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学ぶ意欲を高める「本物のダイヤモンドの見分け方」小学生向け講座を開催

こんにちは。リカラット代表の小山(おやま)です。
誰でも気軽に宝石を楽しめる環境作りのために色々取り組んでいますが、本業は宝石鑑定士です。

そして今回企画したのは・・・小学生向けに「本物のダイヤモンドの見分け方を学び、それを通じて学習意欲を高める」企画です。(昨年は2回実施)

どちらが本物?

本題に入る前に一つクイズです。
この2枚の写真、どちらが本物のダイヤモンドでしょうか?

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「全然わからない・・・」

という方にヒントです。宝石の後ろの黒いラインには、意味があります。

なんとなく何をみれば良いか分かってきたでしょうか。

実は、本物と偽物のダイヤモンドはこうして並べて置くと、「小学校で学んだこと」を使って簡単に見分けることができます。

どんな方法を使うかというと、、、それは、「理科」の実験でやったような方法です。これは予想できた方も多かったかもしれませんね。

そこで今回は、都内の小学校にて開催した「本物のダイヤモンドの見分け方」講座を通じて、本物と偽物の見分け方をご紹介します。

まずは「ダイヤモンド」について知ろう

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ダイヤモンドはカラーレスだけではありません。
イエローダイヤモンド、グリーンダイヤモンド、ピンクダイヤモンドなど、色がつくものもあります。
ダイヤモンドは婚約指輪に使われることが多く、宝石展の目玉となり、またテレビでも紹介され、子どもでもゲームやアニメを通じて大人になる前に知る、有名な宝石です。

しかしそのお値段は……まさにピンからキリまで。
工業用の人工ダイヤモンドなどは、使い捨てのお掃除用具に使われていたりもします。逆に、庶民には手が出せないような値段の付いた、高級ダイヤモンドも存在します。

たとえば、こちらはどうでしょう?

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爪よりも大きな、ピンク色のダイヤモンド。
素敵ですね! 見ているだけで幸せな気分になれます。

このダイヤモンドは約30億円します。
とても庶民に出せるような金額ではないですね!ビックリです。

しかし大粒のピンクダイヤモンドはとてもレアで、滅多に採掘されることはないといわれています。まさに博物館級のダイヤモンドなのです。

そのため、このようなレアな宝石には驚くほど高い値段がついてしまうのです。

ダイヤモンド以外にもレアな宝石はありますね。
次に、この石を見ていくらだと思いますか?

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これは、小学生講座で実際に子どもたちに聞いてみた質問です。

「100万円」
「1億円!」

という回答もありました。
でも実際は……よく見てみましょう。あなたはこれにいくら払えますか?



そう―――価値は0円です。

「30億円のダイヤモンドの後にそれって、話し方がずるいよ~」

そう思われた方もいるかもしれませんね。
しかし思わず何かしらの価値があると思ってしまう。こういう誘導は、今の世の中に溢れています。

「これは300万円の宝石だけど、特別に100万円で譲ってあげよう」

たとえばこう言われたとき、人はどの程度「騙されてしまう」でしょうか?

「本当は300万円じゃなくて、80万円くらいとか?」

ところが実は数百円のガラス玉だったという話も実際にあるんです。500円程度のものを100万円で買ってしまった。宝石鑑定士として悔しい限りですが、ありうる話です。
とても残念な話ですが、宝石は高くて価値があるもの、という思い込みを利用した詐欺は少なからず存在するのです。

今回の小学生講座では、大人になる前の子どもたちに「ダイヤモンドの見分け方」というテクニックと同時に、「偽物に騙されないためには?」から入って、「勉強する意味とは?」という深い話にも触れました。

・物の価値がわかること
・本物を見分ける賢さをどうやって身につけるのか?

シンプルですが深いテーマを、子どもたちに分かりやすく伝える事は、自分にとっても大きな挑戦でした。

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本物のダイヤモンドを用意して、小学生講座が始まります!

今回の宝石講座は、募集人数を大きく超える112名の子どもたちが参加してくれました。小学校低学年向け、ひらがな多めの資料を用意したのですが、ありがたいことに中学年や高学年のお子さんからのご応募もあったと聞いています。

ところで、私は2児の父親もやっています。
なので「子どもたちの扱いはバッチリ!」と思っていました。

しかし、実際に小学校低学年の子が100人以上集まると……まったく収拾がつきませんでした。小学校の先生ってスゴイんだなぁ……(^_^;)

改めて、こんなたくさんの子どもたちを教えている先生方を心から尊敬します。

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まずは、「物の価値」について考える

宝石の話に入る前に、子どもたちにちょっと質問してみました。

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「このうまい棒、いくらかわかる?」
「10円!」

正解です!
次に、宝石の写真を見せていくらだと思うか聞いてみました。

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「100万円!」
「100円!」
「1億円!」

答えはバラバラでした。

「実は、1000円より安いんだよ」
「ええ~?」

宝石だと思っていた子どもたちはびっくりです。

「みんなはうまい棒は10円ってわかったよね。じゃあなんでダイヤモンドはハズレちゃったのかな?」

「ダイヤモンド、よくわからないし」
「見たことないよー!」

「そう、みんな知らなかったからだよね。うまい棒は自分で買ったことがあったり、スーパーで見たことがあるもんね」

こんな風に話を進めます。
本題の「ダイヤモンドの見分け方」に入る前に、そもそも宝石には偽物と本物があるということを、わかってほしかったからです。

騙されないポイントは2つあります

次に、「騙されないためのポイント」を2つ伝えていきます。

・「物の価値」がわかる
・「本物」がわかる

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1つ目、物の価値はたくさんのダイヤモンドを見ていくうちに自然と身につきます。けれど、本物に似せた偽物がある世界です。本物を見分けるためには知識が必要なんですね。

そして実践です。
子どもたちに、用意しておいた本物と偽物のダイヤモンドを披露しました。

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「ここに2つの宝石があります。1つは30万円。もう1つが0円で偽物です。みんな、本物がどっちかわかるかな?」

「キラキラしているから、Aが本物だ!」
「Bの方が小さいから、Bの方が本物だよ」

正解の見分け方はなかなかわからないものですよね。
ところが小学校で勉強するあることを使って、見分けられる方法があるのです。

ダイヤモンドの見分け方の基本、そして小学生でも知っている知識。
それは「屈折率」です。

屈折率を知るための実験開始

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「くっせつ……って知らない」

まだ習っていない子もいますよね。
そのため、まずは光の屈折を知るための実験を始めました。

グループごとに、次の3種類のコップを用意します。

・からっぽ(空気のみ)
・水
・サラダオイル

それぞれの中にストローを入れると、どうなるでしょうか?

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屈折率が高いほど、ストローは曲がって見えます。
光が進むときに曲がる、ということです。

「ホントだ。曲がってる~」

屈折について知った子どもたちに、続けてヒントです。

「実は、ダイヤモンドはこの光を曲げる力が強いんだよ。それを屈折率が高い、っていうんだ」

これで、大人はピンとくるようです。
ダイヤモンドの屈折率は2.417。天然鉱物の中でも最大クラスなんですね。
この知識を使って、本物のダイヤモンドを見つけましょう。

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「AとB、どちらが屈折率が高いと思う?」

正解は、Aです。

「ものを曲げる力が大きい方が、後ろの黒い線を曲げる力があるんだ。本物のダイヤモンドは、ものを見えづらくさせるんだよ」

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最後は、子どもたちそれぞれに宝石を用意し、配ったものが本物か偽物かを調べてもらいました。もう見分け方を学んでいますから、
「偽物の宝石だ!」
と全員正解することができました。

全員に配るなんて全部偽物でしょ! とわかってしまう子もいましたね(^_^;)

騙されない、賢い大人になるために

ここまでは、「ダイヤモンドを見分ける」というテクニックのお話でした。
しかし、ダイヤモンドを見分けられるだけでは、騙してくる悪い人に対抗できませんよね。

改めてもう一度、大事なポイント2つを子どもたちに伝えます。

・「物の価値」がわかる
・「本物」がわかる

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子どもたちがこの2つのポイントを理解するためには、想像力が必要です。

「どうやったら、騙されないようになれると思いますか?」

この質問には、たくさんの回答が返ってきました。

「いろんなことを知る」
「先生の話を聞く」

もちろん、知識は重要です。

「そうだね。でも、それだけじゃちょっと足りないんだ」

この話に皆、興味津々でした。

「騙そうとする人たちはすごく勉強しています。間違った努力だけど、そうなんです」
「みんなは、10円のうまい棒を100円で買うことになったら嫌だよね?」
「みんなが大人になって10万円稼いだのに、そのお金が偽物だったらどんな気持ちになる? 悔しいよね」
「でも、大人の世界では大事なポイントを知らないとすぐ騙されてしまいます。なので、悪い人よりもたくさん勉強することが大事なんです」

これは、大人になってからも通じる大事な考え方ですね。

「勉強って何の意味があるの?」と思う年頃かもしれませんが、今回の講座を通して、子どもたちの学びに対する意欲がさらに高まったように感じました。

講座が終わって

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今回の講座は、夏休みの課外授業でした。
そのため、子どもたちは最初は楽しむだけだったのですが、「本物と偽物の話」になると真面目な顔になって、勉強の必要性を感じてくれたようでした。宝石を通じて、物の価値がわかること、そして本物を見抜くことが大切であると伝えることができたと思います。

そして、講座が終わると……?
「うちのママはエメラルドを持ってるー」
「偽物の見分け方、教えて!」
「ダイヤモンドの値段ってどうやって決まるの?」
なんて、大人顔負けの質問もたくさんもらいました。

子どもたちの「知りたい」「学びたい」という気持ちに触れて、自分の勉強意欲もますます高まった気がします。

次回の講座開催は?


今年も小学生向け宝石講座を開催する予定です。「この地域で」「このテーマで」などご要望がありましたら、お気軽にnoteTwitterまでご連絡ください。そして、今年は大人向け宝石講座も実施していきたいと思います。


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あわわ、ありがとうございます!
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宝石鑑定士。福岡の質屋出身。大手IT企業勤務を経てGIA G.G.国際宝石資格を取得。宝石卸業として独立後、リカラットを設立。世界中で宝石の買い付けを行い、宝石通算売買数は100万石以上。noteではレアストーンを求めて買い付けた様子やリカラットでのイベントを中心に記載します。
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