「JAMPの視線」No.188(2023年8月6日配信)
目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④メディア掲載情報
⑤インフォメーション
暑い暑いと思っていたら、気づくともう8月に入っていました。大学生時代に阿波踊りサークルの部長を務めていた私は、20代の頃はほぼ毎年8月12日から15日は徳島の阿波踊りに参加し、踊り足りない気持ちのままに高円寺の阿波踊りにも参加したりしていたので、8月に入ったというだけでウキウキしてしまいます。もしこのメールマガジンをお読みいただいている阿波銀行や徳島大正銀行、徳島信用金庫、阿南信用金庫のご担当者様がいらっしゃったら、ぜひ今週末から来週頭のどこかに勉強会の講師にお招き頂ければ嬉しいです。そしてその流れで各金融機関の連に参加させて頂ければもっと嬉しいです。
さて、そんな現実逃避は置いておいて、そういえば最近になってNewsPicksという経済ニュースSNS/メディアのプロピッカーに就任させて頂きました。実際には7月頭の就任だったのですが、7月の1か月間はお試し就任みたいな形で8月以降に契約延長をして頂けるかわからなかったので、お知らせしておきながら契約更新がされないという恥ずかしい事態を避けるために、このタイミングでのお知らせとなります。小心者で恐縮です。
NewsPicksという経済ニュースSNS/メディアは数年前から利用させて頂いているのですが、SNS/メディアの表現の通り、参加メンバーがSNS的に経済ニュース記事に対してコメントをつけるというメディアになります。ただ、その引用記事のみならず、コメント自体がメディアになっているという意味で非常に興味深く感じており、愛用しています。
私は偉そうにここで語れるほどにメディア論に深い知識があるわけではないのですが、金融という様々な情報が飛び交う業界で活動し、私や日本資産運用基盤グループという会社もメディアを通じて問題意識を発信させて頂いているということから、メディアという存在の成り立ちや現在のあり方、今後の展開等には個人的にとても興味があります。つい先日も「2050年のメディア」という書籍を読み、過去これまでの新聞メディアの発展と電子版への移行、Yahoo Japan等のネットプラットフォームとの競合等を勉強していたのですが、インターネットの登場で情報がコモディティ化するなか、そこで情報そのものではなく、その発信や切り取り、編集等の工程に付加価値と事業性を創出しようとする試行錯誤や挑戦等には強い関心を持ちました。
そのような各新聞メディアの取組みは、まるで足もと金融業界で従来型証券・資産運用サービスがコモディティ化し、そこから事業性が消失している流れと重なるように思われ、インターネットの登場というのは、やはり「情報革命」の表現の通り、メディアという情報を取り扱う業界も、金融という情報から成り立つ業界も、同じような程度に破壊的な影響を及ぼしたのだなということを改めて感じます。インターネット証券が約20年前に登場したことにより、株式売買等委託業務や投信商品等販売業務の付加価値がコモディティ化し、緩やかに利潤が消失してきたことも、メディア業界の状況を後なぞりしているかのように感じます。
その点、上述のNewsPicksという経済ニュースSNS/メディアを利用しながら感じるのですが、もはやファクト(事実)の伝達自体やその速報性等にはコストを正当化するほどの付加価値はなく、それよりも誰がどのようなインサイトをそこに乗せたかということが重要になっていると思います。このことは、これまでの投資信託等の金融商品そのもののには付加価値はもはやなく、それを用いて個人・法人のお客様にどのようなアドバイスを誰が提供するかに付加価値が移っているということにも通じるように感じます。
私自身は金融業界に生き、そこでしか生きられない人間ではありますが、そこでの付加価値を広げるためにも、「情報革命」によって同じように影響を受けたメディア業界についてこの機会に勉強しようかなと感じる今日この頃です。
2023年8月1日
【MUFG、アセマネを信託銀と同列に 経営の自立性高める】
大原のコメント→
金融グループ内における資産運用会社の位置づけを見直し、他の業態(銀行や証券、信託銀行等)と同列に並べるのは政府が推し進める資産運用業改革の方向性に沿うものと思われますが、金融庁・監督局における資産運用業者の監督部署も証券課の下にある資産運用モニタリング室を資産運用課に昇格させる等の対応があっても良いのではないかと感じています。
2023年8月2日
【ピクシーダストが米ナスダック上場 落合陽一氏が代表】
大原のコメント→
日本のスタートアップ業界が活性化する流れの中で、株式公開の選択肢が東京証券取引所のグロース市場への上場のみならず、他国市場への上場も広がっていくことは望ましいように感じます。
今年に入ってから既に5社の日本企業がNASDAQ市場に上場しているとのことですが、・・・(続きを読む)
2023年8月3日
【地銀系証券が「仕組み債」の販売停止で陥った苦境】
大原のコメント→
弊社では余裕資金に親和性の高い「投資商品」と生活密着資金に親和性が高い「資産運用サービス」を区別して整理をしていますが、仕組債を含む「投資商品」に全くニーズがなく、個人のお客様に販売すべきではないとまでは考えていません。
ただ、地域銀行のお客様はその預金口座で主に生活密着資金を預け、それを基盤に金融取引をしていることが多いこと等を考えると、・・・(続きを読む)
2023年8月4日
【マスク氏のX、アプリで金融取引ハブ構築模索】
大原のコメント→
イーロン・マスク氏としてはペイパル前身のX.com時代の世界観の実現に改めて挑戦ということだと思いますが、あの頃から比べると金融サービス提供アプリ等もかなり増えてきていますので、どのような独自性を打ち出し、その激しい競争に勝とうとしているのか興味があります。
2023年7月31日
【地銀、女性の8割が個人営業・窓口 旧態依然の配置続く】
長澤のコメント→
金融庁が6月に公表した「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」で指摘した、女性のリテール部門への偏りなどの性別による業務内容の偏りや管理職登用については当然是正すべき課題には違いはないと思いますが、性別に関わらず部門の違いによる管理職登用についても課題があるのではないかと思います。得てしてリテール営業に比べ法人営業や本部勤務の方が管理職となる可能性が高いと言われていますが、リテール顧客向けの中長期的なコンサルティング営業の強化を図る戦略を打ち出している地銀は多く、・・・(続きを読む)
2023年8月2日
【ファンドラップ、運用益の顧客割合が減少 3月末】
長澤のコメント→
ファンドラップの共通KPIについては、今年(3月末基準)はどうか分かりませんが、金融庁で取り纏め公表することをやめてしまったので、時系列かつ業界横断的な比較は有難いです。
ただし、ファンドラップは単に投資信託を組み合わせた商品ではなく、個々のライフプランを踏まえた資産運用アドバイスを含むサービスであるべきであり、そこに付加価値があると考えます。従って、本来運用損益だけで判断すべきではなく、運用ポートフォリオの提供以外にどのような付加価値を提供できているかまで含めた比較が必要ではないかと思われます。
しかし、こういった定性的なサービスの質を一律に横比較することは難しいと思われますので、・・・(続きを読む)
2023年8月3日
【地銀系証券が「仕組み債」の販売停止で陥った苦境】
長澤のコメント→
各証券会社が公表している「業務及び財産に関する報告書」において、一般に仕組み債関連の収益が計上される「トレーディング損益(債券等)」の数値を見ると、地銀系証券会社27社中2社を除き減益、25社の単純平均減少率は48%とほぼ半減しています。
また、営業収益に占める債券トレーディング損益の占める比率を見ると、昨年は10社が50%以上(27社平均44%)であったのに対し、今年は7社が50%以上(同36%)です。仕組み債から外貨建債券等へ販売の軸足を変更しても債券トレーディング損益に含まれるので一概には言えませんが、・・・(続きを読む)
■執行体制の変更並びに当社及び子会社の取締役の異動について
株式会社日本資産運用基盤グループにおいて、以下リンクの通り取締役及び執行役員の異動がありましたので、お知らせいたします。
■コラム公開:コンプライアンスチームの連載noteの公開
新興・海外資産運用会社の立上げ等の支援を提供している弊社コンプライアンスチームがnoteに第34回目の記事を公開しました。
「「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」について(シリーズ3)」
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