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「JAMPの視線」No.228(2024年5月12日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④メディア掲載情報
⑤インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2024年5月12日

 過去に一緒にIFA業界に関する共著もご一緒させて頂いた資産運用業界の大先輩であるフィンウェル研究所の野尻所長にお声がけ頂き、先週火曜日夜に開催された「フィンウェル研究所5周年を『理由にした』ネットワーキング・パーティ」に参加させて頂きました。金融審議会市場ワーキンググループの委員も務められていることもあり、野尻さんの人脈はおったまげるほど広く、当日は証券・資産運用業界はもとより官庁やスタートアップ企業等からも約100名の錚々たる方々が出席されておりました。残念ながら私は4歳になる次男がおもちゃの部品を鼻の穴に詰めて病院に運ばれたという妻からの緊急連絡が入り、不完全燃焼なままに会場を後にしなければなりませんでしたが、「このネットワークは業界のためにも次世代に引き継ぎたい」という野尻さんのお考えに少しでもお役に立てるよう、来年以降もぜひ参加させて頂きたいと思います(またお声がけ頂ければ・・・m-_-m)。
 さて、新NISAへの移行や株式市場の盛況等の良いニュースも聞かれる一方で、為替市場での円安が大きく進行し、輸入物価高を通じた生活者の負担増への懸念も多く聞かれるようになってきました。それに伴い、資産運用業界においては、米ドル等の外貨建ての資産運用商品・サービスの開発の必要性に関する議論も増えてきているように感じます。確かに、中長期的に日本円が減価していく可能性が小さくないことに加え、老後は海外に移住したり、海外・国内の複数拠点で生活をしたり等、私たち日本人のライフプランも多様化しているなか、国内の金融機関が取り扱う商品・サービスといえども、米ドル等の外貨建てのラインナップも拡充するという流れは自然なのかもしれません(海外から日本に働きに来られ、現役期間は日本で給料を受け取り、日本で資産形成を行う外国人の方も今後増えていくでしょうし)。
 ただ、商品・サービスの供給側に目を向けると、先週から楽天証券で取り扱いが開始された新しい米ドル建てMMFもそうであるように、外貨建ての資産運用商品・サービスというとケイマン籍やルクセンブルグ籍等の外国籍投信が一般的であり、外貨建て投信は殆どないのが現時点での実情です。外貨建て国内籍投信自体は約10年前の2016年に第1号が設定された後、これまでに複数の運用会社が設定・運用を行っており、円建て投信と異なる困難はあるものの、決して技術的に不可能というわけではありません。これから外貨建て資産運用・サービスの需要が改めて強くなるなか、その付加価値向上に努めるという意味では、運用会社や販売会社側で円建て国内籍投信をベースにした事務運営で対応できたり、日本と投資対象国の間の租税条約によって税メリットを享受できたり等の理由によって、これまでのように外国籍投信ではなく、外貨建て国内籍投信で商品・サービス開発を行うことが「顧客本位の業務運営」に沿うという考え方も広まっていくのではないでしょうか。
 弊社・日本資産運用基盤も足もとは個人のお客様向けに金融機関がゴールベースアプローチ型資産運用サービスを提供する際の支援ソリューションを提供していますが、その外貨建てニーズへの対応も検討する必要性を感じています。技術的な話になりますが、弊社ソリューションの独自性のひとつに「投資一任報酬内蔵型スキーム」というものがあります。本来は投資対象投信の外側で徴収する投資一任報酬をその投信の信託報酬の一部として徴収し、関係する金融機関側の業務負担を大きく軽減することができるというスキームですが、これは国内籍投信を前提としたものであり、外国籍投信では適用困難なものです。この点、弊社が提携する信託銀行等とともに外貨建て国内籍投信を活用することにより、現在のソリューションのメリットをそのままに外貨建て対応することができれば、ゴールベースアプローチ型資産運用サービスの付加価値向上や提供金融機関のビジネス拡大に大きく貢献できるのではないか、そのようなことを考えています。
 ゴールベースアプローチ型資産運用サービスの支援ソリューションについては、先日も日経新聞に取り上げて頂いた預かり資産担保ローン機能の追加に加え、相続対応機能の追加、そしてこの外貨建てサービスへの対応等、ご支援する金融機関のサービス・ビジネスに貢献できるよう、今後も継続して研究を進めてまいりたいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

【「金利ある世界」に備え…金融業界で人材獲得競争激化 大和証券はIT人材を増員】
大原のコメント→                                    
 確か昨年くらいの新聞インタビュー記事で横浜銀行の片岡頭取が「金利上昇局面を経験したことがあるシニアの有価証券運用事業経験者を新たに募集する」旨のご発言をされていた記憶があります。
 金利が下がる→無いことが前提の事業環境が長く継続してきたいま、現役世代のほぼ全員が未経験の事業環境がこれから始まるということは、金融機関にとってリスクでもあり、・・・(続きを読む)

【規制緩和で新興運用の参入促進 金融商品取引法改正案が衆院通過】
大原のコメント→        
 資産運用立国実現プランの目玉のひとつである資産運用会社のコンプライアンス業務等の外部委託に関する規制緩和を内容とする金商法改正が衆議院で可決されました。
 資産運用会社の付加価値創出は主に投資運用やリスク管理業務であり、コンプライアンス業務を含むミドルバックオフィス業務領域は付加価値に直結するところではない一方、当該業務に知見・経験を有する専門人材の数が限られており、資産運用会社の新規参入の障壁となっていることが長らく問題視されていました。
 コンプライアンス業務を含むミドルバックオフィス業務の外部委託を通じ、そのような業務を外部専門機関に集約することが可能となり、個別の資産運用会社単体としても資産運用業界全体としても生産性の向上を実現することは、・・・(続きを読む)

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

【苦情に学べ モニタリング結果から読み解く】
長澤のコメント→
 今回のモニタリング結果の対象となっている外貨建て一時払い保険は、投資期間が10年以上の長期にわたる商品が多いのですが、別のモニタリング結果では、苦情は契約後相当程度の期間が経過して発生しているものが大宗であると報告されています。当初受けた説明の記憶が不確かになるケースもあり、アフターフォロー時に、外貨建てといった商品特性の再確認や円ベースでの時価情報提供などを丁寧に行うことも、・・・(続きを読む)

お知らせ・ニュースリリース

■代表の大原がETFカンファレンスに登壇します
 代表の大原がS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が6月4日-5日に開催する「第16回 ETFコンファレンス」に登壇します。

https://www.spglobal.com/spdji/jp/events/16th-annual-japan-etf-conference/#summary

メディア掲載情報

■コラム公開:コンプライアンスチームの連載noteの公開
新興・海外資産運用会社の立上げ等の支援を提供している弊社コンプライアンスチームがnoteに第43回目の記事を公開しました。

「「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」の概要について」(シリーズ2)

■メディア掲載:朝日新聞DIGITAL
「朝日新聞DIGITAL」で弊社代表大原のインタビュー記事が掲載されました。

「投信の「不毛な戦い」に終止符を もうからない金融業界への処方箋」

インフォメーション

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