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【エッセイ】けーすけの独り言

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大人になっても「妄想」と「いたずら」がやめられない『けーすけ』が、日常をゆるく綴るエッセイ。不定期で更新中。
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記事一覧

迷子の図鑑と大きな問い

子どものころ、父はよく僕を図書館に連れて行った。 いや、正確には「連れて行かれた」と言う…

けーすけ
8日前
18

つながるための贈り物

飛行機型の凧が、ぐわんと空に舞った。 予測不能な凧の動きに翻弄されながら、僕は父の顔を見…

けーすけ
1か月前
18

言葉の向こう側

―― 帰省するときは早めに連絡するよ。 そう言った僕に、母は「待っているからね」と返して…

けーすけ
3か月前
47

【書評というより感想】『発信する勇気』を読んで

僕が著者の末吉さんと出会ったのは、2017年のこと。(以降、『すえ吉さん』と呼ばせていただき…

けーすけ
3か月前
52

三日坊主常習犯の僕とゾウさん

「三日坊主」は、僕にとって「ダメ人間」と同義だ。  だから、人から「三日坊主だよね」と言…

けーすけ
9か月前
14

人生のダイソン状態

今まで、次から次へと やらなければならないことをつくり、 忙しく過ごすことを「良し」と し…

けーすけ
10か月前
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大嫌いだと言われても表現するのをやめない

 やったことのないことをやるとき、たいてい僕は生まれたての小鹿のようにブルブルと震える。  小心者というわけではないし、か弱くもない。  それなのに震えてしまうのは、失敗を極端に恐れてのことだ。  そんな震えてばかりの僕だけれど、今日あることをきっかけに変化したことに気づいた。  変化したといっても、小鹿は小鹿だ。  そこは変わらない。  でも、少し凛々しい小鹿になった気がする。  ふざけてないで、話を先に進めたい。  たまたま、こんな記事を読んだ。  収入をできるだけ

最良と布の服

僕にはやめたいことがたくさんある。 なぜ、やめるのか?  「最良」の未来に手を伸ばしたい…

けーすけ
10か月前
15

悲しい性とコイン

作家の悲しい性だと感じていることがある。 どんな出来事もネタになるということだ。 つらい…

けーすけ
10か月前
11

報われるとか、報われないとか

努力は報われると信じたいけれど、 そんなの誰にもわからない。 そもそも、 信じなければなら…

けーすけ
11か月前
10

心の記憶に刻まれた日々

緊張しながら玄関の扉を開けると、居間から母方のばあちゃんがゆっくりと歩いてきた。 「よく…

けーすけ
11か月前
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僕が親父の息子じゃなかったら

僕が親父の息子じゃなかったら、誰かに敷いてもらったレールのうえを、誰かの意に沿いながら生…

けーすけ
11か月前
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最終話 あなたの来る場所じゃない

いつもの朝だと思っていた。 何の前触れもなく、そのときは訪れた。 工場に出ていた僕は七ヵ…

けーすけ
1年前
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第十一話 何があっても、家族は家族のままだった

この記事はシリーズものです。 最初からお読みになりたいかたは、こちらから。 忘れられない母の笑顔がある。 僕が判決を言い渡された日のことだ。 あの日、僕は懲役一年十ヶ月となった。 もう決定だった。 初犯だったけれど、執行猶予はつかなかった。 刑務所ってどんなところなんだろう。 そんなところに入っちゃったら、もう社会復帰できないんじゃないだろうか。 これから、どう生きていけばいい? 椅子から立ち上がると、腰ひもと手錠をかけられた。 僕はそれを儀式と呼んでいた