Missing / ART-SCHOOL

私は、このアルバムでART-SCHOOLに一方的に恋をしました。

中学生の時、福岡の片田舎で鬼ほど聞きました。

『君は僕の物だった』という曲があるのですが、美しい言葉の宝石箱だなあ、触れてよかった。そんなことを思いながら、このアルバムを擦り切れるくらいに聴いていました。

最近、出会う人がみんなART-SCHOOLが好きだ!という人が多くて、また聴き返しているのですが、木下さんの選ぶ言葉は本当に綺麗な色をしているなって思います。

私は全然綺麗じゃないけれど、この言葉に触れている最中は、綺麗であれるような気がして。

だから、私もART-SCHOOL大好きです。

小説を書き始めて、2年が経つのですが、何回も

「もう綺麗な言葉出てこないよ」

「私らしい言葉出てこないよ」

と、これが最後の小説で、端にも棒にも引っ掛からなかったら、私はもうどうにもならないのかもしれないと、西荻のアパートで号泣していた時があります。

本当に、100本書いてボツ、みたいな日々の中で、かろうじて書き続けられたのは、このアルバムを流して、部屋中にとても綺麗な言葉が溢れてきて、透明な綺麗な空気っていう音楽で満たされていたからです。

たまに、私らしいってなんだろう。意外と普通の人なんだけどなあ、いやむしろ劣等感の塊だぞう。って言葉を選びすぎて息ができなかったり、これ以上がないのなら、いっそ消えてしまおうかと思う時があります。

だって、明日も空は青いと限らないじゃないですか。

そんな時、ART-SCHOOLの音楽は私を地に結びつけてくれる希望であるのです。

だって、明日もその音楽は美しいから。

普遍的な綺麗をたまに部屋中に満たして、私は生きていけるのです。

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