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ケーススタディ・オフグリッド・ハウス|CSOH No.06|秋谷の木組

神奈川県横須賀市にある「秋谷の木組」は、エネルギーを作る屋根とHEMSを開発する企業である株式会社Monochromeが開発したオフグリッドハウス。地球環境への負荷、便利な生活、景観への配慮、全てに対応しながら屋根一体型太陽光パネルによってスタイリッシュな景観をつくり出します。2023年11月に竣工したばかりのオフグリッドハウスで株式会社Monochromeの乾岳志さんにお話を伺いました。




建築概要

地域|神奈川県横須賀市
竣工年|2023年
設計|能作文徳建築設計事務所/ 能作文徳 + Studio mnm/ 常山未央
構造|木造
階数|2階
敷地面積|314.06㎡
建築面積|79.69㎡
延床面積|125.58㎡


気象条件

□気温
 神奈川県横須賀市には観測所が無いため三浦市のデータを用いる。神奈川県三浦市の気温を平均(2022年)で見ると、最低で6.6度(1月)、最高で26.5度(8月)となる。冬期(1月)の最低・最高気温で見ると、2.7度〜10.6度の幅があった。夏期(8月)の最低・最高気温で見ると、23.8度〜30.6度の幅があった。
 WHO(世界保健機関,World Health Organization)が「住まいと健康に関するガイドライン,WHO HOUSING AND HEALTH GUIDELINES」で定める寒さによる健康被害から居住者を守るための室内温度である18℃以上の勧告値に対して、5月上旬〜10月上旬以外の季節(10月中旬〜4月下旬、5.5ヶ月間)は勧告値を外れる地域となる。

□日照時間
 神奈川県三浦市の日照時間は年間計で2147h(2022年)となる。
 気象庁気象官署別日照時間(1995,2000,2005,2009,2010,2011,2012,2013年より平均を算出、総務省統計局)で見ると、全国56官署(56官署の平均で1890h)のうち横浜(8カ年の平均で2084h)は14番目となり、全国的に見て日照に恵まれた地域であることがわかる。

□風速
 神奈川県三浦市の平均風速(2022年)を見ると、3.0m/s(5月)〜4m/s(4月)までの幅があった。最大風速で見ると、8.4m/s(7月)〜13.9m/s(12月)となり、冬期に風が強い地域であることがわかる。

□風配図
 神奈川県三浦市では、冬期には北北東からの風、夏期には南南西からの風が吹く地域であることがわかる。

神奈川県三浦市の環境特性(気温、日照時間、風速、風配図)

外観および内観

南面外観を見る
西面外観を見る
西面および北面外観を見る
北面外観を見る
西面に壁掛け設置としたリチウムイオン電池
束状の基礎でスラブを浮かせる納まり
1階玄関からリビングを見る
ダイニングの大開口。ロールスクリーンを降ろした状態
2階よりリビング見下げ
キッチンカウンター下部に設置されたエアコン
2階廊下を見通す。右手に吹き抜け
階段下の制御盤
洗練されたデザインのインターフェイス。電力自給率や消費電力が表示される
太陽光パネルのサンプル
太陽光パネルの取り合い部
太陽光パネルを製造・施工するモノクロームの乾氏と共に

一般図

広域見取図
中域見取り図
配置図兼1階平面図
2階平面図
屋根伏せ図
断面図

空間構成および設備概要

空間構成+設備概要アクソメ図
アクソメ図 南西から俯瞰(手前が秋谷の木組)


アクソメ図 北東から俯瞰(奥が秋谷の木組)

外皮および設備の仕様・性能

外皮および設備の仕様・性能概要

システム概要(夏季・冬季システム図)

全体システム図
夏季システム図
冬季システム図

謝辞 
 本リサーチは、(公財)建築技術教育普及センター 令和5年度 建築技術の調査研究又は普及活動を応援する助成「オフグリッド住宅の性能および居住者評価からみたエンヴァイロンメント・デザイン手法に関する研究」(代表:脇坂圭一/静岡理工科大学)の助成を得て進められた。ヒアリングおいては、対象事例の設計者、施工者、所有者各位に多大なご協力を得ました。ここに記して感謝申し上げます。

参加メンバー
 本リサーチは、静岡理工科大学 脇坂圭一研究室に所属する戸塚俊汰(当時・学部4年)、伊藤勢来(当時・学部3年)、梅田怜緒(当時・学部3年)、築地颯(当時・M2)の参画の元、推進されました。また、作図においては、上記に加え、大石蒼佳(当時・学部3年)、ヒアリング文字起こしにおいては、小島千怜(当時・学部1年)も参画しました。

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