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【ルーンテラ】トリプル構成について考えてみた

こんにちは、こんばんは、keihです。今回はトリプル構成について私の考えを紹介します。

注意点として、この記事は今から1年以上前の2022/2/6に調整チーム内向けに書いた記事になります。シーズントーナメントが前提の内容になっており、ルーンテラオープンだとおそらく勝手が変わってしまいますが、共通する点もあるかもなあと思い、掘り起こしてみました。


この記事の要約:
魔法と災いシーズンにてトリプル構成でオープンラウンドに出場した。
トリプル構成の良い点は
・パワー構成に対するカウンターになる
・バンピックで負けることがほぼない
・多くの対面に対して有利マッチで戦える
・デッキの練度上げがパワー構成より楽
反対に悪い、難しい点は
・パワー構成よりもパワーで劣りやすい
・メタを読み間違えるリスクが付きまとう
・環境の最強デッキの上振れと向き合わないといけない

主に書きたかったことは以上です。


トリプル構成とは

ルーンテラのBO3は、2地域での被りなし、同チャンピオン使用禁止で3デッキ持ち込むことがルールとなっており、1つの地域を3デッキに組み込むことができます。このルールを逆手に取り、環境のトップデッキに対して構造上有利な地域を3デッキともに使用する構成のことをトリプル構成と呼んでいます。

例えば、「ダークネス」デッキを3タテするために、バンドルツリーデッキを3つ持ち込むようなイメージです。ダークネスは細かいユニットで相手のアタックを止めながらベイガーのレベルアップを目指し、レベル2ベイガーのダークネスで勝つのを基本戦術としています。このカウンターとして、バンドルツリーでの特殊勝利を狙うデッキはダークネスカウントが進む前に特殊勝利できるため構造上有利です。バンドルツリーデッキを3つ持ち込むことはダークネスに有利なトリプル構成と言えます。

注意事項
当時はバンドルツリーがナーフ前で、ゲーム中に全10地域のユニットをプレイしていれば勝利できました。バンドルツリーに勝とうと思うと、バンドルツリーを置かれる前に殴り切るか、バンドルツリーを置かれたタイミングで破壊する必要がありました。

当時の思い出



トリプル構成の良い点

主に以下の点が強みだと思います。

  • パワー構成に対するカウンターになりうる

  • バンピックで負けることがほぼない

  • 多くの対面に対して有利マッチで戦える

  • デッキの練度上げがパワー構成より楽


パワー構成に対するカウンターになりうる

ルーンテラのシーズントーナメント、特にオープンラウンドでは、パワー構成の持ち込みが非常に多く、実際にTeam かぐや姫のような調整窓では毎シーズンパワー構成で結果を出しています。

Team かぐや姫は昔あった調整チームの一つで、賞金付き大会を開いてくれていたルーンテラの調整チームです。

当時の思い出

ここでのパワー構成は、統計サイトの情報などから強いデッキを上から3つ選んできたような構成を指します。

ASIAサーバーの統合でシーズントーナメント参加者が増えたこともあり、今後はよりパワー構成で8勝以上を目指す人が増えると考えられますが、トリプル構成であれば、パワー構成相手に相当強く出られるというメリットがあります。

トリプル構成側は苦手なデッキを1つバンすれば、有利マッチ+最低5分のマッチをすることができます。


バンピックで負けることがほぼない

パワー構成を持ち込んだ場合、多くのバンピックで運要素が発生します。例えば「魔法と災い」シーズンのパワー構成は、SIアーリケネン、スカウト、ダークネスのような3デッキになりますが、対面がSIアーリケネン、バンドルツリー、パンテオンタリックのような3デッキの場合、バンピックに読み合いが発生してしまいます。

相手がスカウトをバンしてくる場合
⇨SIアーリケネンをバンしたい
相手がSIアーリケネンをバンしてくる場合
⇨バンドルツリーをバンしたい

例です


これに対して、トリプル構成であればバンピックは読み合いにならず、常に不利なデッキをバンすることだけを考えれば良いです。トリプル構成とパワー構成が戦う場合、パワー構成側はどのデッキをバンしてもきつい戦いを強いられるのに対して、トリプル構成側は一番きついデッキをバンするだけで良いです。


多くの対面に対して有利マッチで戦える

トリプル構成同士がぶつからなければ、不利デッキをバンすればどの対面とも5分~有利のデッキで戦うことができます。万が一、不利デッキが2つあったとしても、より不利な方をバンすることで対応できますし、少なくとも有利な相手に2回戦うことができます。

トリプル構成同士が当たった場合は、有利な側が非常に有利な戦いになりますが、そうならないようにメタ読みで対応できます。


デッキの練度上げがパワー構成より楽

トリプル構成は構造上、似たようなデッキを3つ持ち込むため、戦い方の近いデッキを使用できます。そのため、多くのデッキを回す必要がなく、その分勝ちたい相手との戦い方を練習する時間を長く取れます。

パワー構成の場合は少なくとも3つのデッキの練度を高める必要があり、練度上げに時間と労力を取られますが、トリプル構成なら構成が決まってしまえば、練習の時間はそれほど多くかからないという点でかなりのメリットがあると言えます。

ここはルーンテラオープンでも同じようにメリットだと思います。ラダーで1つのデッキを回し続けているなら、それに近いデッキを後2つ用意してしまうのが手っ取り早いです。

今、自分で読んだ感想


トリプル構成の悪い、難しい点

主に以下の点です。

  • パワー構成よりもパワーで劣りやすい

  • メタを読み間違えるリスクが付きまとう

  • 環境の最強デッキの上振れと向き合わないといけない


パワー構成よりもパワーで劣りやすい

環境で最強と言われるデッキを持ち込むパワー構成は、雑多なデッキに対して非常に強く出られるという点で、人数の多い大会では安定の選択肢になります。

これに対して、トリプル構成は環境での最強デッキに勝つということを第一目標としているため、他のデッキには弱くなりがちです。また、パワー構成に構造上有利とはいえ、3デッキ持つことになるため、ぶん回ったパワーデッキに対処できずに負けることもあります。その場合に、5分程度のデッキに2回勝たなければいけないのも難しい点になります。


メタを読み間違えるリスクが付きまとう

トリプル構成は「自分が」一番強いと考えるデッキに対して強いデッキを3つもつことになります。そのため、世間と自分の認識が違った場合は、不利マッチと何度も戦うことになります。

トリプル構成を握る場合は、メタ読みを正確に行う必要があり、正確なメタ読みができないなら、トリプル構成をもつのはあきらめて、パワー構成で戦う方が良いです。

メタ読みでどんなにうまくいっても使用率Topのデッキの使用率が30%程度ではメタを張っても意味がないというのを当時の自分に伝えたいですね。残りの70%にも勝てるように構成を組みましょう。

今、自分で読んだ感想


環境の最強デッキの上振れと向き合わないといけない

「パワー構成よりもパワーで劣りやすい」という点とも近いですが、いくらトリプル構成がパワー構成に構造上有利と言っても、3デッキともパワー構成が最強の動きをしてきたときに勝てますかと言われると難しくなりがちです。

環境で強いといわれるデッキは、不利だと思われる相手にも強く出られるからこそ勝率が出ているのであり、そうでないならどこかのタイミングで勝率が下がっているはずです。今は統計サイトで勝率が簡単に見れますし、長い期間で高い勝率を残しているデッキは、不利マッチでもまくれる何かがあると思った方が良いです。

そういった最強デッキの最強ムーブを止められるように構成を組む必要があるのが難しい点です。


トリプル構成の作り方

基本的に以下の流れで考えるのが良いと思っていますが、正解はまだ分かりません。

  1. 環境で最強のデッキを理解する

  2. 最強のデッキと組んで強いデッキを理解する

  3. 1,2を基に勝ちたい相手と順番を3つほど決める

  4. 3で選んだ相手に構造上有利な地域、デッキを調べる

  5. トリプル構成を仮組みする

  6. 実際の相性を調べる

  7. 各デッキの練度を上げながら、調整する

環境で最強のデッキを理解する

当たり前ですが、一番勝ちたい相手を見つける必要があります。環境で最強のデッキはシーズントーナメントでも多くのプレイヤーが持ち込むため、まずは環境で最強のデッキを見つけ出し、理解する必要があります。

ここでの「環境で最強のデッキ」は自分の中での最強デッキではなく、世間の最強デッキになります。

ランクマッチでは一番握りやすいデッキになるので、マスター到達までに積極的に使用して、環境で最強のデッキの勝ち筋、負け筋、どういった相手に強い/弱いのかはこの段階で調べるべきです。

また、この段階で環境で最強のデッキに勝てそうなデッキが3つも作れなさそうだと判明する可能性があります。その場合は自分が使用する側に回ることも考えましょう。


最強のデッキと組んで強いデッキを理解する

パワー構成を考える場合、環境で最強のデッキの横に2デッキつける必要があります。まずは自分だったらどのデッキを横につけるかを考え、それらの勝ち筋、負け筋、強い/弱い相手を理解しましょう。

デッキ間の相性関係は、統計サイトや有名なプレイヤーがまとめられている情報を基にすることでも良いと思いますが、ここでの調査はトリプル構成がどこに勝ちに行くかを決定する重要なフェーズなので、自分なりに強いデッキを考えておくのが重要です。


1,2を基に勝ちたい相手と順番を3つほど決める

これまでの調査でどのようなデッキがパワー構成になりうるかが自分の中で決まっているはずなので、そのうち勝ちたいデッキを3つほど決めます。

1つに絞らない理由は、より多くのデッキに相性が良い方が勝ちやすいからですが、メタ読みを外した場合や、1番勝ちたいデッキに構造上勝てるデッキが見つからない場合のリスクヘッジにもなります。

また、多くの環境で、最序盤に強いといわれたデッキがメタられてしまい、シーズントーナメントでは見なくなることがある点にも注意が必要です。


3で選んだ相手に構造上有利な地域、デッキを調べる

ここまでで勝ちたい対象と、そのデッキの勝ち筋、負け筋が理解できているはずなので、構造上有利なデッキを考えることができる段階になります。

最終的には、最も勝ちたい相手に8割以上勝てるような構築にしたい(2戦して勝率6割以上保てるため)ですが、この段階ではそこまで求めず、とにかく勝てそうなデッキが何かを調べます。

重要なのは、勝ちたい相手のデッキに対する勝ち筋を理解し、構造上有利なデッキを作れるようになることです。


トリプル構成を仮組みする

ここで、トリプル構成の案を作成します。この段階は、大会の2~3週間前には開始できていると理想的だと思いますが、環境の状況にもよりますし、カード調整があるようなケースもなくはないので一概には言えないです。

シーズントーナメントにトリプル構成で出るつもりなら、シーズン序盤から案を作っていくのも良いと思います。その後の練習時間を考えるなら、開始時期は早いに越したことはないですが、大会の2週間前には案がないと練習時間が取れなくなるリスクがあります。


実際の相性を調べる

ここまでデータや自分の感覚を基に構成を組んでいますが、実際に複数回対戦して相性を調べるのは重要です。感覚的には有利でも、シーズントーナメント終盤に当たるパワー構成は、本当に上手いプレイヤーしかおらず、不利マッチでも勝てると思っているか、そもそも不利と思っていません。

強いデッキを上手く使ってくる相手にも本当に勝てるのかを調べる必要があり、このプロセスを経ずに組んだメタ構成(環境で最強のデッキに勝てる3デッキを持ち込む構成)はただの弱い構成になりがちです。

トリプル構成も、ただの弱い構成になるリスクがあるため、何度も対戦して本当に勝てるか、どうやったら勝てるかを調べることが必要です。

この過程では、1デッキについて10戦やったら8,9戦は勝つレベルでないときついと思った方が良いです。仮に勝率9割の場合、2戦して両方勝つ確率は81%、8割の場合は64%、7割の場合は49%です。実際にはもう1デッキにも勝つ可能性があるので、勝率はもう少し上がりますが、この段階で8割、少なくとも7割程度勝てないようならトリプル構成は持ち込めないです。


各デッキの練度を上げながら、調整する

この過程はパワー構成、トリプル構成関係なく必要ですが、各デッキの練度上げです。ただし、パワー構成と比べてトリプル構成は3デッキとも似た構築、勝ち筋、戦い方をもつので、パワー構成と比べて実質半分程度の時間で練度を上げられると思っています。途中で勝ちに近づく要因を見つけた場合は、すべてのデッキに反映することができます。

また、勝ちたい相手とのマッチアップを練習するだけでなく、すべてのデッキ相手に満遍なく練習するのも重要です。ランクマッチでは様々なデッキに当たるので、LPに余裕があるならランクマッチを回すのもいいと思います。

今年からはランクマッチとルーンテラオープンのシード権に関連性がなくなって本当に良かったです。ランクマッチで無限に回しましょう。

今、自分で読んだ感想


トリプル構成の例

トリプル構成では、各地域の強い要因を使うのがポイントです。2022/2/6時点では例えば以下のようなものがあります。

  • デマーシアの奮起シナジー

  • ノクサスの除去シナジー

  • バンドルシティの戦火のヨードル、海貝

  • シャドウアイルの除去シナジー

  • フレヨルドの全体除去

例えばデマーシアの奮起シナジーなら

  • アクシャンシヴィア

  • ゼドルル

  • パンテオンタリック

  • スカウト

  • 戦火スライド

など、奮起デッキを組むことができます。


(当時の)終わりに

トリプル構成についてまとめました。おそらくシーズントーナメントに出る上で一番面白く、実力が出る持ち込みだと思います。

トリプル構成を持ち込むうえで大切なのは、ただの弱い構成に成り下がらないようにすることです。パワーもあり、環境で最強のデッキにも勝てることが重要です。



(今の)終わりに

自分が昔書いた記事を振り返ってみると、かなり恥ずかしいですね。内容自体は今も使えそうなことが多いと思いますが、少し注意したほうがいい点があります。


トリプル出来ない構成が増えた

1年ほど前のルーンテラは、トリプル構成を組みやすいカードが今よりも多かったです。ファロン隊長はフォロワーでありながら1枚でゲームを決められるパワーが有りましたし、バンドルツリーや戦火のヨードルも1枚で勝てるカードでした。

それに比べて、今ではあまりにも強いチャンピオンが出てきています。ジェイス、ラックス、ハイマーディンガーのようなチャンピオンたちはシナジーが強すぎるため、似たようなデッキを組むことがかなり難しいです。一つ前の環境の、ルルジンクスもこのチャンピオンの組み合わせだからできるパワフルなデッキでした。


チャンピオンは3デッキに共通していれることが出来ないので、トリプル構成は強力なフォロワーやスペルを軸に据えることになります。今となっては3デッキ組めて、かつパワー構成のデッキに勝てるカードを見つけるのは難しくなったなと思います。


本当にTier1をメタる必要があるのか?

この記事を書いていた当時、トリプル構成が正義だと信じていたのですが、最近はトリプルだと勝ちきれない可能性が高いんじゃないかという考えになってきています。

というのも、ルーンテラにおける環境で使用率Topのデッキは高くても25%程度なのです。これはランクマッチであり、BO3で3デッキ用意するとなったらもう少し上がるかもしれませんが、それでも50%等大幅に上がることは少ないでしょう。


仮に、50%のプレイヤーが使用するとしても、残り半分は別のデッキと戦うことになり、メタを張ったところで他のデッキに負ける悲しい構成になりかねません。もちろん、そうならないようにパワーのある3デッキを用意した上でトリプル構成を組むのですが、だとしてもちゃんとパワーのある3デッキを組んだほうが勝ちやすいゲームになってきている気がします。



トリプル構成はいつも考えているときは最強じゃない?となるのですが、最後に勝ちきれない事が多いなあと思っています。自分のプレイスキルの問題もあるかもしれませんが、実際に勝ち抜けているのはパワー構成が多いです。

ただ、それでも「自分なりの構成」を考えてゲームをすることが面白いと思っていますし、勝てたときの嬉しさも大きいです。



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