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取り調べの実情②

勾留期限が満了するまで、基本的にその期間中は取り調べがあります。

ただし、否認事件と認め事件とではその回数に違いはあるかと思います。

認め事件の場合は、
その罪を認めている訳ですから、捜査機関側が持っている証拠を互いに確認し、自白調書を作って一丁あがり!といった感じです。

厄介なのは否認事件。
捜査機関側もそれなりの証拠を持って逮捕勾留しています。
私のケースもパッと見、それなりの証拠が用意されているのですが、一つ一つ精査すると、どれも「うーん」というものばかりです。
(本当はここで公表したいのですが、公判前につき余計なことはしないでおきます・・・すみません)

ここで自白してくれると、警察検察も自信を持って起訴できるのですが、否認した状態だと裁判に負ける可能性がある為、あの手この手を使って被疑者を有罪に近づけようとしてきます。

私も毎日のように、強圧的な取り調べを受け、日に日に精神状態は悪化の一途を辿ってました。

毎日、長時間の取り調べを受けてますと、留置場の担当さんも
「○○番、いつも大変だな〜 人でも殺したのかい?」
と、笑えない冗談を言われたりします。
それでも留置場の担当さんはどの人も基本的には優しいので、ここに戻ってくると、妙に安心できたりします。
ちなみに留置場の担当さんは個別の事件については知らないことになっていますが、ほとんどは誰が何をやったのか知っているようでした。

私を取り調べている担当刑事は高卒ノンキャリの巡査でした。
彼にとっては昇進にあたって数少ないチャンスの場面です。

そんな彼が目的達成に向け、多彩な取り調べ手法で仕掛けてきます。

流石に、暴力を振われることはありませんでした。そこは平成生まれの人といった感じです。
ただ、<取り調べの指南書>みたいなものがあるらしく、いつもノートパソコンを傍に置き、それを見ながら話をしているのが今時っぽく、とても印象的でした。

ついさっきまで怒鳴っているかと思ったら急に優しくなったり、黙ったりと夏のゲリラ豪雨並みの変化に振り回される毎日です。

ところが勾留満期が近づくと、ゲリラ豪雨どころではありません。
最初っから最後まで<怒鳴る><暴言を吐く><被疑者の人格を否定する>など手当たり次第の取り調べとなってしまっておりました。

そして、一番辛かったのは[親のことを悪く言われること]です。
これは本当に腹が立ちました。

現在は保釈中ですので、あの時なんであそこまで辛かったんだろうと思うこともありますが、実際、毎日長時間暴言を吐かれたらまともな人間ならきっと早く終わらせたいと思うはずです。実際、そこまで警察は追い込んできます。

こうやって、冤罪が生まれていくんだと、身をもって経験させてもらいました。

では、どうして我が身を守り切れたのかと言いますと、
弁護士先生のアドバイスと励まし
があったからです。

弁護士先生がいなかったら、やってもいない罪を認めていたとか思います。

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