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弱さを武器にするな。

自分自身も過去に精神病を患い、現在は自助グループで働く女性E様にお会いした。最近、グループの代表が変わった。これまでは言いたいことを言える雰囲気があったが、代表が変わって、誰もが空気を読むようになった。本来は誰でも参加できる場所なのだが、代表が「あの人は無理」とか「あの人は追い出せ」と指示するようになり、雰囲気は悪くなった。先日、グループに一人の男性が来た。彼は「五千円貸して欲しい。このままでは家の電気が止められてしまう」と言った。グループのメンバーは、国の制度を利用すればいいとか、障害者手帳を取ればいいとか、男性にアドバイスをした。しかし、男性は「事情があってそれをすることはできない」の一点張りで、誰の言うことも聞かない。その場に居合わせたE様は思った。五千円くらいだったら、自分が出すことができる。だが、それがいいことなのかわからない。

E様は、男性を見た時に「困っているけれど、自分を開かない」と感じた。困っている割には、自分を開かない。ただ、要求だけする。その場に居合わせた人も同じで、国の制度や障害者手帳などの情報は伝えるのだが、自分を開くことをしない。情報を出せば、自分を出さないで済む。しかし、事態が好転することはない。結局、モヤモヤしたまま終わってしまったとE様は言った。私は、E様の言語化能力を「お見事だ」と思った。困っているけれど自分を開かない状況は、私も頻繁に目撃する。自分はこれだけ大変だと、自分の窮状を訴える人は多い。だが、窮状を訴えるだけでは、自分を出したとは言えない。弱さは武器になる。自分はこれだけ大変なのだと窮状を訴えれば、人の助けを得ることができる。だが、これは「弱さを武器にした脅迫」だ。被害者の顔をした加害者になる。弱さを武器にした支配に巻き込まれたくないから、関係者も男性を避ける。結果、男性は孤立を深める。人間的な関係性を築けないまま、他人のエネルギーを奪いながら生きることになる。

E様は言った。自助グループなので、精神的な問題や、経済的な問題を抱えている人が多い。ここはなんでも話せる場所ですよと、安心安全を提供したい思いもあるけれど、モヤモヤすることも多い。人に会うことを億劫に感じてしまうこともある、と。私は、言葉が悪いが「全員共犯者だ」と思った。男性だけが悪い訳ではない。情報を出せば、自分を出さないで済む。結果、衝突を避けることができる。この「衝突を避ける態度」が問題で、だから、全員共犯者だと思った。心を閉じると、全員微妙になる。逆に、誰か一人でも心を開くと、そこからエネルギーが流れはじめる。シンプルに、ナチュラルに、ただ「あなたは、困っている割に自分を開いていないように見える」と、真っ直ぐに伝える。そうすることで、本当の会話がはじまる。会話【コミュニケーション】を避けて、答だけを提示しようとしても、絆は生まれない。問題は、金の欠如ではなく絆の欠如だと思った。コミュニケーションの欠如だと思った。一方的に話を聞くだけでは、相手に依存をさせてしまう。

E様は言った。私の母は女手一つで私を育ててくれた。今、彼氏がいるのだが、毎月一回母に会って愚痴を聞く時間がある。正直疲れてしまうのだが、それを言うと母親は泣く。泣いて私を責める。逆に、私が愚痴を話すと「あなたらしくない」とか「あなたは強い子だから大丈夫」と言われてしまう。愚痴を聞いてあげることが大事だと思っていたけれど、弱さは武器になる。母は、弟には泣かない。私の前だけで泣く。私には泣き落としが有効だと、わかっていて泣いているのだと思う。依存をさせることは本意ではない。だから、次からは正直に言おうと思う。その人の本性がわかるのは、ピンチの時とか、弱い時。澄んだ水の場では見えないものが、濁った時には見える。強さや弱さ、醜さや綺麗さ。せっかく人に会うのだから、綺麗な水のままで終わっちゃうのはもったいない。言っちゃいけないことはない。人を通じて自分を発見するのだと思う。そう思うと、人と会うことが楽しみになった。自助グループに行くことを、最近億劫に感じていた自分がいた。だけど、楽しみになった。人と話すことは、本来、楽しいことなんだって思い出した。

弱さは武器になる。それによって相手を支配し、場をコントロールすることができる。だが、本当の喜びは、本当の愛は、支配とは無縁の場所にある。弱さを武器にするな。自信がないとか、繊細だとか、アダルトチルドレンだとか、人見知りだからとか、そんなことを言えばみんなから大事にされる。自分を守る言い訳にもなるし、自分の不甲斐なさを正当化できる。しかし、そんなことを言っていたらいよいよなんにもできなくなる。繊細だから遠慮してくださいとか、繊細だからほどほどにしてくださいとか、そんなことを言っていたら死ぬまで絆と無縁になる。誤解を恐れずに言えば「俺だって繊細だぞ?それでもやっているんだよ」と思う。繊細じゃないからできるのではなく、繊細なままやっているのだ。完璧になるのを待つのではなく、不完全なまま飛び出す勇気。弱さを武器にするな。繊細さを言い訳にするな。自信がないまま、繊細なまま、アダルトチルドレンのまま、人見知りのまま、第一希望をぶちかます。嫌われるのが怖いとか、拒絶されるのが怖いとか、自分を守るための言い訳を並べ立てることをやめて、愛の嵐をぶちまける。私たちは、愛されるために生まれたのではなく、愛するために生まれたのだと思う。だからゴー。寿命が来る前に。灰になる前に。愛はバーニングだ。

おおまかな予定

7月26日(水)静岡県熱海市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

7月30日(日)日曜礼拝&わたり食堂【0円食堂】
https://note.com/keigosakatsume/n/n71a5dee36e87

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z

バッチ来い人類!うおおおおお〜!