゃなくたってしばしお休みしたくなったりするときだってあるはず。
そういう直接的に金銭を得られない時期だって、大きな目で見れば自分に返ってくるものはあるし、(経済活動を含む)さまざまなことに貢献しているもの。
まぁ、正直いえば、仕事をしないで遊んでいるときのほうがラクだし楽しい。でも、「お金をあげるからずっと遊んでいていいよ」と言われて、「わーい♪」となるかしら、、、と考えると違う気がする。
働くって、辛いこともたくさんあるけど、やっぱり面白い。
もちろん、必要にせまられてお金のために働くって要素もあるかもしれないけれど、それだって、自分がしたことの対価を受け取れるのは自信になる。働くことだけが自信につながるわけじゃないけれど、働くことで得られる自信も自信の一つだ。
趣味や遊びの仲間と過ごす時間も楽しいけれど、仕事で苦楽をともにした仲間と過ごすときも同じくらい面白い(もちろん人によります)。
というわけで、
「好きなときに働いて、好きなときに、好きなことができる暮らし」。
そんな生活を、できれば生涯、できたらいいなー。
と人によっては、アゴがはずれるくらい呆れられそうなことを考えてます(でも、本音はみんなそうよね?)。
「ぼちぼちフリーランス」は、そんな野望を秘めた自称だったりもします。
就活でご縁のある会社に巡り会えず、実家でバイトをしながら「ぼちぼちフリーランス」とか、
夫の転勤で退職、新たな土地で「ぼちぼちフリーランス」とか、
子どもが大きくなったので、好きなことで「ぼちぼちフリーランス」とか、
定年まで勤めあげて、趣味をしながら「ぼちぼちフリーランス」とか、
「ぼちぼちフリーランス」の形はいろいろ。
個人で発信したり、決済したりが便利になったこれからの時代は、フリーランスで働くハードルはさらに低くなるはず。
自分なりの「ぼちぼち」具合を維持するためには、自営&自衛していくための情報が(組織に守られる会社員以上に)大事になってきます。
いろんな意味で「ぼちぼち」な私が得たその辺りの情報も「ぼちぼち」お知らせしていこうと思います。
「ぼちぼちな働き方」を愛するみなさん(フリーランスに限らずお勤めの人も)、お知恵やお悩みや何だかよくわからないモヤモヤなど、よかったらお聞かせください。
*写真は、とある平日に沼津で食べた今年初の生サンマ(450円)
ーー【フリーランスが役立つ新刊案内】ーー
「お金をかけず、しかもカンタンに青色申告したい!」に応えるために企画・編集・ライティングした本が出ます(10/20発売)。
「青色申告6年目なのに迷走中…」な自らを救うため、超シンプルに申告できる方法を教わってきました。
既存の(超簡単なはずの)ソフトで挫折した私が救われた画期的な青色申告用Excel仕訳帳シート「簡単仕訳帳」の開発者・藤原さんとの共著です。
かけ出しのフリーランスさん、青色申告ソフト(有料)からの移行を考えている倹約フリーランスさん、そして私のように複式簿記の帳簿づけでユーウツ…になってる人のお役に立てるはず。ぜひ、お試しください。
※本書の対象読者は、フリーランスデビューしたての人や、私のようなぼちぼちフリーランス。売上1000万円を軽く超えてくる人は、税抜き処理のついたソフトの利用、また税理士さんがオススメです(売上5000万円までOKの簡易課税方式なら、利用は可能ですが)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?