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【無罪】時短協力金詐欺事件判決を公開します

2022(令和4)年7月5日、東京地方裁判所(榊原敬裁判官)は、東京都の時短協力金を詐取したとして起訴されていたグエン・ズイ・ドン氏(ベトナム国籍)に無罪を言い渡しました。
弁護人は趙誠峰弁護士(主任)、須﨑友里弁護士(副主任)、服部でした。

(※2022年7月22日追記、検察官は控訴せず、本件判決は確定しました)

詐欺容疑での逮捕は2021年6月7日です。当時、メディアは、都の時短協力金詐欺の初摘発ということで大きく報じました
その事件が無罪となったことは、特筆されるべきです。
起訴に踏み切った東京地方検察庁公安部には反省を求めたいと思います。
※グエン氏は逮捕後に時短協力金84万円を都に返還しています。

なお、グエン氏は、飲食店で外国人2名に資格外活動をさせたという出入国管理法違反の罪でも起訴されています。この事件は当初から認めているため有罪となっております。

判決文の公開

それでは判決文を公開します(※一部匿名)。

以下は全文pdf(15頁)です。

以下は1頁ごとの画像です。

補足:無実の罪で300日以上の勾留

上記の趙弁護士のツイートを補足します。
グエン氏は、2021年3月に出入国管理法違反で逮捕・起訴され、同年4月に保釈されました。同年5月下旬の初公判で、グエン氏は出入国管理法違反を認めましたが、裁判は終わらず、同年6月7日に詐欺罪で逮捕されます。
詐欺罪では一貫して無実を訴えていましたが、ずっと保釈をしてもらえず、ようやく保釈が許可されたのは2022年4月下旬でした。
グエン氏は、無罪を訴えていたのに300日以上勾留されたのです。
無罪推定原則がきわめて軽視されていると言わざるを得ません。

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