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命題を(論理学的)トートロジーと決めつけた上でA→Bの真理値を逆算するのは正当か? (レポートにまとめました)

 
命題を(論理学的)トートロジーと決めつけた上でA→Bの真理値を逆算するのは正当か?
http://miya.aki.gs/miya/miya_report39.pdf

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 本稿は、条件法の真理値を論理学的トートロジーとされる論理から定義・証明する手法は正当なのかを問うものである。
 戸田山和久著『論理学をつくる』(名古屋大学出版会、2000年)、3.10.2 「→」の定義の正当化(82~83ページ)において、

(1) A→BとB→Aとは論理的同値ではない。
(2) ((A→B)∧(B→A))→(A→C)はトートロジーである。
この2つの制約を満たすように「→」を真理表により定義(戸田山、82ページ)

・・・という手法がとられている。
同様に、前原昭二著『記号論理入門』(日本評論社、新装版、2005年)でも、論理学的トートロジー(とされるもの)から真理値表が逆算される、という手法がとられている。
 本稿ではこの手法の問題点を指摘し、それらが一種の循環論理となっていること、完全性・健全性を求めると私たちの日常的な真偽判断と乖離してしまうことを説明する。

<目次> ※ ()内はページ
1.A→BとB→Aとはシチュエーションによって論理的同値であったりなかったりする(それが事実) (2)
2.((A→B)∧(B→A))→(A→C)が”論理学的”トートロジーである必然性はない (3)
3.論証の妥当性は論証の形式ではなく内容、そして論理空間にかかわる (4)
4.命題を(論理学的)トートロジーと決めつけた上でA→Bの真理値を逆算するのは正当か? (6)
5.一つの命題にAと¬A双方が含まれるのは正当なのか? (8)
6.完全性・健全性は論理の正しさを担保するものではない (9)
<引用文献・参考文献> (10)

(※4月26日に第3章を修正しました)

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