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映画: PERFECT DAYS, 平山さんは幸せなのか

待ちに待ったPERFECT DAYSをやっと見れた。

すごく好きな映画だったしこれから何回も見ていく映画になるだろうなと思った。

ネタバレとか特にない映画だとは思いますが、以下本編の内容に触れます。

写真:https://www.perfectdays-movie.jp/en/collection/

想像通りだけどある意味予想外だった。この映画を観た後、私のマインドはポジティブで人生が豊かになるような気がしてたけど、「幸せなんて存在しない」というメッセージを受け取る結果となった。

私は平山さんは幸せじゃないんだなって感じた。心の奥底にとんでもなく暗いものを持っててそれをまだ克服できていない。

幸せじゃないと言っても、彼がお仕事に満足していないとは思わないし、今のシンプルな生活を変えたいと思ってるという意味じゃない。彼は自分の好きなことを大切にしながら今の生活に「満足」はしていると思う。

しかし、単調で最小限の生活の中で毎日ルーティンをこなして、日常の些細な場面の美しさに目を凝らして、愛でて、そうやって自分を無意識にでも必死に守っている様に見えた。だから、姪が現れたり、同僚がやめたり、密かに?心を寄せいる行きつけのお店の女将さんの元夫が現れたりなどイレギュラーなことが起こると、あれだけ穏やかな平山さんの心は明らかに乱されていた。

彼は寡黙で人とある程度の距離を保つ。それは過去のトラウマがそうさせているのだろう。親密な関係を築くことへの恐怖が自分自身を周囲から孤立させ、起こりうる別れから身を守っている。しかし、店員やお昼時にいる会社員に律儀に挨拶をしたり、顔も合わせたことない人とマルバツゲームしたり、路上生活者の方の様子をいつも伺ったり、平山さんは人とのつながりを求めている様だった。きっと寂しさがあるのだろう。親とうまくいかず、自分自身を家族という最も親密な関係から切り離して、あたかも1人でいることが幸せの様に暮らしていた。それでも、心のどこかで寂しさに押しつぶされそうになっていたのだと思う。それは、きこちゃんとの数日間の生活や妹とのハグ、女将さんさんが他の人と親密な関係があったことを知った時の動揺などで明らかに観てとれた。

結論、パーフェクトデイズは完璧な日々の話なんかではない。完璧な様に見えても完璧なんかじゃないし、みんな心に何かを抱えている。平山さんは自分に合った生活をして、日々の小さなことを楽しんで、日々な小さな美しさに集中することで寂しさや、過去のトラウマから自分を必死に守っているんだな。きっとみんなそうだよね。幸せなんてないっていうお話に見えました。私には

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