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ケーススタディ・オフグリッド・ハウス|CSOH #02|八ヶ岳エコハウスほくほく

山梨県北杜市にある「八ヶ岳エコハウスほくほく」は、築40年ほど経った空き家をオフグリッドハウスにリノベーションしたエコハウスです。全国に約850万戸ある空き家問題の解決に向けた参考にもなる実験的な試みについて、実際に宿泊をさせていただきながら、設計・施工を担った梶原さん(梶原建築)、施主の斎藤さん(朝日新聞社)、河合さん(チリウヒーター株式会社)にお話を伺いました。



建築概要

地域|山梨県北杜市
竣工年|2021年
設計・施工|梶原建築/ 梶原高一
構造|木造
階数|1階
敷地面積|171.94 ㎡
建築面積|65.69 ㎡
延床面積|65.69 ㎡


気象条件

□気温
 山梨県北杜市には観測所が無いため、韮崎市のデータを用いることとする。気温を平均(2022年)で見ると、最低で2.0度(1月)、最高で25.5度(8月)となる。冬期(1月)の最低・最高気温で見ると、-3.2度〜8度の幅があった。夏期(8月)の最低・最高気温で見ると、21.5度〜31.6度の幅があった。
 WHO(世界保健機関,World Health Organization)が「住まいと健康に関するガイドライン,WHO HOUSING AND HEALTH GUIDELINES」で定める寒さによる健康被害から居住者を守るための室内温度である18℃以上の勧告値に対して、5月初旬〜9月下旬以外の季節(10月初旬〜4月下旬、6ヶ月間)は勧告値を外れる地域となる。

□日照時間
 山梨県韮崎市の日照時間は年間計で2170h(2022年)となる。
 気象庁気象官署別日照時間(1995,2000,2005,2009,2010,2011,2012,2013年より平均を算出、総務省統計局)で見ると、全国56官署(56官署の平均で1890h)のうち山梨(8カ年の平均で2286h)は2番目となり、全国的に見て極めて高い値となることがわかる。

□風速
 山梨県韮崎市の平均風速(2022年)を見ると、1.2m/s(7,8月)〜2.5m/s(1,2月)までの幅があった。最大風速で見ると、6.6m/s(8月)〜12.1m/s(2月)となり、冬期に風が強い地域であることがわかる。

□風配図
 山梨県韮崎市では、冬期には北西からの風、夏期には東南東からの風が吹く地域であることがわかる。

山梨県韮崎市の環境特性(気温、日照時間、風速、風配図)

外観および内観

西面外観を見る
西側前面道路より西面および南面を見る
玄関前に庇状に架けられた太陽光パネル
玄関前の薪置き場
東面外観を見る。下屋に薪ボイラーを設置
給湯補助としての薪ボイラー
野立てで設置された太陽熱パネルと貯湯槽
八ヶ岳を背景に薪割り
北面の下屋に設置された制御盤および蓄電池
鉛蓄電池
玄関からリビング越しに八ヶ岳野山並みを見る
リビングから玄関方向を見る
ダイニングからキッチンを見る
玄関土間に設置された薪ストーブ
リビングに設置された床下点検口
床下点検口下部の床組みフトコロに設置された断熱材
裏山の薪取り場をご案内頂く
裏山を歩くと倒木が見つかる
朝日に照らされた神々しい八ヶ岳の山並み,ラジオ体操後に
左から河合さん、梶原さん、斉藤さん、脇坂研メンバーと共に
斉藤さん(左から2人目)、河合さん(右から2人目)と共に

一般図

広域見取図
周辺見取図
配置図兼1階平面図
断面図

空間構成および設備概要

空間構成+設備概要アクソメ図


アクソメ図 南西より俯瞰


アクソメ図 北東より俯瞰

外皮および設備の仕様・性能


システム概要(夏季・冬季システム図)

全体システム図
夏季システム図
冬季システム図

謝辞 
 本リサーチは、(公財)建築技術教育普及センター 令和5年度 建築技術の調査研究又は普及活動を応援する助成「オフグリッド住宅の性能および居住者評価からみたエンヴァイロンメント・デザイン手法に関する研究」(代表:脇坂圭一/静岡理工科大学)の助成を得て進められた。ヒアリングおいては、対象事例の設計者、施工者、所有者各位に多大なご協力を得ました。ここに記して感謝申し上げます。

参加メンバー
 本リサーチは、静岡理工科大学 脇坂圭一研究室に所属する戸塚俊汰(当時・学部4年)、伊藤勢来(当時・学部3年)、梅田怜緒(当時・学部3年)、築地颯(当時・M2)の参画の元、推進されました。また、作図においては、上記に加え、大石蒼佳(当時・学部3年)、ヒアリング文字起こしにおいては、小島千怜(当時・学部1年)も参画しました。

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