第十一話 何があっても、家族は家族のままだった
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忘れられない母の笑顔がある。
僕が判決を言い渡された日のことだ。
あの日、僕は懲役一年十ヶ月となった。
もう決定だった。
初犯だったけれど、執行猶予はつかなかった。
刑務所ってどんなところなんだろう。
そんなところに入っちゃったら、もう社会復帰できないんじゃないだろうか。
これから、どう生きていけばいい?
椅子から立ち上がると、腰ひもと手錠をかけられた。
僕はそれを儀式と呼んでいた