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「ジャズのアドリブはストーリーテリング」原朋直トランペットレッスン日記202102


原朋直トランペットレッスン日記を書いておきます。

ジャズのアドリブでは自分の演奏と同等かそれ以上に、周りの演奏、ほかの人のソロを聴くことが重要ですが、それがなぜ重要なのかを理解してもらうために、最近いつも原朋直先生が教えている音大で、音大生に伝わりやすい話を思いついたということを、私のレッスンでも教えてもらいました。

それは「ジャズのアドリブをストーリーテリング」と考えるという例えです。

例えば実際に音大ではこういうレッスンをしているようです。
「じゃ、ぼくが最初のソリストね、えー昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山で芝刈りに、おばあさんはつまらない毎日に飽きてホストクラブに出かけました、はい次!」と次の人に渡す。
次の日とはそこでソロとしてのストーリーを継いでいきます。たとえば「おばあさんはホストクラブに通い詰めて、お金がなくなってしまい。。。はい次」とまた次のソリストにストーリーを渡していく、というもの。

これだと前のソロの話の内容をよく聞いていないと繋げないし、自分もそれに合わせたストーリーを作らなければならない。
さらにいえば、全員が「桃太郎」という話をよく知っていて、それをベースにしているという理解も必要だし、元の話があるだけにもっと面白くしたいという気持ちも生まれる。そしてお客さんはその場でプレーヤー達が紡ぐ、その場合で生まれてくるストーリーを楽しむ。

いやー、素晴らしい例えだと思いました。

これだと、なぜ書き譜のソロがダメなのか、あらかじめ仕込んできたフレーズを入れ込むだけのソロがなぜダメなのか、コピーしたフレーズがダメなのかがよくわかります。

昔々おじいさんと、おばあさんが住んでいました、ハイ次で
「吾輩は猫である、名前はまだない」とくる訳です。
そしてヘタをすると、次の人は「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」とかいっちゃうわけです。
そしてまた次の曲でもその人のソロは「吾輩は猫デアル、名前はまだない」ではじまる。これはダメですよね。

あと「曲をよく知っている」ことの大切さもよくわかります。
たとえば「桃太郎」のストーリーがうろ覚えであったら、雉子とさると犬と、なんだっけー、みたいな状態では本歌取りができないし、センスのいいギャグやストーリーも出せない。
なんとなく「まぁ、なんとなく幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」みたいに、ありきたりなストーリーになりがち。

いや、いい話を聞かせてもらいつつ、
今月の課題曲「UGETSU」は、惨敗、残念! でした。

またいい話が聞けたらお裾分けしますね。


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