神楽坂景観塾はじめます

「はじめます」と言いつつ、もう「はじめていました」。

初めまして、こんにちは、Tetor(テトー)の山田裕貴と申します。全く同姓同名の俳優さんがいますが、すいません、違います。。。神楽坂で景観デザイン、土木デザインの設計事務所をやっています。

twitterでは告知などはしていたのですが、「神楽坂景観塾」なるものをはじめます、というかもう「はじめていました」。主に隔月でゲストを一人お迎えして、ディスカッションをしています。すでに多くの人に参加頂いており、感謝しています。

そもそも、塾、なるものを始めようと思ったのは、2つ理由があります。

1つ目は時代の変化がすごく早いので、各分野の第一線で活躍している人と、今後の職能や可能性を「個人的に」議論したいということ。2つ目は、僕が学生時代のときにひとまわり上くらいのいろんな人の話を聞く機会があって、考え方やその後の仕事に大きく影響したので、若い人にもそういう機会があって欲しいということです。僕も今の学生からすると一回り以上歳を取ってしまいましたが。。。何か恩返しではないけど、気軽なプラットフォームを作れないかと思ったことです。(大それた話では無い雑談のようなフランクな会)ということで、この個人的な会をいっそのこと公開してみようということで始めました。

神楽坂景観塾の流れ

そんな話を法政大学の福井先生と話してみたところ、ダブルMCでやってみようということになりました。見切り発車で、実は1年以上前に始めて、そこから1年間続けました。

形式としては主に2時間程度で、前半の1時間はゲストのレクチャー後半の1時間はディカッションです。ディスカッションと言っても、みんなで話すわけでもなく、登壇者だけが質問するわけでもない、不思議な方式です。前半のレクチャーの後、会場の皆さんに質問を書いてもらいます。そして、その質問を元に、後半のディカッションを組み立てます。福井先生に差配してもらいつつ、僕がツッコミを入れていきます。(ここは福井先生のCPUの高さが重要なのです)「〜という質問がきています」というラジオDJのような方式で進めて行きます。なので、会場には自然と一体感のような感覚が生まれます。この流れがとても難しいのですが、何とか毎回議論をうまく流れに乗せています。

参加者は主には学生が6割、社会人が4割という比率です。必ず懇親会をしているのですが、多いときは半数以上の人が参加します。その場を見ると少しプラットフォーム感があり、すこし嬉しくなります。

始めてみてわかったこと

議論はいつも白熱します。ゲストの方も本気でレクチャーしてくれるからだと思います。事前に打ち合わせて臨むのですが、想像を超えた完成度の高いレクチャーにいつも驚かされます。

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見てください!この楽しそうな表情。(左から福井先生、Tetor山田、第4回ゲスト中村晋一郎先生(名古屋大))

今後の職能や専門性の可能性について議論してきたつもりなのですが、振り返ってみると、じつは専門性の普遍的価値や、その専門性を介してどう世界を見るか、ということを皆さんが語ってくれていたことに気づきました。見てる世界は同じはずなのに、見えている世界は違う。そんな非常に純粋で面白いことを、記録をまとめるたびに感じます。そして職能とは技術そのものではなく、技術を介してどう世界を見てどう寄与していくか、なのかもしれません。まだ僕自身も答えはありません。でも、議論を通して引き続き考えていくつもりです。

ウィズコロナ、アフターコロナの世界に向かって

今、世界は新型コロナの災禍にあります。現時点では、先行きが全く見えない不安な毎日です。僕自身も一人、ひと気のない職場で悶々とした日々が続いています。だからこそ、もう一度「神楽坂景観塾」の記録を見つめ直し、次の世界に向かって思考を深めておきたいと思っています。いつ公開しようかと記録を溜め込んでいたのですが、今だからこそ記録を公開しようと思いました

これまでの記録は、アフターコロナの世界でも決して色褪せない、大切なことが埋め込まれていると感じたからです。

神楽坂景観塾は何かの答えを見つける会ではありません。むしろ、問題提起し、誰もが分からないことを考え、議論し、悶々としたまま、みんながその問いかけを抱いて帰る会です。この悶々とした記録を徐々に公開していきたいと思います。

これまで5回の記録があります。それらを順次公開していきます。この非常に難しい、そもそもの価値観が土台から崩れていくような世界の中で、次の世界に向かって何か考えることができればと思っています。この記録はビフォアーコロナの世界でもありますが、アフターコロナの世界でも変わらない価値もあると思います。むしろ、変わってしまうものと、それでも変化しないものを組み合わせていく高度な作業が、未来に向けてやらなければいけないのではないかと考えています。

これからも神楽坂景観塾は継続していきます。記録は少しずつ公開していきますので、ご期待いただければと思います。

Tetor 山田裕貴

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議論から広がった世界

私は職場を移りながら25年ほど景観の仕事を続けています。職場が変われば組織の原理も使う言葉も違います。しかし所属組織とは関係なく景観に関する考え方や姿勢を維持し知識を広げてこられたのは、組織や立場を越えた議論や意見交換の場に触れる機会に恵まれてきたからだと感じています。具体的には景観デザイン研究会での研究活動、土木学会デザイン賞をはじめとする土木学会景観・デザイン委員会の各種イベント、あるいは東大景観研助手時代の上司だった篠原修先生や内藤廣先生が主催される講義やイベントで多くの方の話を伺い、議論する機会がありました。これらの場に身を置くことで、全く知らない世界が広がり、あるいは個人的な疑問解決の糸口が見えることが多くありました。同年代の発言に、もっと頑張らねばと奮起させられることもありました。そういう場があったからこそ今の私がいるのだと感じています。

知的な刺激の場を確保したい

ところが、最近はそういう場が減ってしまったように思います。学生コンペやワークショップなど、力試しの場は多少は増えてきたけれど、特に学生や若手技術者のみなさんが知的な刺激を受けて議論を交わすような場が、他分野に比べて景観分野では少ないように思います。
神楽坂景観塾は単に講演を聴かせるのが主旨ではありません。ゲスト講師の講演というインプットに対して何か自分の中で起こった質問や感想をアウトプットしようとすることが大事です。講演者と参加者である塾生とコーディネイターの協働作業によってその場にできあがる問題意識や共感を大切にしたい。
noteでは結果のみの公開ですが、ぜひ開催時にも参加してもらいたいと思っています。

法政大学 福井恒明

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