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コスパやタイパなど

「コスパとタイパ」は、今の若者、特にZ世代以下にとっては当たり前の概念です。コスパはコストパフォーマンスの略であり、タイパはタイムパフォーマンスの略です。言い換えれば、コスパは費用対効果を指し、タイパは時間対効果を意味します。

会社の若手を観察しても、これらの概念が彼らの行動基盤になっていることは明らかです。これは、彼らが成長する中での当然の結果だと感じます。インターネットやスマホなどのデジタルデバイスがデフォルトであり、生まれて以降経済が停滞し、自然災害が頻繁に起こるなどの状況が背景にあると思われます。

もし私自身が今20代だったら、間違いなく同じような考え方をしていたでしょう。コスパやタイパは、自身が生き抜くために不可欠な感覚として身に付いているでしょう。

昔話になりますが、私の世代は無駄を通じて成長しました。良い時代だったと言えますが、個人的には、学業や仕事、趣味のスポーツなど、一見無駄な試行錯誤が成長の源泉となったと感じています。しかしこのような価値観が、日本の生産性を低下させた一要因とも言えます。昨今の日本の国際競争力の低さも、この低生産性が主要因と考えられます。

私は短期的な視点でコスパやタイパを追求することは合理的であると考えます。しかし長期的な視点では、コスパやタイパだけを追求することは、平均的な結果に留まり、そこから突き抜けることを難しくする可能性があると考えます。コスパやタイパは余裕シロがなく、そのため創造的な発想や芸術的な感性が生まれ育まれる余地は小さくなると考えます。

結局、短期、長期の両視点を持ち、状況に応じて使い分けられると良いのではないでしょうか。例えば若者なら少々の無駄は自身の成長に繋がると解釈する。一方で私のような世代は効率性を意識し、明らかな無駄を省くよう心がけることが大切です。

それぞれの世代には独自の経験や価値観、考え方がありますが、どの世代にとっても、バランス感覚を持って生きることが大切なのではないでしょうか。

(終わり)

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