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プロ野球球団は入場料でどれくらい稼いでいるのか?

 プロ野球。8月1日からは観客の上限を5,000人から20,000人に増やすことが計画されていましたが、感染の拡大に伴って中止となりました。私も8月1日に観戦予定だったのですが、チケット強制取消の憂き目に遭いました。誠にもって遺憾であります。
 球団も無観客・観客制限により大幅に売上を落しているこの事態に、そろばんと大福帳を前に頭を掻きむしっているところでありましょう。
 この収入減のインパクトの大きさによっては、来期以降の契約更改や補強戦略、各チームの未来にも影響があることが考えられます。

 無観客・観客数制限の影響で、もっとも影響があると考えられるのが「入場料収入」です。そもそも各球団の収入のうち、入場料収入はどれくらい割合なのでしょうか?本や新聞記事を探ると、いくつかデータが見つかりました。

サンプルとして見つけられたのは、3球団・7年分です。
プロ野球の球団は経営情報の公開に消極的なため、サンプルが限られます。

・ソフトバンク、というかダイエーの2001年・2002年度という古い数字ですが。。。小林至氏の著書からの引用です。
・カープに関しては毎年の株主総会で報告される決算の内容が、売上高とその内訳を含めて中国新聞で報じられています。
・オリックスは貸借対照表のみ公告していますが、昨年の日経新聞に売上の概算と内訳が報じられました。

それらから拾った数字がをまとめたのがこちらの表です。

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ダイエー 2002年の時点で、売上好調な近年の広島よりも多くの売上を出しています。なおソフトバンクとなって、2015年以降決算公告において貸借対照表に加え損益計算書を公表しています。2019年度の売上高は約325億円ですが、売上の内訳は公表していませんので、古い数字を拾いました。

広島 3年連続のリーグ優勝、FY16には黒田投手の引退・FY18には新井選手の引退という、イベントが続出したFY16~FY18は売り上げが好調だったものの、リーグ優勝を逃したFY19は売上を大きく落としています。

オリックス 売上高はFY18で約200億円とのこと。「その他」には、自社保有の京セラドームの貸館料が含まれています。 

さて、これらの数字を比率にするとこんな感じです。

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結構幅がありますね。。。
・入場料収入 : 32%~42%
・グッズ収入 : 18%~29%
・その他収入 : 35%~46%

サンプル数に乏しいですが、入場料収入については、おおむね30%~40%程度のようです。

今年は、6月19日から7月9日までが無観客、そして少なくとも8月いっぱいは観客数の上限が5000人。このことで、各球団の売上にはどの程度の影響が出るのか?入場料収入は収入の30%~40%という数字で仮定して、推計してみたいと思いますが、それはまた別の日に。

データ出典:
・中国新聞2020年3月23日「19年決算、8年ぶりの減収 リーグ4位響く」
・日本経済新聞電子版2019年10月3日「オリックス、成績低迷でも売上高倍 2軍でファン獲得」
・小林至&別冊宝島編集部(編著)『プロ野球ビジネスのしくみ』(2002年、宝島社)P. 87



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