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記号の若干の変更、および分配律やその他の電流学的規則(書き直しver.)

これまでの内容については、
電流が流れるか流れないか学(電流学)|カピ哲!|note
をご覧ください。

分配律:((A∧B)∨C)≡((A∨C)∧(B∧C))
の証明にドモルガンの法則が使われている事例があって、これでは循環論理になりかねないと思い、電流学の規則についてさらに詳細に説明した上で、ドモルガンの法則を用いずに電流学風の証明を行ってみました。


 以降、可能な場合は下記のような記号に変更する。

図18 回路記号の若干の変更

 変更した記号で再度分配律について描写してみよう。

図19 分配律:((A∨B)∧C)≡((A∧C)∨(B∧C))

 回路図を見る限り、この規則は自明なものであるように思える。しかし一応演繹論理で証明しておこう。

よって、((A∨B)∧C)≡((A∧C)∨(B∧C))

・・・より自明でない公理で自明な規則を証明するという本末転倒な状況ではあるが、一応演繹論理で証明可能なことは示せたと思う。

 この分配律と併せて、以下の規則も回路分析に用いることができる。回路の電流on/offに影響を及ぼさないからである。

(1)トートロジー回路の付加・除去
トートロジー回路=常に電流が流れる→スイッチなしの配線
トートロジー回路を直列につなぐことができる

図20 トートロジー回路の付加・除去

(2)矛盾回路の付加・除去
矛盾回路=常に電流が流れない→その部分を消去できる
矛盾回路を並列につなぐことができる

図21 矛盾回路の付加・除去

 これら分配律、トートロジー回路・矛盾回路の付加・除去の規則を用いて命題論理の分析や演繹をすることができる。例えば下のようにである。

図22 (A∨B)≡((A∧¬B)∨B)

電流表を作成してみると、やはり同値であることが分かる。

表6 A∨B、(A∧¬B)∨Bの電流表

 分配律には以下のようなものもある。この分配律は先のものより自明ではないように思える。

図23 分配律:((A∧B)∨C)≡((A∨C)∧(B∧C))

この規則を先の(自明な)分配律、トートロジー回路・矛盾回路の付加・除去の規則を用いて電流学風に証明してみよう。

図24 ((A∧B)∨C)≡((A∨C)∧(B∧C))の証明

 この証明は逆方向でも有効である。


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