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NO29.「あるくみる・かんがえる」朝食ブッフェがなくなる日

 日本でも海外でも一定レベル以上のホテルの朝食はブッフェスタイルが多い。
 目の前に並んだ沢山の料理を物色しつつ好きなものを好きなだけ食べれるので人気が高い。
 旅行は贅沢さや非日常体験を楽しめることが魅力で、それを代表するもののひとつと言える。
 ホテル側にとっては客寄せや差別化の効果がある。また料理人やサーブするスタッフの数も減らせるので効率面でもプラスがあると思われる。

 双方にとってメリットがあるがその裏で多くの不幸も生み出している。
 まず食品廃棄の問題がある。ブッフェの最後一人のお客さんのためにすべての料理を一定量残しておかなければならない。その人が全部平らげることはないので毎日必ず多くの廃棄が発生する。この大変な無駄は食への冒涜であり、作った料理人にとっても悲しいこととなる。

 一方客側は一見ハッピーだが、食べ過ぎてしまうという不幸が生じる。腹八分目が健康にいいことはよく知られているが、沢山の料理が並んでいると人は自制がきかない。ついつい皿に盛り、満腹感が出てくる前に食べ過ぎてしまい胃の不調をおこす心配もある。 

 朝食はパン半切れとコーヒー1杯が一番調子がいい自分にとって、朝食ブッフェはできるだけ食べ過ぎないよう我慢する場となる。
 ただ、最近は少し賢いブッフェの食べ方をマスターしつつある。

それは、
 ■ 皿に盛る料理をそれぞれ最少の量にする(9枠の皿を利用するとよい)
 ■ 迷った場合は皿に盛らない。
 ■ 連泊する場合は翌日以降のために手をつけない料理を残しておく。

 さて、地球全体ではさらなる食料不足が囁かれている。正確な予測は難しいが、地球全体の気候変動、途上国の食生活の変化、世界人口が100億になることなどを考えるとこの問題はさらに大きくなりそうだ。
 その時、この星の住人は大量の廃棄を生み出すブッフェなる食べ方をもうできなくなるのではないだろうか?
 
 私たちはそろそろこのステージに備えておく必要がある。朝食ブッフェがなくなる日が来るものとして。

 これに代わるものとして、新しい朝食のスタイルを考えてみた。

 それはオンラインを利用した「オーダー型朝食」で、前日に宿泊者がオンラインで自分の朝食をスマホなどから予約するものである。

 朝食スタイルは人によりかなり異なる。
 パン食、ごはん食、サラダや果物中心、ジュースやスムージー等中心、卵料理有り無しなど異なるので、ブッフェに代わって、24時間前にオンラインで自分の好みのスタイルを希望提供時間帯とともに登録するしくみがあるとよいと考えた。それを受けたホテルの厨房(又は委託供給企業)はレストランで希望時間帯にセットメニューとして提供する。

 好きなものを、好きな量選択できるとブッフェのよいところを残しながら、食品廃棄が大幅に少なくできるというメリットがある。簡単に言うとルームサービスをレストランで食べるようなスタイルだが、調理スタッフの体制などによりどこまで料理の選択の幅を広げるかは調整すればいい。
 人手に余裕がなければ、洋食セットと和食セットの2択に絞り、内容はホテル側のお任せにすればよいし、料理の内容と量をより細かく選べるようにすると、ブッフェに近いバラエティ感を出せる。
 オンラインによる受取だけでは無味乾燥でもあるので、レストランで追加オーダーやお代わりもできるようにするとさらにイメージが変わるだろう。

 ブッフェは楽しみだが無駄があることはだれもが感じているので、私は多くの人がきっと納得してくれるものと確信している。

 食品ロスがなくなり、同時に人々の過食もなくなり健康維持につながればこれ以上いいことはないし、より充実した気分で旅も楽しめる。 (了)


(最近の旅より)

2024年2月中旬初めてベトナムのダナンに行った。宿泊したシェラトングランデは市内の有名なミーケビーチから少し離れていたが、その分静かな環境とビーチで気分がいい滞在ができた。それにしてもベトナム料理は毎日食べてもあきずおいしかった。日本から直行便で行ける海外のビーチリゾートは12箇所あるが、ここは私にとってベスト3に入るお気に入りになりそうだ。


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