小休止#4 生きることが不安になってもいい

「ああ、今度こそ死ぬかも」

物理的にも精神的にも、そう追い詰められたことが複数回。自慢するわけじゃないし、できればそんな思いしない方がいい。

けれど、最近、時代の流れが早い。

「早く、生き方順応しないと死んじゃうよ?」

見えない神様はそう言っている。きっと、変化に対応できなくて苦しんでいる人もたくさんいる。

仕方がない。変わることができないのは、それまで一生懸命生きてきた積み重ねた時間が長いからに違いない。職人のように、その価値観を固めてきた続けてきた人たちにとって、変わらざるを得ないことは、きっと難しい。

緊急事態宣言が出る。

きっと、私が大好きなライブハウスをはじめ、たくさんの人たちがこのニュースに不安を覚えたはずだ。

積み上げてきた時間とお金と人生。それらが、いつ終わるかわからない出来事に晒されて、不安にならないはずがない。

みんな、生きることが不安になってもいい。生きたいから、真面目に正しく過ごしたいから不安になる。それは、間違いじゃない。

少なくとも、私の中では正論だ。

誰を批判するつもりもない。きっと、そういった声は私の言葉に思想を与えてしまうから。私は私の言葉を目にする人たちが、私の言葉に思想を与えて欲しい。

いろんな意見がある。いろんな言葉がある。いろんな見識がある。

世界がバラバラになった気がする中、私は一人暮らしだから、より孤独になった気がする。それは、それで10年後「あの頃は、寂しかった」と柔和な笑顔で話せるようになっていてほしいと思っている。

這いつくばって、生きていかなければならない気がして、これまで長い間、色々な方法を試してきた。

特別、貧困な家庭ではない。けれど、特別、波乱がなかったわけでもない。

18歳から、なるべく自分のお金で生きてきた。

「お金あるから」

くだらないホラを吹いて、人の顔色を見てきた。その一言で、目の色が変わるのを見て、「ああ、この人はこれくらいか」と身の丈を選別して安心してきた。

けれど、それはどうにも寂しい。虚しい。だから、今でもひとりだ。

ひとりっこで、母は亡くなっている。私はいずれ一人になる。だから、やっぱり生きていくことに不安になる。あと何回這いつくばって生きていく方法を探さなければならないのかと不安になる。

きっと、2021年、私もあなたも楽しいだけではない一年になってしまう。けれど、その不安という心地は、一人だけのものではない。別の理由で同じ気持ちになっている人が何万人もいる。

だから、生きていることが不安になってもいい。けれど、生きてみてほしい。不安は続き、時々嫌になってしまうと思うけれど、不安になった分、ただ楽に生きている人よりかは必ず強くなる。

私自身も、この結論の無い備忘録のような文章に、きっと10年後頷くことができるように、不安で息を切らしながら、生きてみる。

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