『ホーソン実験』と『GIANT KILLING』
こんにちは。敬基です。
大学時代、社会学の学部で幅広いジャンルの講義を受講していたのですが、中でも好きだったのが、組織論です。
以前、「創発」という話をしましたが、1+1=2+αにしていくというのは色んな組織でテーマとなっていますよね。
組織論を学ぶと出てくる面白い研究の中には「ホーソン実験」というものがあります。
工場で働く人々の作業効率について研究した実験で、本来は働く物理的な環境(照明の明るさなど)が影響を与えるのではないかという仮説でした。
しかし、実験を進める中で、どうやら物理的な環境は作業効率に影響を与えているわけではなく、精神的な環境が大事だということが判明します。
具体的には、職場での人間関係が作業効率に有意な影響を与えるということが実証されました。
それまで、徹底的な管理が正しいとされていた労働スタイルに大きな衝撃を与えたそうです。
特に上司との人間関係が大事とのことですが、強い仲間意識も作業効率を上げる要因だそうです。
誰と仕事するかが大事ですね。
最近、友達にオススメしてもらって、『GIANT KILLING』というサッカー漫画を読んでハマってます。
ちなみにタイトルのGIANT KILLINGとは、大物食い。スポーツの世界で言うと「大番狂わせ」です。大金星や下克上は人々をワクワクさせますね。
2010年にはアニメ化もしている人気作で、サッカーのプロクラブチームを舞台とした、監督が主人公の漫画です。
個人的なイメージでは、野球漫画は監督が主人公になっているものも多い印象ですが、サッカー漫画では珍しい気がします。
多くのスポーツ漫画では、「チーム」というと選手たち(良くて監督・コーチ)がフォーカスされますが
この漫画は、監督を主人公とすることで、「チーム」の範囲が、選手や監督・コーチに留まらず、サポーターやフロントといった関係者まで含まれています。
それぞれの想いや価値観がぶつかり合いながらも、主人公を中心にまとまっていって、チーム一丸になりジャイアントキリングを起こしていくという、新鮮な面白さを感じますね。
ちなみに主人公である「達海 猛」はプレイヤー時代もスーパースターで、技術もさながら、人を惹きつける力が秀でている描写がなされます。
クラブを去る際には裏切りだという誤解もありながら、これから世界で活躍していくかというところで、故障という悲運に見舞われて引退。
この主人公、プレイヤー時代も、監督時代も、最初は誤解されがちな言動を取るのですが、
チームのことを想い、同時に1人1人のことを想った言動だということが伝わっていくことで、良好な人間関係とチームの結束力が強まっていくストーリーです。
現実ではどうだろうかと考えると、誤解が生まれるとお互いにコミュニケーションを取るのを辞めてしまいがちなので、理解しあう前に関係がより悪くなることが多いように感じます。
強い組織をつくっている、『GIANT KILLING』や『ONE PIECE』や『キングダム』を見ても、本音を言い合うというコミュニケーションから絆が深まっています。
漫画から学ぶことは多いですね。