機能統合した自動車用車載充電器
論文タイトル
Full Integration of On-Board Charger, Auxiliary Power Module, and Wireless Charger for Electric Vehicles Using Multipurpose Magnetic Couplers
雑誌名,発行年,巻,号,ページ番号
IEEE Transactions on Industrial Electronics, 2024年8月, Vol. 71, No. 8, pp. 9962-9967
著者氏名,所属
Ziwei Liang, Liyan Zhu, Yue Sun, Jie Li, Ruiyang Qin, Basu Arka, Daniel Costinett, Hua Bai
University of Tennessee
論文概要
本論文は、電気自動車(EV)のバッテリ充電システムのシステム統合と利便性を向上させるために、双方向オンボード充電器(OBC)、無線電力伝送(WPT)、および補助電源モジュール(APM)を統合する多目的磁気カプラーベースの充電ソリューションを提案する。この提案は、OBC、WPT、APMを1つのユニットに統合するものであり、主要なトランスを排除するだけでなく、パワーデバイスと受動部品の削減を実現する。回路方式、各充電モードの動作原理、磁気カプラー、および設計方法を説明し、プロトタイプを構築し、提案された設計を検証するために異なる充電モードをテストする。
研究対象
回路方式
応用技術
電気自動車, ワイヤレス給電
論文の主張点
本論文は、双方向OBC、WPT、およびAPMを1つのコンパクトなユニットに統合することにより、電力密度を向上させ、コストを削減できる多目的磁気カプラーを使用した統合充電システムを提案。
背景
先進的な充電システムは、電気自動車(EV)の普及を促進するために重要である。従来の充電方法に加えて、利便性を高めるために無線電力伝送(WPT)ベースの充電ソリューションも模索されている。しかし、これらのシステムは通常高価であり、充電電力が限られている。OBCとWPTの両方を装備したEVは、充電速度と利便性のどちらかを選択できるが、これには大きなコストとサイズの課題が伴う。
研究の手法
本研究では、多目的磁気カプラーを用いたEV充電システムの完全統合方法を提案する。これにより、従来のOBC、WPT、およびAPMユニットを1つのコンパクトなユニットに統合し、関連するアクティブおよびパッシブコンポーネントを削減する。
実験結果
10.3 kWのOBC、6.6 kWのWPT、3.7 kWの車両対負荷(V2L)、および800 WのAPMの各機能を検証した。実験結果は、提案された統合システムが従来の独立したユニットに比べて高い効率とコンパクトさを提供することを示した。具体的には、96.1%のピーク効率を達成し、従来のシステムに比べて2L以上の体積削減を実現した。
結論
本論文は、OBC、WPT、およびAPM機能を統合する多目的磁気カプラーを用いた完全統合充電システムの有効性を示している。これにより、EV充電システムの電力密度が向上し、コスト削減が可能となる。
論文の位置づけ
本論文は、EV充電システムの高効率化と統合設計の重要性を強調し、今後のEVシステム設計における新しい方向性を示すものである。多目的磁気カプラーを用いた完全統合システムの提案は、従来のシステムに対する大きな進歩を示している。
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