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マケプレ好きが語るマーケットプレイス2.0

ミニッツというライブコマースのマーケットプレイスを提供しているケイキ(keiki / @keikidesu11)です。
a16z恒例のマーケットプレイスレポートの最新版である The Marketplace 100: 2022にて「マーケットプレイス2.0」への言及がありました。
マーケットプレイス大好き人間として、自身の解釈も入れつつ、できるだけ簡単にまとめさせてもらいました。

マーケットプレイス2.0とは

マーケットプレイス2.0とは供給サイドと需要サイドがリストを閲覧してマッチングさせること以上のツール(ユーザー価値)を提供しているマーケットプレイスを指す。

https://future.a16z.com/marketplace-100/

その結果、従来の買い手と売り手のマッチングによるGMVベースの手数料型モデルではなく、別のユーザー価値(マネタイズポイント)を提供するマーケットプレイスが増えている

マーケットプレイス2.0の具体例:ResortPass

ResortPassはデイケーションとして、高級ホテルのスパなどの1Day利用したい個人と高級ホテルのマッチング事業。従来ならマッチングがメインになるところですが、マッチングをフックにしながら、高級ホテルのアップセル支援のSaaSを主要ビジネスにしています。

一般的なケースではマッチングした双方からの手数料がメイン収益
SaaS手数料がメイン収益

個人的意見

マーケットプレイス2.0が生まれた背景

マーケットプレイス1.0のネットワーク効果に対抗できない。
この一点に尽きるかなと思います。
主にゲームチェンジができるタイミングは、技術、法律、カルチャーあたりが大きく変わる瞬間が多いです。
フリマアプリはスマホチェンジ、マッチングアプリはFacebookログインなどの変化をトリガーにゲームチェンジを行い、市場を独占しました。
マーケットプレイスの恐ろしい点は、年月が経ってもネットワーク効果は強化され続け、資本と金を投下し続ければユーザー価値も最大化するループにより、他社の追随を許さない点です。

現に、今もメルカリやPairsを崩せそうな企業は現れておらず、そこにマッチングとは別の訴求価値で戦おうとしているのが、昨今のマーケットプレイス2.0の流れかなと思います。

マーケットプレイス1.0の追加機能と何が違うか

メルカリのメルペイで例えると、メルペイはモノのマッチング以外でユーザー価値を最大化しており、マッチングサービスと素晴らしいシナジーを生み出しています。ただ、マーケットプレイス2.0の定義はマッチングのサービス価値を最大化する追加機能を指す訳ではないです。
マーケットプレイスでありながら、ユーザーに提供する主要機能がマッチングではなく、マッチング以外のツール(ユーザー価値)になったサービスを指しています。

マーケットプレイス2.0のビジネスモデル

「マーケットプレイス+SaaS」や「マーケットプレイス+フィンテック」のようなマーケットプレイスの手数料を最小限に抑え、別箇所で主要なマネタイズにチャレンジしているサービスが多い印象です。
これはマッチング自体が提供したいユーザー価値でないため、マッチングでの手数料最大化を目指していない(先行競合に勝てない)という理由が大きいと推測しています。

その他、レポートで興味深かった点

マルチテナント化を支援するプロダクトの増加

マルチテナント化とは1社のテナント(プラットフォーム)に依存せずに複数のテナントを共有させ、利用者の価値最大化させるサービスです。
配車サービスのドライバーがUberとLyftどちらを利用したらお得かを教えてくれるMystroなどが代表的です。
これらのサービスはマーケットプレイス特有の粘着性の強さを分散させる力を持っています。

キラーアクイジションの増加

BandcampをEpic Games、DepopをEtsy、UberがDrizlyとPostmates、OfferUpがLetGoを買収するなど将来の競合、新たな市場開拓のとっかかりとして買収するキラーアクイジションが増えています。

本レポート内容は日本でも再現されるか

再現はされるかもしれないが、最終的にどこまで先行企業をリプレイスできるかはマッチングの熱量に依存すると思っています。
やはりツールが主機能になり、マッチング自体の価値が低い場合、MOATが非常に気になります。そう考えると、ツールに対する熱量をマッチングにも点火させ、マッチングに圧倒的なユーザー熱量と独自性を生み出すことが勝ち筋かなと感じました。結局、マーケットプレイスで戦う限り、常にネットワーク効果と向き合う必要があると感じています。

また日本市場で考えると、2.0のビジネスモデル、マルチテナント、キラーアクイジションはグローバルの大きなTAMがあると中では一定の影響を与えますが、この現象が国内の一カテゴリのみをターゲットにしたマーケットプレイスサービスで再現されてどれくらい影響があるのかを考えると少し懐疑的です。大きな市場にエントリーしないと、この波の影響すら受けられないと感じてしまう危機感をつのらせる内容でもあると思いました。

最後に

ミニッツではマーケットプレイス2.0の波も捉えつつ、世界で通用するプロダクトの磨き込みと仕込みを進めています。トレカとライブコマースは興味ないと思った方も、一度どういう構想で事業展開しているか弊社の展望についての話を聞いてもらえると嬉しいです。もちろんマーケットプレイス大好きという方は是非お声がけください。
Culture DeckやPodcastをチェックいただき、興味を持っていただけた方はお気軽にご連絡ください。

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